グルメマンガって、何故か少年誌や青年誌での連載が多いですよね。女性誌には意外と少ないのが不思議(そのかわりに、女性作家さんは作中で美味しそうな料理を描く率が高い気がしますが)。
槇村さとる先生の「おいしい関係」は、貴重な女性が主人公の料理マンガのひとつ。
何不自由なく暮らしていたお嬢様の百恵は、父親の死により自立を余儀なくされます。父親譲りの食いしん坊な彼女が選んだのは、料理の道。そのきっかけになったのは、街のビストロ「プチ・ラパン」でシェフをつとめる天才料理人・織田の料理でした。
……とストーリーをかいつまむと、料理をスパイスにした恋愛モノに見えますが、巻を進むにつれて、むしろプロの料理人の世界を描いた、真摯なお仕事マンガであることに気付きます。
そのなかで描かれる、厳しい職人タイプの織田シェフと百恵の恋愛未満のビシっとした師弟関係が、読んでいて楽しい&気持ちいいのです。
もちろん、美味しそうな料理もたくさん登場します。
※【コマ引用】「おいしい関係」(槇村さとる/集英社)3巻より
今回は、プチ・ラパンの改装オープンパーティに登場する、イモグラタンを作ってみました。これも織田シェフの料理ですが、味付けの秘密に気付いた百恵はレシピを完璧に再現し、見事料理を任されることに。
この子ったら、自分のご飯も満足に作れなかったのに……、とその成長ぶりに感慨深くなるシーンです。
材料:
作中では、レシピのポイントだけ説明されてるので、あとは想像でおぎないつつ。
おもな材料は、ジャガイモ、生クリーム、牛乳、ピザ用チーズ。
男爵イモとメークイン、どっちにするか迷ったので、両方作ってみることにします。まずは男爵から。
作り方:
ジャガイモの皮をむき、厚めの輪切りにします。ここのポイントは、切った後、けっして水にさらさないこと。 関係ないけどこの作品読んでから、イモの皮をむくとき「原価率が~!!」と脳内で叫ぶようになりました。
鍋にジャガイモを並べ、生クリームと牛乳を半分ずつ、ひたひたになるまで注ぎます。火にかけ、沸騰直前で弱火にして煮込みます(時々、崩れないように混ぜます)。
ジャガイモが柔らかくなり、汁気がトロっと煮詰まってきたら、塩コショウ。ここで味見し、イモの甘みが足りなければ砂糖をひとつまみ入れます。
ピザ用チーズ(……が足りなかったので、今回は粉チーズも追加)を少量ふって、250度のオーブンで7?8分焼きます。 オーブンから出したあとも、しばらくぐつぐつ。ちょっと焦がしすぎたか?
皿に盛って、パセリふってみた。
食べた感想:
生クリームと牛乳でイモを煮込んだだけなのに、何でこんなに美味しいんだろう! ホクホクの男爵イモに、ホワイトソース。シンプルだけど、今まで食べたどんなグラタンにも負けない味です。
ジャガイモ3個分作ったのですが、ほぼ一人で食べ尽くす勢いでやばかった……(カロリー的に)。
美味しかったけど、作中のビジュアルとはちょっと違う感じになっちゃったかな……と反省し、今度はメークインでリベンジしてみました。
作り方はほぼ同じですが、牛乳を多めにしてホワイトソースをゆるめに仕上げ、180度のオーブンで焦げ目がつく前に引き上げました。
ソースがさらっとしてる分、あっさりしてますがこっちも美味。イモは食べ比べてみて、男爵よりもメークインのほうが甘くてクリーミーで、グラタンに相性いい気がしました。でもこのへんは、お好みでいいかも。
蘊蓄も手に汗握る勝負もほとんど出てこないけど、料理を食べる・作る楽しさが伝わってくるマンガです。
コメント
コメント一覧 (20)
わー、そこまで簡単なレシピもあるんですね>ミルクかけてチーズかけてオーブン
さすがフランス、乳の国だ…。
シンプルな分、確かにいい乳製品使いたくなるレシピですね。
いちばん簡単なレシピだとミルクかけてチーズかけてオーブンですね。
濃い、いいミルクで作ると美味しいです。
めんどくさいほうで作るなら最初ににんにくの切り口とバターをグラタン皿にこすりつけたりミルクと生クリーム使ったりしますが。
ヤンソンさんも美味死ぬほど簡単美味しくていいですよね。
はじめまして、コメントありがとうございます!
おおー、こんなお料理が普段から出てくるなんて、すてきなご家庭ですね[絵文字:i-189]
アンチョビを入れると、スウェーデン料理の「ヤンソンさんの誘惑」っぽくなってさらにおいしそう!
試してみたいと思います^^
我が家でもこれに似た料理が出てきますが、アンチョビを少しいれるとおいしいです♡
(返信が遅くなって申し訳ありませんm_ _m)
おお、正式名は「ドフィノア」というんですね!なんか高貴なかほりがする名前…!
百恵の母直伝のドーナツ、おいしそうでしたよね。
お茶を入れる、というのが印象に残ってますが、これも作り方を詳しく知りたかったなあ。
おいしそう!
これはリアルタイムで読んでました
このドフィノアも食べたくなったけど
ホットケーキミックスでつくるドーナツも食べたくなってきたw
私、槇村先生の作品読んだのはこれが初だったのですが、面白いですね~!
同じお仕事モノの「リアルクローズ」も読んでみたくなっちゃいました。
>料理漫画
少年・青年漫画には各誌ひとつは連載があるのに、不思議ですよね。
女の人にも、需要あると思うんですが…。
一条ゆかり先生の食エッセイ、読んでみたいです!
美容にも気を使っていらっしゃるイメージなので、お手本にしたい!w
>>女性誌掲載の料理漫画
そう言えば少ないかもしれません。
私の世代では少女漫画って、占いやおまじないの漫画は氾濫してましたが…
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・(かんがえちゅう)
あぁー「キッチンのお姫さま」とか…「一条ゆかりの食生活」とか…くらいしか思い浮かびません…
「一条ゆかりの食生活」は一条せんせーの食べ物への貪欲さが滲み出ていて笑えますョ
おお、よーこさんもお好きでしたか!
あの和食器とグラタン、という取り合わせがまた美味しそうでしたよね~。
私も渋い食器を手に入れたら、ドカンと盛ってみたいなあ。
百恵ちゃん、天才ではないけどセンスがあって親しみやすいキャラクター、というところが現実にいそうで、なんか元気をもらえる&応援したくなっちゃいますよね。
千代ばあちゃんのあのシーン読んで、私も米とぐ時に気をつけるようになりました^^;
この漫画!!大好物です!!
大好きな漫画かつ料理に思わず興奮してしまいました(笑)
小田さんが焼いた器とのコラボで一層美味しそうで、もう読みながらよだれものでした・・(^^;
百恵ちゃんの成長していく過程を見てると、私も頑張ろう!ってすごく元気をもらえるんですよね。
それに千代ばあちゃんのように米一粒も大切に、真心こめて料理してそれを味わう人になりたいなーと思います☆
少女誌の連載は多いのに、女性誌になると少ないんですよね。
大人の女性にとっては、料理ってあまりに日常すぎて、なかなか漫画にはしにくいんでしょうか……。
「キッチンの達人」は、ちょっとだけ読んだことがあったんですが、フライドチキンの鍋がすごい印象に残ってますw
「つうかあ」は初めて聞きました!探せば、色々あるんですね~。
イモグラタン、確かに「イモ」としか説明されてないので、色々想像できちゃいますね。
里芋も、こってりめに仕上げれば意外と美味しいかも・・・!
台湾でも発行されてるんですね!
今調べたら、台湾でもドラマ化されてたようなので、その関係なのかな…。
私も漫画喫茶で最初読んだんですが、面白くて一気にハマって、結局コミックも揃えてしまいました。
食いしん坊の琴線にふれる名言も多いですよねw
グラタン、時間はちょっとかかりますが、手間はかからないのでオススメです!
はじめまして、コメントありがとうございます!
「おいしい関係」、メインはやっぱりあの黄金のコンソメスープですよね・・・!
一杯2000円ってことは、材料費だけでもすごいことになりそうですが、いつか作ってみたいな…と思ってます。
私、実は槇村さとる先生はこの作品が初だったんですが、ほかの作品にもそんな美味しそうな料理が登場するんですね!
ラムとジャガイモの取り合わせ、食べてみたいです[絵文字:e-267]
おお、ユベアさんも読まれたことあったんですね!
作中の説明が美味しそうで、ほんとヨダレが出そうでした。
以前のコメントで書かれてたように、豆乳で代用してもいけたりするのかな~。
百恵ちゃんと織田さんの恋愛、途中まではほんと進まなくて、「こ、このまま最後まで師弟関係のままなのか?」と思ってましたw その分、ラストはほっとしましたね~。
twitterのつぶやき、ありがとうございました!
最近コメント欄もtwitterもレスポンスが遅くて、申し訳ない限り・・・m_ _m
はじめまして、コメントありがとうございます!
おおー、イモグラタンよく作られてたんですね[絵文字:i-189]
簡単にアレンジしたレシピ、おいしそうです~。
元のレシピは、手間はかからないけど、イモを煮込んだりオーブンで焼いたりしてると、結構時間がかかっちゃうんですよね・・・。
うずまきさんのレシピなら、食べたい!というときに、すぐ作れそう!
あとはほんと、カロリーですね・・・w
女性誌掲載の料理漫画・・・。
言われてみると、少ないかもしれませんね。
浮かんだのは、入江紀子「つうかあ」、清水康代「キッチンの達人」 ・・・どっちも古い!(苦笑)
今回紹介されている作品は読んでいないので、最初タイトルの「イモグラタン」の文字を見て、あまりおいしそうじゃない印象を持ってしまいました(多分、サトイモあたりを連想してしまったらしい)。
でも写真見たら、めちゃくちゃおいしそう!
そうか、サトイモじゃなくてジャガイモだったのか! と、一人納得(そんな勘違い、わたしだけ)。
ジャガと乳製品って、ポタージュやじゃがバター、クリームシチューと、合いますもんね。
写真でも熱々ほくほくが伝わってきて、今の季節にぴったりそうですね^^
何故だか、台湾土産にもらった、むこうさんの言葉のコミックを1巻持ってます。
学生時分にこの漫画が大好きで、必ず立ち読みしていました。
(コミックを買えよってハナシ………)
本質にせまる、心にズシンと響く台詞の数々が魅力ですね。
これまた美味しそう・・・!!!!
グラタンは主人の好物です。
ずっと作ってないかた、作ろうかな~^^♪
色々なマンガに出て来るごはんを『食べてみたい!!』と思って読んでいたので、こちらのブログを見つけてから、レシピを参考にさせてもらってます。
美味しい関係は読んだのに、このグラタンは見落としてました…!
簡単そうなのに美味しそう!近々挑戦してみようと思います。
槇村さとるさんの描くジャガイモ料理は、『イマジン』のラムとジャガイモの重ね焼き(…だったと思う)を試してみたことがあるのですが、そちらも美味しかったですよ。
まだ試したことがないのなら、ぜひどうぞ。
とろとろクリーミィなジャガ芋なんてどんな味なんだろう・・・(´ω、` )ヨダレ~と心ときめかせたものです。
ホワイトソースダメな私なのにwww
このマンガは百恵ちゃんが一人前のシェフになる為の様々な紆余曲折が描かれてましたが、百恵ちゃんと織田さんとの恋模様もちょっとしたスパイスで作品内にいい味出してるんですよね。
それでも読み進めていきながらやきもきしていた私。
最後は彼女たちらしいエンディングで幕をしめて、こういうのも有りだなと思いながら読み終えた記憶があります。
あ、何かコメ書いてたら読みたくなってきた。もう手元には『おいしい関係』無いのに・・・(笑
余談ですが、twitterにumebonさん宛につぶやき書きましたのでよろしくです☆
(ご存じでしたらごめんなさい)
だって~!
私もこのマンガを読んでから、このグラタンをよく作ってるから~!
私のはもっと簡単で、
ジャガイモはゆでずにグラタン皿に生クリームと投入し、あとはチーズのみという
オーブントースターまかせの超シンプルレシピ。
ジャガイモは北あかりとか、柔らかいのを使わなきゃなりませんが。
もう大好きで、冬になるとしょっちゅう出てくるメニューです。
問題は、おっしゃるとおりカロリー問題。
食べ過ぎるし、私のだと生クリームだけだし…。