今月4回目の「リトル・フォレスト」メニューです。青果店をのぞいたら山ウドが出ていて、「今のうちに作っておかんと!」と慌てて再現しました(旬の野菜はボヤボヤしてると、すぐ店頭から消えてしまう……)。
※【コマ引用】:「リトル・フォレスト」(五十嵐大介/講談社)1巻より
都会の朝ご飯の決め方って、まずは冷蔵庫を開けて「納豆があるからご飯かな。や、コーヒー飲みたいしパンか。あーもう面倒だから駅前のドトール行こ」、みたいな感じじゃないでしょうか(我が家がズボラなだけ?)。
小森で暮らすいち子の朝ご飯は、まず畑の様子を見回って、そのとき食べられる野菜を収穫するところからはじまります。
ある春の日の朝ご飯の材料は、採ったばかりの山ウド、ミント、クレソン。 ウドとミントは油で揚げてフリットに。クレソンはマヨネーズ。これにフライドエッグを添えて、自家製バゲットに全部はさんで豪快にガブリ。
ああなんて贅沢! 一流ホテルのモーニングなんてかすんで見えるほど、素敵な食卓じゃないですか。 特にウドとミントをフリットにするなんて、野菜がほんとに身近な生活でないと、なかなか思いつかないレシピだなあ。
作り方: ※詳しいレシピは載ってないので、以下は想像込みの再現。
フリット用の衣を作ります。小麦粉とベーキングパウダー、水、塩を混ぜ、そこにしっかり泡立てた卵白を加えて軽く混ぜあわせます。
ウドは芽や葉の柔らかい部分はそのまま、固い茎の部分は皮をむいて適当に切ります。ミントは一口大になるよう、適当に手でちぎっておきます。
サラダ油を熱し、ウドとミントをそれぞれ衣に絡ませて揚げます。ミントはさっとでOKですが、ウドの固い部分は中に火が通るまで待ったほうがいいかも。
フリットの次に、フライドエッグを作ります。英語の「fried egg」は普通は目玉焼きのことですが、ここではほんとに油で揚げててびっくり。皿に一度生卵を割り、油の中に滑らせるように入れるとやりやすいかも。
漫画の描写どおり、「じぐじぐじぐじぐ」という音とともに白身の部分から縮むように固まっていって、ちょっと面白い。黄身は半熟くらいで引き上げます。
ウドとミントのフリット、フライドエッグ、出来上がり。
クレソンは洗って適当な大きさにちぎって水気を切り、マヨネーズを添えます。
バゲット(残念ながらnot自家製)、コーヒーを並べて、「リトル・フォレスト」のあこがれ朝ごはんの完成。
※【コマ引用】:「リトル・フォレスト」(五十嵐大介/講談社)1巻より
バゲットにナイフで切り込みを入れ、フリットとフライドエッグ、クレソンをぎゅうぎゅうに挟んでいただきます。
食べた感想:
ウドとミントとクレソン、それぞれ個性的な香りの野菜が組み合わさった、春らしい味のサンドイッチです。
半熟のフライドエッグの黄身が皿にポタポタ落ちますが、いち子みたいに最後のお楽しみとして、残ったパンでぬぐって食べると幸せな気分。
ミントのフリットはその珍しさから「歯磨き粉みたいな味だったりして……」と若干不安だったんですが、サクッとした衣に後味がほんのり爽やかで、個人的に大ヒット! ミントってパセリと同じ「皿のお飾り」的な存在だと思ってたけど、こんな主役のお総菜にもなるんですね(普通の天ぷらにしても美味しいかも)。
残ったフリットは、こないだ作った自家製ウスターソースをかけて食べると、これまたうまかった。ご飯にも合いそう。
「リトル・フォレスト」は冬もいいけど、春の料理もどれも美味しそうなんですよね。次は春キャベツのケーキ作ってみようかなあ(こうやって季節にあわせて再現していくのが、また楽しいんだ!)。
コメント
コメント一覧 (6)
書籍作業の佳境中は、ブログどころかTwitterやコメント含め放置状態になってしまい、ほんとに申し訳ありませんでしたm_ _m
今後はせめて週1回ペースくらいで更新できるようにできれば…!
そして「リトルフォレスト」を、ブログの記事がきっかけで手に取っていただけたとのこと!
大好きな作品で、少しでも魅力が伝われば・・・と思っていたので、すごくうれしいです。
キャベツケーキにクリームチーズ、おいしそう!
(こうやって、読んだ&作った方々と情報交換できるのが、また楽しいです)
書籍についても、温かい&もったいなさすぎるお言葉いただけて感激です。ありがとうございます!
400円の駅弁、実は一番苦労したのは、容器探しでしたw
色んな容器メーカーの商品を調べたり問い合わせたりしたんですが、結局一番近かったのが崎陽軒というオチでした・・・。
今後もブログでゆるりと続けていく予定ですので、どうぞ引き続き呆れずにw、ご笑覧いただければ幸いです!
いつも楽しく拝見してます。
更新少なくなって、お忙しいんだろうなあ・・・と思いつつ、飢餓感に耐えられず、「リトル・フォレスト」を買って(この連作再現がとても楽しかった・・・)
「マンガ食堂さんが作ってたのがお話になってる!」(←順番逆)と満喫し、キャベツケーキやがんづきをわたしもまねっこして作ったりしてました。(キャベツケーキは切り分けたのを軽くトーストして、クリームチーズを塗ると美味でした。)
リトルフォレスト、物語の空気のにおいがとてもよくて、ほかにもいろいろ作ってみたくなっちゃいますね。
暖かくなったら、いち子ちゃんのように、朝ごはんさがしにうろつきたい!です。
わたしが作ると、どうやって食べるか、の方向に行ってしまって、料理から作品に迫っていく「再現」にはならないのですが、umebonさんは、さすが再現料理人だなあ、と思います。
本の「マンガ食堂」、早速手に入れました! ブログ記事だったものも、加筆されてレイアウトが違うと、ブログを読むのとは違う楽しさがありました。
とくに、リトルフォレストの朝ごはんの回の
「キッチンこそ都会人のためのリトルフォレスト」
のコメントには、しびれました!
umebonさんのキッチンフォレストは不思議道具や調味料やマンガ愛でいっぱい、なかんじです。
紹介されてるマンガは自分は読んでないものが大半なのに、置いてけぼりにならず、一緒にたのしめてしまう、どの再現にもどきっとするような発見があるのが、素敵だなあ。
「400円の駅弁」再現に、「パンのはじっこ」再現同様のつきぬけた無駄パワーを感じました。お弁当箱用に弁当を食し、細かい脇役も買い揃えて、ちまちまと手間かかってるのに、この地味さとがっかり感!! 想像がついてしまうのにやってしまうumebonさんカッコイイ!
今後もブログを続けられるとのことうれしいです。
はじめまして、コメントありがとうございます!
リトルフォレストに出てくるご飯は、ほんとにどれも美味しそうですよね[絵文字:e-267] どれも暮らしに根ざしてるものばかりだからでしょうか。
>五十嵐先生のマンガって、デッサン力もさることながら効果音も面白いですよね。
たしかに! 頭のなかで再生されちゃいますよねw>じくじくじくじく
最近「魔女」を読んだんですが、この作品も効果音が印象的でした。
山ウドは今スーパーでたくさん出回ってるので、ぜひおためしください!
おいしそうですね!!
いろんなごちそうがマンガにでてきますが、中でもこのフリット達はおいしそうでおいしそうでたまらなーいと読む度に思っていました。
五十嵐先生のマンガって、デッサン力もさることながら効果音も面白いですよね。
じくじくじくじくとか、音が絵から聞こえてくるというか。
うちでもいつか、絶対にやってみようと思いました。
「リトル・フォレスト」読まれましたか!わー、ファンが増えてうれしいw
料理だけじゃなく、その裏のライフスタイルや人生観含めて、いいなあ、と思えるマンガですよね。
クレソンとジャガイモのサラダ、2巻に出てたやつですよね! あの話に出てたジャガイモのパンもすごく美味しそうだったなあ……。
ミントのフリットは、作る前は不安だったんですが、美味しくてびっくりでした。
生のヘーゼルナッツ手に入れられたなんて、うらやましい!!
私が作ったときは、おつまみ用のロースト済みのものしか手に入らなかったんです(涙
作中ではローストしてるシーンは描かれてなかったので、生のままでもいけるのかなあ、という気もしますが……。
でもローストしたほうが香ばしさが出るだろうし、パッケージの注意書きに従うのもアリだと思います[絵文字:e-267](あまりお役に立たないアドバイスですみません[絵文字:e-330])
『リトル・フォレスト』買いました~。良い本を教えて頂いてありがとうございます!
クレソンの効いたバゲッドサンドですね~。これみて、クレソン食べたいと思ってたところ安く手に入ったので、ジャガイモとサラダにしました。
ミントのフリット、食べてみたいです。揚げ物は二つの意味で恐いんですが、いつかやってみたいと思います。
そうそう、生のヘーゼルナッツを見つけまして、「これは、も、ぬてらでしょう」とうっかり買ってしまったんですねw
其のパッケージに、『ローストしてください』と書いてあるんですけど、umebonさんが購入されたのはロースト済みのタイプでしょうか?
生のままでもいいのか、ローストした方がいいのか、悩んでます...。