
「モーニング」連載中にお気に入りだった「リーチマン」が2年越しでようやく単行本化。
フィギュア造形師を目指す専業主夫・達郎と、デパートで販売員として働く妻の結婚生活を描いた作品。主人公が同じ名前なことからわかるとおり、作者の米田先生自身が家事をこなしつつマンガを描く兼業主夫だそう。
文学と同じで、マンガも私小説的なものってめっぽう面白い&個人的に好みなんですが、これもそのひとつ。 夢を追う夫とそれを支える妻……というのは、昭和なら亭主関白物語になる設定ですが、友だち夫婦的な対等な関係のなかで、日々の軋轢や愛情を描写しているところがイマドキだなあ、と面白いです。
極端にでっかい旦那と小さい嫁、というキャラクターの見た目も童話っぽくていいのです。

※【コマ引用】「リーチマン」(米田達郎/講談社)1巻より
専業主夫が主人公なだけあって、おいしそうな料理も登場します。 巻末にレシピのあった「たらいうどん」もアユの季節になったら試してみたいけど、今回は第3話の冒頭で達郎が仕込んでいたザワークラウトに挑戦。 スパイスを自分で挽くところから作る本格派で、いかにも男の料理!ってところがそそります。

材料: 使うスパイスは、粒こしょう、塩、唐辛子、ローリエ、キャラウェイシード。


これをすり鉢に入れて、粉状になるまでゴリゴリとつぶしていきます。 ローリエがなかなかしぶとくてつぶれない…(パウダータイプがあれば、そっちを使う方が楽かも)。

キャベツは適当な千切りに。今回は1/2玉。


漬物用の容器に千切りキャベツとすりつぶしたスパイス、それから白ワイン少々を入れてよく揉みこむ。 容器いっぱいにあふれそうだったキャベツも、しんなりしてくると意外に落ち着きます。

重しをして(作中ではバネ式の漬物容器を使ってました)一週間放置。常温のほうが発酵しやすいかしら…と迷ったけど、日中はまだ暑い季節だったので念のため冷蔵庫へ。

こちらが一週間後の状態。水分がガンガン出てます。 味見してみたけど、それほど酸っぱくないのでまだ発酵させる余地はあるかも。

※【コマ引用】「リーチマン」(米田達郎/講談社)1巻より
このザワークラウトが「ソーセージの煮込み」にぴったり、ってことらしいのですが、作中にはそのシーンは登場せず、ケガをした達郎の代わりに妻が作った料理の付け合せにおさまることに。
めったに料理しない妻が作るのは、決まって「手間とコストを惜しまない」カレー。 米田家では「男の料理」と呼んでいるようで、性格もオトコマエでカッコいい妻ならではな感じがステキ。

カレーの付け合せにザワークラウト、意外にぴったり。キャベツの酢漬けを出す店(インディアンカレーだっけ)もあるし、合わないはずがないか。
……と満足したところで、作中には出てこなかった「ソーセージの煮込み」も食べたくなってしまったので、勝手に想像して作ってみることに。
ちなみにザワークラウトって、漬物のように肉料理に添えるだけのものかと思っていたら、肉と一緒に煮込む食べ方もあるらしい。ちょっと面白そうなので、こちらのレシピを参考に挑戦してみた。

ソーセージは何にするか迷ったものの、でーーんとでっかいもののほうが豪快でいいかも、と思ったのでこれ。皮をむいて食べるタイプの白ソーセージ。


鍋にバターを入れて熱し、みじん切りした玉ねぎをしんなりするまで炒める。 軽く水気をしぼったザワークワウトを投入し、ひたひたの水とコンソメを入れて煮立たせる。

半分に切ったじゃがいもとソーセージをのせ、白ワインとオールスパイスを少々入れてフタをし、じゃがいもが柔らかくなるまで煮込む。 皿に盛って黒こしょうを挽き、粒マスタードを添えて完成。

ドイツ料理って、ビジュアルに「世界名作劇場」感があって妙にそそるよなー、といつも思う。

食べた感想:
ザワークラウトのスパイスと塩気がスープにいい味を出してくれていて、なるほどこういう使い方もあるのか、とちょっとびっくりする美味しさ。
家人は酸っぱいものが苦手なのでこれくらいがいい、とのことですが、今度はもっと発酵させた状態のもので作ってみたいなー。
コメント
コメント一覧 (3)
ザワークラフトって一度作ってみたかったんですけど、すごくハードルが高いイメージがあって・・・。
でも、こちらのレシピだとスパイス類もほぼスーパーで揃いそうですし、わたくしでも挑戦できそうです(^^)
写真も美しくて分かりやすいのでとても参考になります。これからもぜひ勉強させてくださいませ。
実は、まことに勝手ながらリンクを貼らせていただいております。
事後報告になってしまって申し訳ございません。
もしも不都合であれば、お手数ですがご一報いただけましたら
すぐに外させていただきますのでよろしくお願いいたします。
いちおう、非公開コメとさせていただきました。
ご迷惑でなければまたお邪魔させてくださいね(^^)
ザワークラウトって欧米の冬の間の保存食ってイメージがありますが、実は向こうのキャベツは固過ぎてとても生では食べられず、しょうがないからスープの具材として加熱したり、或いはザワークラウトにして軟らかくして食べてるという事を聞いた事があります。そういえばコールスローにしても同じく、微塵切りにしたキャベツを大量のドレッシングでしんなりとするまで合えてますね。
それにしてもumebonさんの料理は相変わらず食欲をそそりますね!ザワークラウトにヴァイスブルストを選ぶなんて完璧じゃないですか!
ドイツに滞在してた頃に食べた味にならなかったんですけど、
そう言えば、酢漬けじゃないんだった(ボケ)。
試してみたいです!