きくち正太先生が描く、もうひとつの日本文化啓蒙漫画。「きりきり亭のぶら雲先生」として刊行されてましたが、中断を経て「きりきり亭主人」として再スタートした作品です。
「おせん」とテーマは似てるし、美味しそうな料理がたくさん登場するところも共通してますが、こっちのほうがエロネタ下ネタが目立つのが特徴w でもカラっと明るい艶笑譚的な雰囲気は、人情話がメインの「おせん」とまた違った魅力。
※【コマ引用】:「きりきり亭主人」(きくち正太/日本文芸社)1巻より
「きりきり亭主人」1巻では、ぶら雲先生ご一行がなんとイタリアに遠征。小夜の彼氏・ボッキーニョ(このネーミング……)の家でご馳走になったのが、「スパゲッティ・アーリオオーリオ・アッラ・レモンソース」。
のだめの呪文料理を思い出すややこしい名前ですが、アーリオオーリオはにんにくとオリーブオイルのこと。つまりレモン風味のペペロンチーノ風パスタらしいです。
ボッキーニョ家の奥様・シモネッタさん(だからこのネーミングは……)の出身地、南イタリア名物のレモンをたっぷり絞って作る一品。
きくち正太先生作品は和食がメインで、洋食メニューはごくたまにしか登場しないんですが、だからこそ余計美味しそうに見えてしまう~。
作り方:
詳しいレシピはないので、以下は想像で再現。 にんにくはみじん切り。
唐辛子は説明されてないので入れるか迷いましたが、ペペロンチーノ風、ってことでとりあえずみじん切りして追加することに。 レモンは2人分で1個使います。
半分は飾り用に薄く輪切りし、残りは果汁を絞っておきます(酸っぱいのが好きな人は、1人分1個使っちゃってもいいかも)。
フライパンにオリーブオイルを入れ、弱火でにんにくを香りが出るまで炒め、さらに唐辛子を入れて炒めます。
アルデンテに茹でたパスタをフライパンに入れ、さらにレモン果汁を投入し、よく絡ませます。塩コショウで仕上げしたら完成。
食べた感想:
ニンニクと唐辛子がきいたパスタに、レモンの酸味が加わって美味しい!
ペペロンチーノはシンプルな分、たくさん食べると途中で飽きちゃうんですが、これならさっぱりしていくらでも食べられる勢い。私がレモン好きなこともあって、すごく好みの味でした。
※【コマ引用】:「きりきり亭主人」(きくち正太/日本文芸社)1巻より
パスタのほかに食卓に並ぶのが、バーニャカウダとグラーナパダーノの薄造り。これも一緒に再現してみることにします。
バーニャカウダ:
バーニャカウダは生クリームでクリーミーに仕上げるレシピもありますが、作中の説明からすると、にんにく、アンチョビ、オリーブオイルのみのシンプルなもののようです。
にんにくとアンチョビは、細かーーーくみじん切りに。 厚手の鍋にオリーブオイルを入れ、にんにくとアンチョビを投入。沸騰しない程度にグラグラと弱火で煮ます。
バーニャカウダは温かいうちにソース用の器に入れ、セロリにルッコラ、ズッキーニなどお好みの野菜を切って盛りつけます。
食べた感想:
ソースが温かい分、にんにくとアンチョビの香りが際だちます。冷たい野菜との温度差が、また美味しい! ワインと一緒に食べ出すと手が止まらない、おそろしいつまみです……。
個人的には茹でた新ジャガとの相性が最高でした。冷めると美味しさ半減なので、時間が経ったらソースは温め直すのがおすすめです。
グラーノパダーノの薄造り:
これも酒飲み泣かせなつまみ! グラーノパダーノは、パダーノ地方特産のハードタイプのチーズ(「グラナパダーノ」と呼ぶ方が一般的かも)。
これを薄ーく切って、おつまみにするそうです。 残念なことに、スーパーをまわっても見つからなかったので、味も製法もよく似てるというパルミジャーノで代用しました。
パルミジャーノの表面を、スライサーで薄くそいでいきます。
食べた感想:
パルミジャーノはすりおろしてパスタのトッピングに使うことが多かったんですが、そのまま食べてもこんなに美味しかったのか。特有の「くさ美味さ」がたまりません。
これも止めるタイミングがわからない、おそろしい(カロリー的に)つまみ……。
今回は白ワインに合わせましたが、ぶら雲先生いわく「スパークリングワインの肴のMVP」だそうです。うぎゃー、そんなこと言われたらまた飲み直したくなってしまう!!
コメント
コメント一覧 (10)
アーリオオーリオ、呪文みたいな名前だな~とか思っていたら、ニンニクと油だったのですね。
ペペロンチーノ、ニンニクと油をケチると美味しさ半減だとようやく気付き、最近は「これはおしゃれな料理というよりドカ飯なのでは…」と思うようになりましたw
aglioはニンニク、olioは油の意味なので大抵のパスタではデフォルトで下敷きにして大丈夫というかペペロンチーノが唐辛子の意味だそうです。
日本ではペペロンチーノ呼ばわりのアレはイタリアでは通じない和製イタリア語で、正確に言うのならアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノになるけれど茶漬けみたいなもので素パスタに近い言うなれば貧乏料理のため本場では「絶望のパスタ」と呼ばれているそうです。美味しいのに。
ここでは料理名にそのままアーリオオーリオさんがいらっしゃるのでむしろ全力でにんにくと油を入れるとこですね!
野蒜のすき焼き、ありましたね~!
百貨店の青果売り場で春先に見かけたりしますが、やはり市販品と自生のものは風味が違うんですね。あこがれます。
今野蒜が旬なのでぜひ召し上がっていただきたいけれど市販のは野草の味しなくて違うんだよなー残念。
はじめまして、コメントありがとうございます!
ブログ拝見しましたが、どのパスタも美味しそうですごいですね[絵文字:i-189]
私は漫画の再現ばかりで、自分のレパートリーをほとんど持ってないので、うらやましいです。
また気が向いたときにでも、お越し下さい!
また遊びにきます。
ありがとうございます。
場の空気を読まず、唐揚げには勝手にレモン絞る派ですw
レモンに氷砂糖!
はちみつ漬けは聞いたことありますが、氷砂糖ははじめて知りました[絵文字:e-267]
夏に炭酸で割って飲んでみたいな~。
おいしそうな情報ありがとうございます!
はじめまして、コメントありがとうございます!
新じゃがはたまたま余ってたので追加してみたんですが、ヒットでした[絵文字:e-267]
バーニャカウダはほんとに、色んな野菜に合いますよね~。
しかし同じ材料でパスタにするってのは想像もつきませんでした[絵文字:e-349]
野菜もりもりのパスタにアンチョビソース……めちゃくちゃ美味しそう!
「西洋骨董洋菓子店」のパスタありましたね!
副菜のサラダとかも美味しそうだったなあ。
あのおまけマンガは、「きのう何食べた?」の原型になってる気がします。
嬉しい今日この頃です。
新じゃがにバーニャカウダ、絶対合うでしょうねえ!
と、いいますのも私が良く作るパスタレシピに
パスタ、じゃがいも、キャベツを一緒くたに茹で、
上記の材料と同じソースで絡めるというのがありまして
時短、簡単なのに美味しいので、いつも白ワインがすすむからです。
パスタつながりで、よしながふみ先生の「西洋骨董洋菓子店」
巻末おまけ漫画に出てくる、明太子スパ。これもお勧めです。