
先月発売された、福田里香先生の新刊「ゴロツキはいつも食卓を襲う」が大変面白かったので、ご紹介させていただきます。
福田先生はお菓子研究家としてだけでなく、漫画好きとしても著名。 特に最近は、漫画やアニメ、映画などフィクションに登場する食べ物(ステレオタイプフード)を考察した「フード理論」を提唱されていますが、その集大成といえるのがこちらの本。
目次から、「うわー、あるあるある!!」と叫びたくなるタイトルが並びます。
・鼻持ちならない金持ちの子供は、食い意地がはっていて太っている
・絶世の美女は、何も食べない
・カーチェイスで、はね飛ばされるのは、いつも果物屋
具体的にどの作品かは思い出せないのに、誰もの記憶の片隅をくすぐるあのシーンについて、徹底的に考察&分析した労作。 世界各地の神話に共通点があるように、食べ物にまつわるイメージにも集合的無意識っぽいものがあるのかも……と、思ってしまう説得力です。
そんなステレオタイプフードの場面場面を、オノ・ナツメ先生が表現するイラストでも味わえるのがこれまた贅沢!
ちなみに私が最近、これもステレオタイプフードだな…と思ったのは、海外ドラマや映画で、ディナー(それも、彼女の家に彼氏が招かれて食事をする、的なシチュエーション)で気まずい雰囲気になったときに、場を和ませようと家族の誰かが 「マッシュポテトのおかわりはいかが?」 と言うシーン。
日本が舞台だと、マッシュポテトの部分が「ご飯」だったり「ビール」だったりするのでしょうか。 これまでの人生で2~3回は見たことがある気がするんですが……(でもやっぱりこれも、具体的にどの作品かは思い出せないんだなー)。
などと、フィクション作品を楽しむ目線が、ちょっと変わってしまいそうな楽しさもあります。
福田先生といえば、「まんがキッチン」も大好きです。 漫画に出てくるお菓子をそのまま再現するのではなく、先生ならではの作品解釈からオリジナルのお菓子が次々と生み出される一冊。
お菓子研究家ならではのクリエイティブ+漫画愛があふれていて、ページを開くごとにどんなメニューが登場するのかワクワクします。 特に川原泉作品でおなじみの、何か食べてる時のオノマトペ「もぎゅもぎゅ」をイメージしたお菓子が衝撃的で、思わず作ってしまったことも。
↑数年前に作った時の写真でお恥ずかしいですが…。そして食感は、たしかにあの「もぎゅもぎゅ」で感動したのでした。 どちらも漫画&料理ファンにはたまらない一冊ですので、ぜひ!













コメント
コメント一覧 (9)
そのお菓子をもう一度再現なされた時は是非書いていただきたいです
わーー、イベントあるんですね!
新宿近いから行きたい!・・・と思ったら、平日なんですね・・・(しかも定時間に合わない・・・)TT
仕事が早く終わったら駆けつけようと思います!
おおお、すごい名作映画にも登場するんですね!>マッシュポテト
私が見たのもそれだったのかしら・・・。でも探せばもっとありそうな予感もしますね。
私も、最初にハマった川原泉作品が「中国の壺」でした!
あの端麗な絵とほげーっとした絵のギャップがたまらなくいいですよね。
>カーチェイスと果物屋
やっぱり万国共通なんですね~。
カーチェイスじゃなかったかもしれませんが、アニメの「攻殻機動隊」でも市場のスイカが割れるシーンがあったような…。
果物が破裂したりするシーンって、クリエイターにとってやっぱり「絵になる」のかしら。
おおー、具体的な作品名が次々と!!
ゴロツキが食卓を襲うシーンは、ほんとにいろんなとこに登場するんですね~。
「中華一番」みたいな料理漫画にも登場するのがすごいw
そしてたしかに、こういう印象に残る食のシーンって、実際の食の好みにも影響与えますよね。
ほんとに面白い本なので、ぜひお手に取ってみてください!
今後もぼちぼち更新していきますので、またお暇なときに遊びにきてくださいませ~。
「気まずいときはおかわりを勧める」なシーン、やっぱりどこかで見たことありますよねw
「飲み物を吹き出す」も、福田先生の著書のなかで解説されていました!
ほんとにステレオタイプな食のシーンっていろいろあるんだなー、と面白いですよね。
そして「斜陽」!!私も高校生のころ好きでしたーー。
冒頭の、お母さまが「スウプ」をスプーンでひらりひらりと美しく食べるシーンが印象に残ってます。
(やっぱりいまもスープ飲むときは意識してしまいますw)
鯖缶のシーンのお話で、また読み直したくなってしまいました^^
6月14日に紀伊国屋新宿南店で出版記念のトークイベントがあるんですね!
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Shinjuku-South-Store/20120601125257.html
umebonさんはいらっしゃるかな?
俺が覚えてるのは「愛と青春の旅立ち」ですね
初めて川原泉さんのマンガを読んだ時には
「もぎゅもぎゅ」の意味が解りませんでした(笑
2回目でやっと解りました
本屋で「中国の壺」というマンガが気になって
読んでみたらハマッて、全巻揃えました
>カーチェイスで、はね飛ばされるのは、いつも果物屋
フランスとイタリアでは絶対ですね
それがアメリカの映画だったとしても
私も見たことある気がします!
あと、2時間ドラマの家族の食卓シーンで
娘か妻が突拍子のないことを言って、刑事の父親が味噌汁を吹き出すとかw
探せば、いろいろなあるあるが見つけられそうですね。
小説にも食べ物のシーンが沢山ありますが、
私が印象に残っているシーンは、高校生の頃に読んだ
太宰治「斜陽」の主人公かず子が
自分の母親の余命が僅かであることに打ちひしがれていた時、仕方なしに
冷たいご飯の上に鮭缶をのせて食べるシーンです。
悲しみの中の質素な食事が、冷え冷えと味気なく喉を通って行くのが、
読み手にもリアルに伝わってくるんですよ。
未だに鮭缶を見ると「斜陽」を思い出しますね~。