美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐

前回の呉汁の残りで、「美味しんぼ」22巻の豆腐勝負に出てくる、汲み出し豆腐(コマ左)とザル豆腐(コマ右)を作ってみました。

「美味しんぼ」22巻より
※【コマ引用】:「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ/小学館)22巻より

豆腐をテーマにした対決は32巻にも出てきますが、これは第一弾。 個人的には、数ある究極と至高のメニュー勝負のエピソードのなかでも、特にお気に入りの回。

というのも、私の大好きな二木まり子嬢が大活躍しちゃうから!

「美味しんぼ」22巻より
※【コマ引用】:「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ/小学館)22巻より

恋する山岡さんを勝たせたいがために、おチヨさんを使って海原雄山側のメニューをスパイしてしまう、という前代未聞の展開になるこの話。

至高側が「汲み出し豆腐」を出すことを突き止め、それを嬉々として 「ね!やったでしょ!」と伝える二木さん。

なんちゅうことをしてくれたんや……!」的な山岡さんの表情に対し、 「だって勝って欲しかったんだもん♪」 と無邪気な答えがたまりません。んもう、まり子のスイーツ脳!

これ以外にも、二木さんは山岡さんに猛烈アタックしたり、栗田さんに意地悪したり、団社長を「成金」と罵倒したり、「カレーは市販のルーに限る」とお嬢のくせに庶民的だったり、一時期やたらと活躍してた気がします。

逆に彼女がいなくちゃ、山岡さんと栗田さんは、永遠にお互いの恋心に気付かなかった可能性もあるんで、やっぱ重要キャラだったわけです。「美味しんぼ」のなかで一、二を争う美人ですしね。 結婚後はすっかり見なくなっちゃったけど、元気でやってるんでしょうか……。

と、思わず二木さん萌えについて語ってしまいましたが、この回で登場する「汲み出し豆腐」と、それを超える料理として究極側が出した「ザル豆腐」、どちらも作中の描写がほんとに美味しそうなので、こちらも期待していそいそ挑戦。


美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐
作り方: 
漫画の中の説明と、ネットで調べた豆腐の作り方を参考にして進めます。 

大豆のペーストの2~3倍の量のお湯を沸かし、そのなかにペーストを投入します。一度ふきこぼれる寸前まで沸騰させ、泡をこまめにすくいます。

美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐
その後弱火にし、大豆の青臭さがなくなるまで(10分弱くらい)煮ます。


美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐
ボウルの上にザル、さらにその上に布巾を敷き、大豆の煮汁を流し、よく絞ります。


美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐
布巾の中に残ったのがおから、ボウルの汁が豆乳です。おからはこの後、白和えにするかお菓子に使うか、夢が広がる~。

美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐 美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐 
豆乳は温度を70~75度くらいに調整した段階で、にがりを入れて軽く混ぜます。にがりは入れすぎると苦くなるらしいので、少しずつ入れて様子をみるのがいいかも。ぬるま湯で薄めてから入れると、全体に行き渡りやすいようです。

美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐 美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐 
にがりを入れて数分すると、水分と大豆のタンパク質の固まりが分離してきます。

豆腐はこの水分を切って固めたものですが、この分離した状態で汁ごと食べるのが「汲み出し豆腐」。 

「美味しんぼ」22巻より
※【コマ引用】:「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ/小学館)22巻より 

豆腐店で出来たてを口にしたブラックさんと金城さんが「うおおお」「ああええ」と絶叫し、栗田さんが「豆腐の出来かけのはずなのに、出来上がった豆腐より美味しいっ!!」と驚くほどの味らしい。

とりあえず私も出来たてをそのまま味見してみましたが、豆腐の部分はもちろん、汁の部分にも大豆の旨みが凝縮されてて、びっくりしました。確かに、豆腐になった状態とは別の美味しさがあります。

美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐
これは期待できそう……という期待を胸に、豆腐につける各種調味料を準備します。

生醤油、カツオと昆布ダシ、ポン酢、サンショウ味噌の4種類。サンショウ味噌は、山椒のみりん漬けをすりつぶし、味噌とあえて作りました。

まずは、お椀によそった汲み出し豆腐から。 美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐

美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐
汲み出し豆腐: 
最初に味見した感想のとおり、豆腐にも汁にも大豆の甘みと香りがしっかり感じられて、これは確かに豆腐の食べ方の極みかも。

まだ生温かくてフルフルした豆腐の食感が、またウマイ! タレはどれも合いますが、個人的にはポン酢があっさりして美味しかった。

美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐

美味しんぼ 汲み出し豆腐とザル豆腐
ザル豆腐: 
これは汲み出し豆腐を、布巾を敷いたザルの上に5分放置して作るもの。余分な水分を切りつつ旨みはしっかり残るので、より豆腐らしい食感を楽しめる食べ方のようです。 

この料理で見事、究極側は至高側に勝利しますが、確かに食べ比べるとこっちのほうが私も好み! 大豆の汁は独特で美味しいけど、どうしても飽きがきちゃうので、純粋に豆腐として楽しめるザル豆腐のほうが、食べやすい印象でした。

こっちはサンショウ味噌がよくあって、おつまみにもぴったり。 普通の豆腐はここから成形するのにもう一手間かかるけど、途中過程で十分美味しい汲み出し豆腐&ザル豆腐の食べ方は、意外と家庭向けかもしれません。

呉汁→汲み出し→ザル と3段階で楽しめるので、イソフラボンにまみれたい方はぜひチャレンジ! 





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