ひょんなことから日本最西端の小さな島に移住した、都会育ちの青年書道家・半田。
着いたその日から、タクシーが来ない、住民にプライバシーの概念は存在しない……と、田舎カルチャーの洗礼を浴びます。
しかも、謎の子ども「なる」に「先生」と呼ばれなつかれ、家に入り浸られることに。 「つまらない」と評された彼の字と頑なな心が、ちょっと変わった島の暮らしのなかで柔らかくほどけていく。
笑えるシーンも満載ですが、ゆるりとした時間と人間関係にほっとします。
※【コマ引用】「ばらかもん」(ヨシノサツキ/スクウェア・エニックス)2巻より
作者のヨシノ先生が「郷土愛を全力でぶん投げます」と宣言しているとおり、舞台となる長崎県五島列島の方言や文化が、色濃く出ている作品ですが、食べ物もしかり。やたらと夕飯にチャンポンが登場するのも、ご当地ならでは。
特に気になるのが、なるのじいちゃんからお裾分けされた「このもん」。方言で「漬物」の意味らしいですが、私の知っている漬物とは微妙に違うよう。
袋一杯に貰い、「こんな量食べきれるわけない」と思う先生ですが、書道について思いを巡らせつつ摘んでいるうちに、翌日には大量にあった袋の中身がすっかり空に。頭の中は「このもん」一色になります。
普段クールな先生を中毒状態にまでさせる「このもん」、どんな漬物なんだ……と気になったところで、親切なことにレシピページも登場。簡単そうなので、チャレンジしてみました。
作り方: 大根は、今回は1本で作ってみます(レシピの分量からすると、3本くらいいけるかも)。皮をむいて、銀杏切りにします。
大きめのザル(今の季節なら、土用干し用のやつが出回ってますね)に、切った大根を並べていきます。
風通しのいい場所で干します。夏場の晴れた日なら短時間でいけそうですが、梅雨の晴れ間だったので、半日ほどかけました。 大根の水分が飛んで少し縮み、干す前と比べてかさが減ります。
干している間に、漬け汁作り。砂糖(大量!! 白砂糖が足りなくて、きび糖を足しました)、酢、薄口醤油を鍋に入れて、砂糖が溶けるまで火にかけ、冷まします。わりとトロっとした感じです。
保存容器に干し大根を入れ、漬け汁を注ぎます。好みで鷹の爪を入れてもOK、とのことなので、加えてみました。
このまま2日漬け込みます。 砂糖がたくさん入っているので大丈夫かなー、と思いましたが、蒸し暑い時期だったので、念のため冷蔵庫で保存。
大根が浮き上がってきてしまうので、私は重しもしました。 2日漬けた後がこちら。
大根の水分がさらに抜けて、いかにも漬物っぽい感じになってます。
食べた感想:
投入する砂糖の量である程度予想していましたが、かなり甘いです。みたらし団子風の甘じょっぱさ。浅漬けとか、ぬか漬けとか、よく知っている漬物とは全然違う味にちょっとびっくり。ご飯のお供というより「お茶請け」の印象です。
そしてこれが、実際クセになるかというと……なるんです。 実は漬けている間にも、味見しようと、ひとつつまみ、ふたつつまみ……を繰り返しているうちに、量がかなり減ってしまったことは内緒。
今回は唐辛子も一緒に漬けましたが、ピリっとした辛さがアクセントになって、さらに止まりません。昆布なんかも合うかなー。
コメント
コメント一覧 (10)
どれくらい干すのか、結構判断が難しいですよね…。
私も干したのは梅雨時だったので、今度は夏のカンカン照りの日に干してみたいなあ、と思います。
かるく干す、とありますが沖縄の太陽の威力で考えないと駄目だったんですね
沖縄にも甘い漬け物が!
ウコンを使う、というのも沖縄らしいですね。
漬物にも、色々ご当地の特色があるんだなー、と興味深いです。
お醤油入れないバージョンだと、もっと白っぽい仕上がりになりそうですね~。
しかしあまりの砂糖の量に、カロリー的には大丈夫なんだろうか…とちょっと不安になりましたw
またコメントいただけてうれしいです!
このもん、あの先生の食べっぷりが、説得力ありますよねw
劇的にウマ! というんじゃなくて、じわじわと中毒になっていく感じが…。
大根の干し時間、確かに難しいですよね。
私もどのくらい干せばいいのかわからなくて、不安になりつつ作りました…。
夏場のカンカン照りの時はどうなるのか、またやってみたいと思いますー。
はじめまして、コメントありがとうございます!
「パラダイス・カフェ」の料理は、どれも子ども心にもオシャレで美味しそうでしたよね~。
今レシピを見ても、まったく古さを感じさせないのがすごいなあ、と思います。
また色々作ってみる予定ですので、気が向いたらぜひご覧ください!
ウッチン(うこん)の薄切りを入れて黄色に染めるのが多いかな?
そういえば、このレシピに近いもので、醤油はいれないバージョンのものを食べたような記憶が・・・
たしかにご飯の友というより、お茶請けですよね。箸が止まらない気持ちわかりますw
いつも楽しく拝見しております。
来た!!ばらかもん!!!
「このもん」いつかumebonさん作ってくれないかなぁと思ってました!!^^
あの先生が中毒になるなんて。。。と思って私も一度作ったんですが、
大根干しすぎちゃって;;失敗したんですよね~
今度umebonさんの工程を参考にもう一度チャレンジしてみます~♪
どれもが本当に美味しそうでクオリティが高くて、とても楽しく拝見させて頂きました!
一番感激したのは『パラダイス・カフェ』のオムレツでした。子供の頃に読んですごく印象に残った食べ物だったので。
今回の料理はまたしみじみ美味しそうですね。こんなのをサラッと作れるようになりたいものです。
これからも楽しみにしています。ありがとうございました!
umebonさんのブログよく参考にさせていただいてます^^
このもん気になってたので,実際に作ってる写真見れてうれしいです!
漫画で作り方見たときも,これって漬物の砂糖の量なの!?と思った記憶があります.
みたらし団子風とは結構な甘さですね・・・ごはんよりもお酒のアテに良さそう~
しょっぱ系漬物の家系(?)で,甘口のお漬物ってなかなか食べないので今度少量で挑戦してみます!
甘いたくあんが苦手なので,自分にちょうどいい砂糖の量を開拓します笑
2、3日で、食べてますけどね!
ちよっと味が気になりますー!