あけましておめでとうございます(今更なのでおずおず)。去年はなかなか更新もできず、コメントもお返しできず、心苦しいまま新年を迎えました…。
今年こそいろいろぼちぼちがんばりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 と言いつつ、去年のクリスマスに作ったものを今更アップするんですが…。
雑誌のなかで、ギャグ漫画はいわば箸休め的な存在でした。
お目当てのストーリー漫画を追う途中で、息抜きに読むような。 天下の少年ジャンプで連載が始まった「すごいよ!マサルさん」は、「箸休め」なんて言えないくらい強烈でした。
毎回息ができない状態に陥る致死量レベルのギャグ。電車のなかでは絶対読めない、凶器のような漫画だったのです。
ギャグ漫画界にはたくさんのエポック的作家がいますが、うすた先生以前(BU)・以後(AU)の境界も確かに存在するはず。
そしてうすた先生といえば、吉田戦車先生と同様に食べ物の描写がギャグ作家のなかでも突出しています。 たくあん弁当や、ナタ・デ・ココの冷奴、ガム入りししゃも……。うすたワールドのシュールな食べ物の数々、どれも忘れられません。
ギャグ漫画の魅力は、常識や既成概念をドンガラガッシャンとひっくり返してしまうところにありますが、だからこそ食べ物のような日常の細部への観察眼が必要なのかもしれない。
※「すごいよ!!マサルさん」(うすた京介/集英社)5巻より
そんな「マサルさん」にも、クリスマスのエピソードが登場します。
セクシーコマンドー部で、クリスマス会を開くことになったマサルたち。ケーキも「チョコ」「マロン」「チーズ」の3種類を用意して準備万全…のはずが、部のマスコット「めそ」が全部たいらげてしまう事態に。
この日のために甘いものを絶ってまで、ケーキを楽しみにしていたモエモエは、ショックのあまり蒼白。
ちなみにこのめそ君、外見はぬいぐるみのような愛らしさですが、実は背中にチャックがついていたり、そのチャックがたまに開いて何かが出ていたりと、出来るなら正体を知らずにいたい……と思わせる、部員のなかでもアンタッチャブルな存在。
そんなめそが反省し、持ってきたのが、「チョコとマロンとチーズケーキが全部入った」不思議なケーキ。これで無事パーティーは再開されることに。
しかしこのケーキ、あきらかに形状がおかしいです。「どこかからひり出した」感が満載です(言わずもがな)。なんとも食欲がうせるオチの話でした……。
でも考えてみると、チョコとマロンとチーズケーキがミックスされたケーキって、ちょっとおいしそう。
ってことで気になっていたこのメニュー、以前も試作したことがあったのですが、クリスマスに再挑戦。 3種類の内訳ですが、今回は チョコ=スポンジ、マロン=間に挟むクリーム、チーズ=コーティング&デコレーション用クリーム でいってみます。
作り方:
チョコレートスポンジを作る(15型)。今回は市販のスポンジケーキミックスにココアパウダーを混ぜたお手軽版。スポンジは3段にスライスして、洋酒入りのシロップをハケで塗ってしみこませておく。
マロンクリームを作る。マロンペースト(缶)と生クリーム(100cc)をホイップし、細かく刻んだ栗の甘露煮を混ぜる。
スライスした2枚のスポンジにたっぷり塗る。
チーズクリームを作る。レンジでやわらかくしたクリームチーズと砂糖、生クリーム(100cc)をゆるめにホイップする。
これを3段に重ねたスポンジの上からでろでろと流す(全部使わず、デコレーション用に少量残しておく)。 残りのチーズクリームを固めに泡立て直し、絞り器でデコレーション。栗の甘露煮、チョコプレートを乗せて完成。
食べた感想:
切り分けるとこんな感じ。うん、意外に普通だ。マサルたちが違和感を持たないのも無理ないかもしれない。
チョコ、マロン、チーズの3種類を一度に食べる機会なんてなかなかないけど、「これはアリなんじゃないか」と思える。チョコとマロンの組み合わせはよくあるけど、チーズが入るとちょっと大人っぽい味になるのね。
でもどうしても食べていて脳内でチラつくのが、「めそがひり出した」というイメージ。
マンガの料理って、ストーリーに登場することでより「おいしそう」感が掻き立てられるのが普通ですが、エピソードを知ると逆に食欲がなくなる……という珍しいパターンの料理かもしれません。
おまけ マサルたちのクリスマスパーティー、もうひとつのメインディッシュはこれ。
※【コマ引用】「すごいよ!!マサルさん」(うすた京介/集英社)5巻より
豚足。 クリスマスと言えば、七面鳥とかチキンとかローストビーフとか、ちょっと豪華な肉料理が食卓を華やかに飾るものです。しかし同じ肉でも、豚足だとこんなに禍々しいことになってしまうのか……という事実に戦慄するシーンです。
実は「肉のハナマサ」でこの冷凍豚足パックを発見して、「今年のクリスマスはマサルしかないか…」と決意したのでした。初めて対峙する豚のおみ足、生々しい……(でも丸焼き用の鶏だって、生の状態はたいがいグロいよね)。
豚足は一度茹でこぼし、そのあと寸胴鍋に水、豚足、香味野菜を入れて煮込みます。
2時間煮込むと、豚足はもうトロットロの状態(後日このスープでラーメン作ったらめちゃくちゃおいしかった)。 このまま食べるか迷ったけど、クリスマスらしく(?)オーブンで焼くことに。
「クリスマス何それ(死)」というアンチクライスト派の皆様、ぜひ今年のクリスマスは「マサルさん」のサバト的ナイトでお過ごしください。
コメント
コメント一覧 (10)
たくあん弁当、あれも強烈でしたね!
大根から生えてる「毛」が生々しくて…。あれもいつか作ってみたいですw
思わず顔がニヤけてしまいました(笑)。
チョコとチーズというとブラックフォレストケーキのような感じなのでしょうか。
一度試してみようかな。
まんがご飯の再現だけでもおもしろいのに、
「すごいよ!!マサルさん」まで^▽^
引き出しいっぱいですね~楽しいですう。
またお邪魔させてください!
うめぼんさんの漫画飯アンテナ、範囲広すぎ…流石です。
試してみたいのは山々ですが、どーにもマロンクリームのあの甘さが苦手…。
そして、豚足ネタがなつかしすぎて年月の流れを感じました笑
豚足は好きなんですが焼いた事はなかったのでこっちを試してみたいですね
今年もまったりペースで更新、楽しみにしております!
またいろんな作品の美味しそうな料理をお待ちしております。
今回の作品は読んだことがないのですが、umebonさんのあらすじ?を拝見すると結構キワモノな料理が多いみたいですね。
その中でも確かにこのケーキは見た目も味もまともそうで☆
いつかそこに挙げられたキワモノ料理にも挑戦されることを楽しみにしてますwww
マサルさん懐かしいです
僕はどすこい喫茶じゅて〜むで爆笑してました
ピューと吹く!ジャガーも大好きです
マサルさんは唐突な終わり方でしたけどこっちは10年ぐらい
連載が続いて毎回楽しく読んでいました
思えばジャンプも随分長い間読み続けてます
もはや、少年とは言えない年齢になりましたがww
ギャグ漫画といえば浦安鉄筋家族ですね
本屋で笑いを堪えて読んでいた小学校時代を思い出します。
今回のマサルさんネタは大笑いしました!
まず再現しようと言う心意気、そして実際の豚足のビジュアルの強烈さに
久々に声を出して大笑いしました。
これからも楽しいお料理とブログを楽しみにしております。
お仕事やお家の事との両立は大変でしょうから、お体に気をつけてお過ごし下さい。
あの三色ケーキ、意外と普通なのかあ。
個人的に「チョコとマロンとチーズ」は甘さ過剰な感じがして
想像するだけで胃もたれしていましたが……。
それと、豚足のくだりは元ネタ(よけい気持ちわるいーのくだり)を思い出して噴きました。
相変わらず、この手間を惜しんでない感じが痺れるなー。
クリスマスなのに、あえての豚足をチョイスするっていう辺りが、本当にマンガの世界なんだなぁ…と、最後のライトアップされた禍々しい豚足画像で思い知りました。
クリスマスのろうそくの灯りは、ロマンチック(もしくは寂しく)にさせる効果があるはずなのに、どうしても拭い切れないサバト感が非常に悪魔的で「すごいよマサルさん」より「よんでますよ、アザゼルさん」でアザゼルさんが食べてる豚足を思い出しました。しみじみギャグマンガに出てくる料理って凄いんですね