季節とともに歩む「リトル・フォレスト」再現、秋編。 本編を読んだときから、ずーっとあこがれていた「あけび」に初対面しました。
東北出身の人や、子どものころ山遊びに親しんでた人には、おなじみの果物みたいですね。
※【コマ引用】「リトル・フォレスト」(五十嵐大介/講談社)2巻より
「種が多いんだよね」「おやつによく食べたなー」と思い出を聞いては、羨ましく思ってました。 「リトル・フォレスト」のなかでも、子どもも大人も、そして森のケモノたちも大好きな山のおやつとして描かれています。
東北から取り寄せるしかないかな~、と思ってたら、立ち寄ったスーパーの青果コーナーに置いててびっくり。
そして、童話に出てきそうな、不思議でちょっと妖しい見た目にもびっくり。 なんかこう、食べるとHPとかMPとか回復しそうな感じです。
買ったばかりのあけびはまだ少し固くて、マンガの絵みたいに実がぱっくり割れて熟した状態ではありませんでした。
青果店で「米びつに入れて一晩寝かすと追熟する」と教えてもらったので、そのとおりにしてみた。 ところが数日待っても、ウンともスンとも割れず……。日が経ちすぎて、皮が痛んできたorz
中身はぶよぶよと熟している感触がしたので、もう思い切って、包丁で無理矢理割ってみることにした。 おおー、噂どおり種だらけ。種のまわりに、白い半透明の果肉がついています。
スプーンで実をすくっていただきます。 味は、柿の熟した部分ような、スイカにも似てるような……。香りはほとんどせず、すっとした甘みが印象的。
夏と秋の中間のような、そんな果物の味。
「冷蔵庫でひやしたワケじゃないのに なんでかねー 口にひんやり」
「上品な甘み 和菓子が目指してるのってこのカンジだよね」
という作中のセリフに、いちいち納得しながら食べました。
※【コマ引用】「リトル・フォレスト」(五十嵐大介/講談社)2巻より
あけびの皮のサブジ風:
さてあけびは実の部分を食べ終わっても、皮の部分のお楽しみがあります。
ひとつは、いち子が考案したサブジ風の炒め物。一口大に切ったあけびの皮を、調味料で炒めあわせた一品。つまみにもおかずにもイケるらしい。
作り方: 皮が傷んでしまったので、見た目が美しくないですが……。あけびの皮を軽く洗って水気をふき、一口大に切ります。
フライパンを熱して油を入れ、みじん切りしたネギを香りが出るまで炒めます。あけびの皮を投入し、皮部分がしんなりするまで炒めたら、ケチャップ、カレー粉、しょうゆで味付けして完成。
食べた感想:
炒めたあけびは、食感はトロっとしたナスのよう。そして味は、ゴーヤを穏やかにしたようなほろ苦さ。
これにケチャップの甘み、カレー粉のスパイシーさが加わって、確かにビールが進みます。ただし冷めると苦さが目立って味が落ちるので、熱々のうちに食べるのがおすすめかも。
※【コマ引用】「リトル・フォレスト」(五十嵐大介/講談社)2巻より
あけびの皮のひき肉詰め:
2品目は、あけびの皮のなかに味噌で味付けしたひき肉を詰めて、油で揚げた料理。これは山形の郷土料理として定番らしく、ネットで調べても色々レシピが出てきます。
「リトル・フォレスト」のなかでは、稲刈り作業のお弁当に持って行く……という、秋らしいオチがついていました。
作り方:
作中にレシピはないので、郷土料理のサイトなどを参考に作ってみます。
豚ひき肉にみじん切りしたネギ、味噌、片栗粉少々、塩コショウを混ぜ合わせます。これをタテ半分に切ったあけびの皮のなかに詰め、もう半分の皮とあわせて、楊枝などでしっかり止めます。
熱した油で、あけびを中に火が通るまで揚げます。
揚げたのが、こんな感じ。楊枝の止め具合がちょっと弱かったのか、両端が少し開いてしまいました。しかし凶悪な外見だな……。 楊枝を取って、断面が見えるようにカットします。
食べた感想:
おお、これはウマいです。ひき肉が入る分、さっきのサブジ風よりも苦みがおさえられて食べやすくなりました。味噌の甘辛い味付けと、ほろ苦くいあけびがよく合います。
さっきまで「果物」だったと思えないくらい、お総菜として違和感ナッシン。 ただ肉詰めは手間がちょっとかかるので、面倒なときは、サブジ風みたいに、ひき肉と皮を炒め合わせるだけでも十分おいしくなるかも……と思いました。
あけびの出荷期間はわりと短いようなので、今年はもう食べ納めかもしれませんが、来年もまた味わってみたいです。
コメント
コメント一覧 (24)
いただいたコメントに気付いたのが放送日後となり、大変申し訳ありません&失礼いたしました…。
写真のご利用については問題ありませんので、また機会があればどうぞお声がけください。
突然で大変申し訳ないのですが、アケビの料理のお写真を番組で使用したく思います。
よろしければあけびの料理のお写真をある分だけ、画質の良い本データで下記アドレスまでいただけないでしょうか?
放送日は11月23日です。
ご返信の程、お待ちしております。
atsushikatou8@gmail.com
090-6367-6969 IVSテレビ制作 加藤
はじめまして、コメントありがとうございます!
「熱中人」の感想までいただけて、とても光栄ですー。
子ランチは、いざ作ってみて私もその形に衝撃を受けましたw(味も衝撃的でした…)
テレビは、今もたまに「出てよかったのだろうか」と穴があったら入りたい気持ちに襲われるのですが、うれしいお言葉いただけて、感謝ですm_ _m
ご自宅で収穫したムベ、いいですねー!(おとぎ話のような外観の壁、ステキです)
アケビの場合、種のまわりは特に固い部分はなかったような記憶があるのですが、ムベは似てるといってもまたちょっと違うのでしょうか。
「リトルフォレスト」と出会われるきっかけになれて、うれしいです(ほんとにいい作品ですよね)。
私も来年の秋、またチャレンジしてみようと思います[絵文字:i-189]
BSでumebonさんを拝見して、衝撃に何回も番組を見直してしまいました。
子ランチ、すごかったです。
家の壁にお伽話の塔のように這っているムベが食べ頃になったので、昨日肉詰めを作ってみました。種の周りにもう一皮硬いところがあったのを気づかないで使ってしまったので、家族には不評でした。
まだ生っているので、懲りずにまた作ってみます。
umebonさんのおかげで「リトルフォレスト」も読んだし、これからも楽しみにしています。
ありがとうございます。
はじめまして、コメントありがとうございます!
あけびの皮のひき肉詰めは、ほろっとした苦みが美味しくておすすめです。
山形の郷土料理らしく、検索するとレシピもたくさんあるようなので、ぜひお試し下さい!
「むべ」と猫ママさんがおっしゃってた「うんべ」は同じ、というのになるほどー、と思いました!
確かに口に出して言ってみると、似てますもんね。
こちらこそ追加で情報いただけて、助かりました!ありがとうございます[絵文字:i-189]
アケビ、結構いい値段しますよね~。
私が買ったスーパーでも、1個500円くらいして「な、何個買おう・・・」と棚の前で悩んでしまいましたw
贈答品でもらったら、ちょっとうれしいですよね!見た目もきれいだし、珍しいし。
またやってしまいましたw
私の住んでるところも猫ママ様と同じ鹿児島なんです。
だから鹿児島弁で『ムベ』は『うんべ』と言うんですよ。種類は勿論同じです。
違う種類かと思われてごっちゃになってしまったかもと思い再度コメント差し上げました。
お手数掛けてしまい申し訳ありません。
そういえば今日、アケビがいい箱に入れられて販売されてました。
傷一つ無いそれはそれはきれいなアケビでした。
野生の果実も高級志向で売られる時代なんだなあとしみじみ思ってしまったり☆
おおっ、ちゃとさんも東北だったんですね!
アケビって東北では身近な存在すぎて、売ってないってことなんでしょうか?[絵文字:e-451]
色も微妙に違うのかな? わー、ますます気になって、本場で食べたくなってきましたw
「美味しんぼ」でアケビが登場する回は知りませんでした!
調べてみたら、二木さんが退職するエピソードに出てくるんですね~。これも気になるので読んでみたいです[絵文字:e-267]
確かに日本は、どの地方都市に行っても「ぱっと見同じ」の風景になっててちょっと寂しいですね……。
「リトル・フォレスト」は、田舎での生活をサラリと描いてるだけなのに、読み手に色んな想像や思いを抱かせてくれるのが、すごいなあと思います。
五十嵐先生の作品に共通する、「自分自身の体験を信じて生きる」人々の描き方は、きっと共感していただけると思うので、ぜひ機会があればご一読ください!
ある意味カルチャーショックでした。
しかも妙に紫,,,,.
アケビといったら「美味しんぼ」にもありましたねー。
「リトルフォレスト」知りませんでした。読んでみたいです。
私も常々日本も農業国であるべきだと思います。
自給率高いと何があってもびくともしませんものね。
大戦中のフランスは手本となりますよね。
駅伝中継見てると日本ってx全国どこいっても 街道沿いの景色と大型店舗同じですよね
おお、ひいらぎさんのご実家では、何と庭に! あこがれの天然モノだーー。
あの不思議な果物が庭になってるって、すごく絵になりそうな風景です[絵文字:i-189]
宮城と青森では、中身限定なんですね~。
ほかの方のコメントでも、地域によって食べ方が違う点がわかって面白かったです[絵文字:i-237]
しかし中身が芋虫っぽいって…!w
でも確かに、「リトルフォレスト」に描かれた割れたあけびも、実の部分がちょっとそれっぽかったかもしれませんw
「ムベ」なんて果物もあるんですか!
(「むべなるかな」の「むべ」はここから来てるのかな・・・?)
画像調べてみたら、確かに色や形が似てます~。ビックリ[絵文字:e-451]
あけびよりも、ちょっと南国フルーツっぽい感じもありますね!
こちらも、香りは薄くて甘みがサラっとしてるのか~。ああ気になる!!
「一生のうちに食べてみたいフルーツ」リストに、加わってしまいましたw
役立つ情報ありがとうございました^^
はじめまして、コメントありがとうございます!
おおー、なんと、東北だけじゃなくて鹿児島にもあるんですね!
(そういえば、九州出身の母もあけびを「昔食べたことあるわー」と言ってました)
鹿児島では「うんべ」と呼ぶんですね~。ところ変われば、名前まで変わるのが面白いです!
しかも、天然モノと養殖物があったんですね[絵文字:e-451]
私がスーパーで買ったのは、おっしゃるとおり養殖物だった可能性が激高です。
そうか、それは確かに割れないはずですわ~orz
ネットで調べてみたら、天然モノのあけびを扱うお店もあったので、来年のシーズンにはぜひ味わってみたいです!
詳しい情報、助かりました&ありがとうございます[絵文字:e-267]
はじめまして、コメントありがとうございます!
素人のブログにもったいないお言葉いただけて、励みになりますm_ _m
あけび、りえさんも食べたことおありでしたか[絵文字:e-267]
「食べたことない」という人と、「懐かしい」という人にわかれる、不思議な果物ですよね。
(決して、「今一番好きな果物」にはランクインしなさそうなところが、なんかいいですw)
皮の部分の調理法は、今回の炒め物や肉詰め以外にも
http://www.pref.yamagata.jp/ou/somu/020020/mm_bk_data/s/oraho_No29.html
↑こちらのサイトに、天ぷらや漬物なんかも載ってて、意外とバリエーションがあるんだなあ、と驚きました[絵文字:e-451]
また再びあけびを食べられる機会があれば、ぜひお試し下さい!
はじめまして、コメントありがとうございます!
やっぱり見た目、ナスと勘違いしちゃいますよねw
果物にも野菜にも化けられるアケビ……すごいヤツです。
ぶんちゃんさんも実をスプーンで食べたこと、おありだったんですね。
ほぼ種で食べにくいけど、甘みが爽やかでなんか手が止まらない美味しさでした[絵文字:e-420]
皮を使った料理も、ゴーヤなどの苦みがお嫌いでなければおすすめなので、機会があればぜひお試しください!
私もひき肉揚げは、いずれ本場・山形でも食べてみたいなあ……と、さらにあこがれが募りましたw
確かに見た目もナスっぽいですね~。
(実際、大きめのナスで作っても、おいしいかもしれません!)
あけびが出てくる絵本もあるんですね。
形といい色といい、童話の世界にマッチしそうです[絵文字:i-237]
私もスーパーで見つけるとは思ってなかったので、びっくりしました。
(明らかにほかの果物から、浮いてましたw)
アロエが1本ドーーン!というのも、すごいですw
私はアロエヨーグルトとか、あと果肉を塗り薬にするくらいしか思い浮かばないんですが、ほかに利用方法ってあるんでしょうか……。
珍しい食材って、色々想像が膨らんで面白いですよね。
わー、再び地元の方からコメントいただけてうれしいです!w
山形では、庭にまで植えてるご家庭もあるなんてびっくりです。
すごく愛されてる果物ってことがわかりました[絵文字:e-267]
山形では皮だけ、秋田では中身だけ食べるんですね!
同じ東北地方なのに、食べ方が違うというのがすごく面白いです。
(ほかの方のコメントでも、地域ごとの食べ方をご紹介いただいてて、興味深かったですー)
今後も山形の食べ物を作ってみるかもしれないので、またぜひ色々教えてください[絵文字:e-267]
小ぶりですけどね、全部ではなかったですが口も開いてました。
うちの方も中身しか食べないと思います。
宮城&青森です。
アケビは地域によって中身派・皮派に分かれるんですよね~。
熟した状態で口が開くと…中身がちょっと芋虫っぽいんですけどねw
あけびの皮って食べられるんですか!
でも言わなければ調理した見た目、茄子みたいですね。
調理法も茄子とちょっと似てるし皮は紫色だし・・・
ちなみに私はアケビは食べた事がありませんが
アケビ科の『ムベ』は食べた事があります。
アケビより小振りですが、外見も中身もそっくりですよ。
果実特有の香りは全くなく、野趣溢れる強い、でもサラッとした甘みで
糖分を摂ったなーって気分になります。
いつも楽しくブログを拝見させていただいてます。
うちは実家が鹿児島なんですけどあけびありましたよ。
鹿児島では『うんべ』と言います(笑)
鹿児島でも中身しか食べないのですが、皮のことでちょっと知ってることがあったので書かせていただきます。
あけびには自然になっているものと養殖物がありまして、
自然のあけびは自分で割れますが、養殖物は包丁などで切り込みを入れないと開きません。皮の質も少し違ったと思います。
たぶん画像のあけびは養殖物だったのではないでしょうか?
5年以上前のことなのでうろ覚えなんですが・・・;;
こっそり書籍化して欲しいなって思っちゃうくらい、料理の再現率に感動してます。
あけび、小学生の時に食べた以来です。。。
なんだかなつかしいですね
でも味は少し美味しかった思い出があります。皮まで食べれるとは知りませんでした、斬新ですね
いつも拝見していましたが、今日はコメント書かせていただきます。
一枚目の写真を見た瞬間 ナスと思いましたね!!
そしたら!
なんとアケビだったんですね。
アケビはスプーンですくったりして、食べたことありませんでしたが
皮を料理するってすごーい!!
>ひき肉を詰めて、油で揚げた料理。これは山形の郷土料理・・・
なるほどね!初めて知りました。
昔読んだ絵本に、あけびを取って食べたみたいな描写があって、どんな味なんだろう、なんか美味しそうってずっと思ってました。
スーパーにあるなんて驚き…!と、そういえば昨日たまたまデパ地下の生鮮食品売り場に行ったんですが、アロエがぶっとい茎ごと一本どんって置いてあって驚いたんでした。意外と?珍しい野菜、果物も入荷してることもあるんですね~。
実家のあたりでは庭先にアケビを植えている家までありましたが、実は山形では、元々は皮しか食べなかったようです。
で、秋田では中身しか食べない、らしいです。
皮も中身も食べるというのは、情報化社会の恩恵みたいですよ~。