梅雨が明けて、容赦ないかんかん照りの日が続きますね。こんな季節は沖縄料理じゃー、ということで、夏本番が来たら作ろうとずっと思っていた、「おせん」のラフテーにチャレンジしてみました。
これまでも日本各地の郷土料理を紹介してきた「おせん」ですが、9巻では一升庵ご一行が沖縄へ。
そこで、高級食材を扱う「音羽フーズ」の社長が、沖縄料理の接待に辛辣なダメ出しをする場面に遭遇。地元の本当の味を理解してもらうために、おせんさんが一肌脱ぎます。
そのリベンジ接待の料理のひとつが、このラフテー。
※【コマ引用】:「おせん」(きくち正太/講談社)9巻より
一見何の変哲もありませんが、砂糖のかわりにどっさりの完熟パパイヤで煮るのが特徴。
それにプラスして、今回はその土地の「気候」と味覚の関係も隠れたメインテーマになってます。
クーラーがガンガンにきいた部屋で飲み食いする地ビールやラフテーは味気ないものだったのに、地元の気候を生かした環境で食べると、味がしっくりくるというお話。
確かに海外旅行で「なにこれウマ!」と思った食べ物も、帰国後に日本で食べると「あれ?」となることってありますよね。ものを食べるときって、舌だけでなく肌の体感も含め身体全体で味わってるのかもなあ、と思うエピソードでした。
作り方:
作り方の解説は、上のコマのおせんさんのセリフしかないので、想像込みで作ります。
豚肉は本来は「地の材料」として、沖縄産の島豚を使いますが、手に入りにくいので今回は近所のスーパーで手に入るバラ肉で。ただし、皮付きのを選びます。
皮には豚の毛が付いてることがあるので、金串に刺してコンロの火でさっと皮面をあぶりました。
豚肉は最初に水から茹でこぼし、その後5?6時間ほど下ゆでします(途中尋常じゃないほど脂が出てくるので、何回か鍋の水をかえました)。
茹で続けると、肉の脂身の層の脂が抜けて、スポンジみたいにスカスカしてきます。
通常のラフテーは鰹だしで煮込むようですが、作中に描写がないので、豚の茹で汁を漉したものをベースにしてみます。これに泡盛と醤油を入れて火にかけ、沸騰したら一口大に切った豚肉を入れ、弱火で煮込みます。
ここでパパイヤの登場。これも本来は沖縄産のパパイヤを使いますが、今回は身近にあったアメリカ産で代用。
種を取って皮をむき、適当にカットした完熟パパイヤを、豚肉が隠れるくらいどっさりと鍋に入れてそのまま煮込みます。
パパイヤはそのまま味見してみると、かなり糖度が高くてこってり甘く、これは確かに砂糖の代わりになりそう。
4時間弱火で煮込んだ状態がこちら。汁気がなくなってきたら、仕上げに強火にかけて肉に照りを出します。
肉を取り出し、器に盛って完成。箸で触っただけで、ホロっと崩れそうな軟らかさになってます。
食べた感想:
弱火でじっくり煮込んだ肉は、トロトロの食感がたまらん! 作中では特に解説されてなかったけど、パパイヤには肉を柔らかくする酵素も含まれてるらしいので、その効果も発揮されてるのかも。
肝心の味ですが、「砂糖を使ってない」と言われても信じられないほど、ちゃんと甘みがついています。それもしつこい甘みじゃなくて、ほんのりさわやかな甘さ。
残ったパパイヤは、クタクタに煮たカボチャみたいな感じになってましたが、肉に添えて一緒に食べると、フルーティでまた美味しかった!
ただ、5~6時間程度の下茹でだと、肉の脂がまだまだ十分抜け切ってないようだったので(これは肉の質にもよりそうですが)、作中のように「いくらでも食べられそう」な加減にまでは、到達できなかったかも。
脂抜きにもっともっと時間をかけて、あっさり仕上るようにリベンジしたいなー。
コメント
コメント一覧 (4)
ラフテーって確かに、ご飯にもつまみにもぴったりですよね!
私は麺類(ラーメンとか冷やし中華とか)に乗せて食べるのも好きです[絵文字:i-189]
パパイヤのおかげか、ほんとに肉がホロホロに仕上がって感動しました!
そう考えると、同じく酵素があるパイナップルでも、作れたりするのかしら……。
>圧力鍋
たしかに圧力+パパイヤだと、どうなってしまうのか気になりますねw
肉が消えちゃったら……悲しいw
「おせん」でも皮付き肉を使うことに触れられてましたが、沖縄では皮付きの豚バラってそんなにメジャーなんですね!
都内だとスーパーでなかなか見つからず苦労したので、気付いていただいてうれしいですw
沖縄、私は一回行ったきりで、しかもずーっと雨が降ってたので、いずれリベンジ旅行したいです(涙)。
なので「昔の恋人」と言えるくらい、深く沖縄とつきあってたQさんがうらやましい!
沖縄料理は長寿食と言われてますが、最近はアメリカナイズの影響か、若い人の間では高カロリー食が広まって、それも危うくなってると聞いた覚えがあります。
確かに伝統料理だけじゃなく、「A&W」にタコライスにブルーシールも「沖縄」ですもんね。
豚の角煮は好きなんですが、ラフテーはまだ作った事がないです☆
酒の肴にも最高ですが、ご飯と一緒に食べるのもまた(゜Д゜)ウマーですよね!
しかもパパイヤと煮ると・・・
パパイヤの酵素(確かパパインという名だったかと)で肉もそら軟らかくなるでしょう!
私はいつも圧力鍋で角煮を作るのですが、
この材料を圧力鍋で作ったら、肉の形が無くなってしまいそうですねΣ(ノ´∀`*)
これもいつか挑戦してみたいものですなァ・・・(*´∀`*)
『沖縄風だったら皮付きじゃないとだめザマス』と突っ込もうとしたら、ちゃんと皮付きばら肉を使ってらっさる!umebon...恐ろしい子!
しばらく沖縄にハマって何度か足を運んだ事もありました。ウチナンチュがいくら否定しようが今の沖縄の食文化はアメリカーのおかげだと思います。ホーメルの日本支社があるのも沖縄だし、そもそも人口当たりのポークランチョンミート消費量世界一なのも、日本で豚バラ肉の消費量がダントツで多いのも沖縄県。Aロース(ロース)やBロース(肩ロース)よりも消費量が多いのはアンダ(脂)の旨みを知ってるから。しかもそのバラ肉は全て皮付きなんですよねー。うらやますい。
沖縄県とウチナンチュ達には完全に幻滅したけど沖縄料理は今も時々近くの店に食べに行きます。昔の恋人を思い出す様に。