
全4巻で完結した「沈夫人の料理人」の続編、「沈夫人の料理店」。
前作の明朝時代から1920年代の中国に舞台を変えつつ、今作も美しい沈夫人と下僕体質の料理人・李三の、美食を通じた精神的SMをじっくり楽しめますw(使用人の愛蓮や、李三の兄もそのまま登場!)
私みたいな素人には一生作れなさそうな、難易度ウルトラCクラスの本格中華ばかり出てくるシリーズですが、今回も比較的再現しやすそうなメニューを見つけました。第1話に登場する、広東粥です。

※【コマ引用】:「沈夫人の料理店」(深巳琳子/小学館)1巻より
閑古鳥が鳴く李三の屋台にたまたま立ち寄り、そこでこの粥を食べた沈夫人はあまりの美味しさに驚愕。才能を見いだしつつ、持ち前の洞察力で彼の素性をぴしゃりと当て、すっかり李三から「特別なお方」と心酔されることに。
流行らない店をどうすればいいか、というワラにもすがるような彼の問いに対し、
「けっして粥の味を変えてはならない」 と、命じる夫人。
この言いつけを頑なに守り、李三は塩辛いものを好む労働者のお客からの文句にも耐えます。うーん、早速調教プレイが始まってる感じですね。
しかし前作が無邪気な少女だとしたら、今作の夫人はマダムの貫禄たっぷり。その分、ちょっと性格も優しめかも? お仕置きで指切ったりはしなさそうですw

作り方:
米は洗ってから水気をよく切り、乾いたら新聞紙の上などに広げ、室温で乾燥させます。一晩置くと、手でポロポロ潰れるくらいになります。


ヒビ割れるまでいかない場合は、包丁で切るように米粒を割ります。今回はマッシャーでぐりぐりと潰して仕上げました。


潰した米にごま油を少々たらし、よく混ぜて馴染ませます。 米を馴染ませている間に、鍋いっぱいに湯を沸かし(米の10~12倍くらい)ます。
沸騰したら米を入れ、強火のままフタをせず、底がこげないように時々ヘラで混ぜながら煮立たせます。

15~20分程度経つと、白くにごったとろみのある状態になります。このまま火を弱めて30分ほど煮込んだらベースとなる粥は完成。


煮込んでいる間に、ひき肉(今回は豚。念のため酒と塩で味付けして炒めました)、みじん切りしたネギとショウガを用意します。
粥に具を加え、塩、醤油、紹興酒、胡椒、各少々で味付けします(あくまでも薄味で)。


粥を椀によそい、溶き卵(卵半個分くらい)を加え、2~3分蒸らします。 トッピングに、お好みでピータンや香菜、ザーサイなど用意します。 出来上がりはこちら。

粥が重いせいか、卵と分離しちゃってあまりうまく蒸らせなかったかも。

食べた感想:
ひき肉や薬味でしっかり風味がついた粥は、お腹にたまるスープのようで、ちゃんと一食になりえる食べ応え。病人食のイメージの強い日本のお粥とは、ほんとに別物なんだなー。あっさりした味付けの分、飽きがこないので、鍋いっぱい作ったはずなのに1日で完食してしまった。
「料理店」編は時代が近代に移った分、作りやすそうな料理も出てくるかな? そんな淡い期待をしつつ、2巻を待ちたいと思います。
コメント
コメント一覧 (4)
はじめまして、コメントありがとうございます!
「沈夫人」は難易度の高い料理が多くて、私の腕では尻込みしてしまうものが多く、なかなか数が増やせず申し訳ないです[絵文字:i-202]
揚げカスタードは、椎茸のスープと同じエピソードに出てくる料理でしたっけ?
thuleさんのご説明読んだら、猛烈に食べたくなったので、いずれチャレンジしてみようと思います!
(ハマナスの花って、バラのことだったんですね~。冷蔵庫に、使い道に困ってたバラジャムがあるので、ちょうどよかったですw)
沈夫人のサイトを探していましたらこちらのサイトに来ました~
色々なマンガ飯・・美味しそうですね。
ただ沈夫人に関してですが『揚げカスタードの薔薇シロップ漬け』
を試されていないのが残念です。
美味しいですよ~
中はトロッとして周りはカリカリ、後口には仄かな薔薇の香り
これを作るコツは油と片栗粉をケチらないことです。
また薔薇のジャムが入手できない場合にはイチゴジャムでも
O.Kです。
是非お試しください。
李三のオドオド&奥様へのポジティブ崇拝ぶりは、毎回定番ながらなぜか楽しいですよねw
1巻出てからかなり時間経ってますけど、2巻はいつ出るんでしょうね~。
本場の中華粥うらやましい!
あの揚げパンみたいなやつと一緒に食べると、また美味しそうですね。
しかし今回みたいに日本のモチモチしたお米だと、出来上がりの食感がちょっとモッタリする気がします。お米の品種も吟味したほうがいいのかな~。
沈夫人シリーズおもしろいですよね。
李のうろたえっぷりがまた(笑)けっしてSではありませんが。
中華のおかゆはおいしいですよね。
香港に行った時、朝がゆがめちゃおいしくて、ホテルのビュッフェ二は行かず、毎朝おかゆ三昧でした。
何も言わないと店員のおじさんが次々おかずを勝手に追加してくるのにはまいりましたが。。。