「たそがれたかこ」のキャベツ焼き

「おかめ日和」が大団円で終了し、間もなくして始まった大好きな入江喜和先生の新作「たそがれたかこ」。

主人公は45歳バツイチ、都内のアパートで年老いた母親と二人暮らしのたかこさん。後ろ向きな性格のせいか歳のせいか、わけもない不安に押しつぶされそうで眠れず、涙を流す夜を過ごしている。

そんな灰色な毎日のとある日、ラジオから流れてきた新人バンドの曲に一瞬で心をもっていかれてしまい、変わりばえのなかったたかこさんの日常が大きく動き始める。



あとがきの「人が描かないような人を主人公にしたい」という入江先生の言葉のとおり、今作も漫画の主人公としてはびっくりするくらい地味です。

でもそんな表舞台には出てこない「日陰の愛すべき人」を丁寧に描くことで、こんなにワクワクする物語になることを、毎回入江先生は教えてくれます。

「たそがれたかこ」(入江喜和/講談社)1巻より
※【コマ引用】「たそがれたかこ」(入江喜和/講談社)1巻より

そして入江先生といえば、「杯気分!肴姫」のときから、作中にたびたびおいしそうな料理が並ぶことでもおなじみ。

1巻で気になったのは、「キャベツ焼き」なる料理。「これでもか」のキャベツ千切りを、超少なめの粉や卵などを入れて混ぜて焼いた、ヘルシー版お好み焼き。

「たそがれたかこ」(入江喜和/講談社)1巻より
※【コマ引用】「たそがれたかこ」(入江喜和/講談社)1巻より

作中に登場するたかこさんの料理は、「冷やし中華」「じゃがいもの千切りのカリカリじゃが焼き」など、やたらと千切りを駆使したものが多いです。

「千切りをしていると無心になれる(≒考え事できる)」という理由で、「趣味」と言えるほど好きなんだそう。 ここにもたかこさんの地味というか、細やかな性格が表れているよう。

余談だけど、料理で好きな工程って人それぞれありますよね。私は鍋とかフライパンを木べらでかき回す「木べらのひと時」を愛しています。(お玉やフライ返しじゃイヤで、木べらじゃないと萌えない)


材料 
材料: 小麦粉、薄切りの豚バラ肉、キャベツ、卵、大和芋。

千切り 
作り方: キャベツ1/2個は無心に千切りする。

小麦粉少なめ 混ぜる 
ボウルに卵1個と小麦粉(「超少なめ」とのことなので、キャベツ1/2個に対して50~60gくらいにしてみた)、すりおろした大和芋を入れてさっくり混ぜる。 

焼く 焼く2 
フライパンを熱して豚バラ肉を並べ、その上にキャベツ焼きのタネを乗せて両面を焼く。ひっくり返すとき、くずれやすいので注意(フライパンのフタを使うと返しやすい)。

焼き上がった 
ソース、青のり、かつおぶしをかけて完成。 

「たそがれたかこ」のキャベツ焼き

「たそがれたかこ」のキャベツ焼き 
食べた感想: 
見た目はチヂミのような薄さ。くずれやすいのが弱点とあったけど、確かにおはしで持ち上げにくいかも。

ほとんどキャベツでお好み焼きほどガッツリしていないので、軽めの夕飯やおつまみにちょうどいい感じです。

ラジオから流れてきた1曲で、人生を変えられてしまったたかこさん。2巻ではイメチェンで大変身しますが、千切りづくしの料理にも、今後何か変化が起こるのでしょうか?




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