ひさびさにカレー作ろうかなー。という日に思い出したのが、「大東京ビンボー生活マニュアル」のとあるシーン。
実家から手作りのラッキョウ漬けをもらったコースケが、「カレーが食いたい」と思い立ち、同じアパートに住む学生さんと一緒に、スパイスから作る本格カレーに挑戦。
※【コマ引用】「大東京ビンボー生活マニュアル」(前川つかさ/講談社)下巻より
カレーって凝れば凝るほど材料費がかかるものですが、日頃清貧な食生活をおくっている彼らだけに、材料は最小限。 狭いアパートの一室で、卓上コンロの上のフライパンでスパイスをもうもうと炒めるシーンは、理科の実験ようでワクワクしてしまう。
そもそもカレーって、ちょっと理系のかおりがする食べ物な気がする。 お店の雰囲気見ていても、ラーメンがTシャツとタオルで「スープは気合じゃ!!」的な体育会系ノリだとしたら(すごい偏見)、カレー屋のオーナーは研究者や仙人ぽい人が多いというか。
スパイスの無限の組み合わせがサイエンスとリンクするのか、インドの悠久の歴史がそうさせるのか……。 「味平」で例えるなら、鼻田香作と大吉の違い的な。
(左)カレー男子/(右)ラーメン男子
※【コマ引用】「包丁人味平」(ビッグ錠/集英社)
ラーメンも似合わなくはないけど、そういう意味でコースケはカレー寄りタイプかもなあ、と思ったり。
勝手な妄想はここまでにしておいて、さっそく調理。 しかしいくら清貧といっても、作中で描かれた材料「だけ」で作るとなると、かなり先行き不安です。
登場するスパイスはクミン(シード)、コリアンダー(シード)、ターメリック、唐辛子、この4種のみ。 市販のカレールーに慣れた身には、ほんとにこれだけで「カレー」になるの?と半信半疑。
でも以前スーパーくいしん坊のカレーを再現したときもスパイスは4種類のみだったし、ここは原典の描写に忠実にいこう(カレー番長の水野さんもビッグ錠理論は間違ってない、とおっしゃってたし)。
分量はテキトーなので目安ですが(2人分)、
・クミンシード 2つまみ
・コリアンダーシード 2つまみ
・唐辛子 4~5本(結構辛いので、お好みで調整)
・しょうが 2かけ(みじん切り)
カレーの具は玉ねぎ、にんじん、じゃがいものみ。大き目、ゴロゴロ感出るようにカット。お肉も入れたいところだけど、コースケの普段の懐事情を考えるときっと入ってないのでしょう……。
鍋にサラダ油を熱し、ニンニクのみじん切りと玉ねぎをよく炒める。水400~500ccを入れてしばらく煮込む。
フライパンで炒めたスパイスを野菜の煮えた鍋に投入し、塩で味付け。
ターメリック大さじ1を投入し、しばらく煮込んで完成。
クミンシードと塩少々を入れたスパイスご飯を炊く。 トロミをつけないせいか、スープカレーっぽい感じになった。
うちも去年実家からもらったラッキョウがあったので、添えていただきます。
※【コマ引用】「大東京ビンボー生活マニュアル」(前川つかさ/講談社)下巻より
食べた感想:
最低限のスパイスと材料で作っただけあって、ほんとうにシンプルな味。
味付けは塩だけだし、出汁は野菜だけだし、正直コクもうまみも物足りないけれど、ちゃんと「カレー」として成立していることにちょっと感動。余計なものをそぎ落とした、コースケのシンプルな生き方そのもののよう。
もうちょっと「美味しい方向」を目指すなら、具材に肉を追加したり、煮込むときに塩以外の調味料(醤油とかソースとか)を足せばいいかも。
でもこういうミニマムに構成された味も、「カレーの骨組み」をあらためて知る意味では面白いかもしれません。
コメント
コメント一覧 (2)
驚きます。
(゚∇^d) グッ!!
m(__)m