限定うなぎのタレ丼

「深夜食堂」4巻に登場するうなぎ料理を再現してみました。といっても、本体は使わない「タレだけ」の丼です。 

「深夜食堂」(安倍夜郎/小学館)4巻より
※【コマ引用】「深夜食堂」(安倍夜郎/小学館)4巻より

亡くなったうなぎ屋の主人から、店のタレを譲り受けたマスター。そこで「うなぎのタレ丼」を食堂で出してみますが、これが意外なことに大好評。

タレは現状ある分だけなので、「一人一杯、ただしご飯の大盛りはアリ」というルールまで定められるほどに。そしてタレがついに尽きた日、最後の一杯を食べることになったのは……。

と、今回もラストにホロリとさせられるお話です。 基本的には、タレとご飯があれば出来ちゃう料理ですが、市販のうなぎのタレを使ったのでは、再現としてちょっと面白くない。

そこで、タレから作ってみることにしました。幸いなことに、うなぎ屋さんが公開されているレシピがあったので、参考にさせていただきました。


有頭うなぎ 
タレを作る際、うなぎの頭や骨を入れると風味が出るらしいのですが、関東で売られているうなぎのほとんどは「頭なし」の状態なんですよね。

幸い近所のスーパーで九州産の有頭うなぎが売られていたので、この頭を使ってみます。

うなぎの頭を煮立たせる 砂糖 
鍋にみりんと酒を入れ、コンロで焼いたうなぎの頭を入れて、煮立たせます。ここに砂糖を入れて溶かします。結構大量ですね……。

醤油 
醤油を入れて再度沸騰させ、弱火で20分ほど煮詰めます。

漉す たれ 
これをキッチンペーパーを敷いたザルなどで漉して、ベースは完成。

うなぎを着ける 白焼き 
ここからさらに「秘伝感」を出すために、しばらく時間を置くことにしました(保存は念のため冷蔵庫で)。 

家でうなぎを食べる機会がある度に、このタレに漬けていきました。市販のうなぎは、あらかじめタレで味付けされてるので、あれば白焼きがベターかも。 

こうして半年ほど寝かせ、完成したのが「秘伝(風)タレ」。 さすがにうなぎ屋さんのように、毎日漬けるわけにはいきませんでしたが、味見してみるとうなぎの風味がかなり出ています。 

うなぎのタレ 
(↑この壷はご厚意でいただいたもの。ありがとうございましたm_ _m)

これを、丼によそったご飯に塗っていきます。

タレをぬる 「深夜食堂」(安倍夜郎/小学館)4巻より 
※【コマ引用】「深夜食堂」(安倍夜郎/小学館)4巻より 

本当は、作中に出てくるような専用器具を使ってみたかったんですが(左図)、とりあえず今回は手持ちのハケで。 

漬物の小鉢、お麩と三つ葉の味噌汁を添えて、「限定うなぎのタレ丼」セットの完成。 

深夜食堂 うなぎのタレ丼 
やや、つゆダク目にしてみました。 

アップ 
食べた感想:
予想以上に、しっかりうなぎの味がする! 甘辛いタレだけでも十分ご飯が進みます。 

しかしうなぎの味はしっかりするのに、本体はどこにもないのが、何とも不思議で……。例えるなら、披露宴に出席したものの、最後までメインの新郎新婦が現れなかった、という感じですw 

タレどころか、落語にはうなぎの匂いだけでご飯を食べるお話もありますが、それだけ強烈にご飯欲をかきたてる料理なんだなあ、とあらためて実感。

卵かけ 
思いつきで、卵かけご飯にしてみましたが、これも美味。





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