皆既日食のリゾット

これをグルメ漫画……といっていいのかわからないけど、広い意味ではそうかもしれない。

会社の金を持ち逃げされ、食うに困る身となった中年男・元。彼のもとに突然現れたのは、手持ちの箸で文字通り「何でも」食べてしまう美少女ヒヨス。

目の前で、チンピラ男たちを一瞬のうちにたいらげ、しかも食べた物をリミックスして吐き出す能力(?)を持つ彼女。どうやら、宇宙からやってきたようで……。

SFとギャグをごちゃまぜにしたカオスな面白さで、作者の沙村先生は「無限の住人」のシリアスなイメージが強かったのですが、こんなコメディも描かれてたなんて。何より、ヒヨスがたまらなくかわいい! 




「ハルシオン・ランチ」(沙村広明/講談社)1巻より
※【コマ引用】「ハルシオン・ランチ」(沙村広明/講談社)1巻より

家電から生ゴミまで「もちゃもちゃ」と食らい、「日暮里」と無邪気に微笑む彼女を見るだけでも楽しいです。

「ハルシオン・ランチ」(沙村広明/講談社)1巻より
※【コマ引用】「ハルシオン・ランチ」(沙村広明/講談社)1巻より

「皆既日食のリゾット」は、メタ子の家に泊まることになった元が、ありあわせの材料で作った料理。唐突にレシピページが現れるのは、クッパパのパロディでしょうか……。

海苔味の真っ黒なリゾットを、生卵のなかに浮かべたさまは、まさに「皆既日食」。実際に作るとどんなビジュアルになるのか気になって、作中レシピを参考にチャレンジしてみました。


おかゆ2 のり 
作り方: 
鍋にご飯と水を入れ、コンソメキューブを入れて煮込み、粥状にします。 プロセスチーズと海苔を細かくちぎりながら入れ、全部溶けるまで混ぜます。

のり2 のり3 
レシピの分量(海苔1枚)だと、あまり色がつかず……。追加で2枚ほど足してみました。それでも真っ黒、とまではいかないなあ。仕上げに塩で適当に味付け。

生卵 リゾットをそそぐ 
深皿に割った卵とマスタードを入れ、よく溶きます。 皿の中央に、リゾットをゆっくりと流し入れます。ここで失敗したら「窓から投げ捨てろ」とのこと。それなんてキャシー塚本先生? 

いざ皿に盛ってみると、卵の黄色との対比効果のせいか、リゾットも結構黒く見えるようになりました。

皆既日食のリゾット

リゾット 
食べた感想: 
煮込みすぎたせいか、リゾットというよりはお粥の食感になっちゃいました。 卵のソースと一緒に食べると、「たまごかけご飯」風のなつかしい味。

チーズとマスタードが、洋風のスパイスになって、ちょっと変わった美味しさでした。今度は本格的な「黒」を目指して、イカスミリゾットでアレンジしてみてもいいかもしれない。

逆バージョン 逆バージョン2 
残ったリゾットで、皆既日食の逆バージョン(通常モード?)も作ってみた。黄身を溶かせば、おぼろ月夜風……かな。




▽読者登録するとLINEで更新通知が届きます


▽Twitter(@pootan)はこちら


▽Instagram(@mangashokudo)はこちら
instagram_bn

▽YouTubeはこちら