しつこく「リトル・フォレスト」、いきます。チャパティと同じ生地で、今回は「ひっつみ」を作ります。
※【コマ引用】「リトル・フォレスト」(五十嵐大介/講談社)1巻より
前回ご紹介したとおり、ひっつみはスイトンによく似た岩手の郷土料理。
生地を十分寝かせることが大事なので、冬の雪かきの間に仕込んで、お腹が減った作業後に食べるらしい。いかにも冷えた体が温まりそう。 「リトル・フォレスト」の、こういう季節と食べ物と関係の描写がすごく好きです。
これ以外にも、夏の草刈り作業のあとに飲む米サワー(これは今年ぜひ作りたい!)、春の山菜で作る朝ご飯とか……。そんな、地に足つけて暮らす人だけが知っている贅沢なメニューにあこがれます。
さてまずは汁物作りから。作中では一晩置いて味をなじませてたので、できれば前日から仕込むのがおすすめです。
作り方はコマのとおり、ざっくり説明されてます。材料からすると、けんちん汁っぽいものになるのかも。いち子は炭火ストーブの上で調理してて、それがまた雪国らしい風情があります。
材料の切り方は説明されてなかったので適当ですが、にんじん、大根は半月切り、ごぼうは厚めのささがき、長ネギは斜め薄切り、里芋は皮をむいて一口大、油揚げは熱湯をかけてから細切り、という感じにしてみました。
鍋に材料と水、酒、みりんを入れて火にかけます。普通は煮干しでダシをとってから……とか、順番が気になりますが、今回は作中どおり、野菜も乾物も豪快に全部一緒に煮ちゃいます。干し椎茸の戻し汁も入れてしまおう。
野菜類に火が通ったら、醤油としょうが汁で味付けし、しばらく弱火にかけます。味がなじんできたら、火を止めて一晩放置。
ここからは翌日の作業。チャパティに使った残りのひっつみ生地を引っ張ってちぎり、さらに薄くのばして鍋のなかに投入し、火を通します。
しばらく煮込んで、ひっつみに味が染みたら完成。
見た目はやっぱりけんちん汁っぽくなりますね。普通のひっつみは白っぽい色みたいですが、いち子のひっつみは全粒粉入りなので茶色く、油揚げと見分けがつかないw
食べた感想:
↑箸で持ち上げてるのがひっつみです。モチモチした食感と、全粒粉の香ばしさが美味しい。しょうがの効いた、根菜たっぷりの汁によく合います。こごえるほど寒い日に、こういう料理は体に染みるはず。
そういえば子どもの頃に読んだ絵本でも、雪国の光景に温かいスープはつきものだった気が。そんな童話的な世界も感じられました。
ウスターソース → チャパティ&インドカレー → ひっつみ と、食材をリサイクルしつつのリトル・フォレスト再現三部作(?)ですが、とりあえず一段落。次は季節にあわせて、春らしいメニューに挑戦してみたい!
コメント
コメント一覧 (14)
すごくバランスいいメニュー&おいしそうなので、すごいなあ、と思ってました[絵文字:i-189]
ダイエット……私もどうにかしないと。ヘルシーな漫画飯ってないだろうか……。
「美味しんぼ」のポテトボンボン、実は私も挑戦して失敗しました!w
山岡さんは超簡単そうに作ってたのにorz
使うポテトはメークインがいい、とか色々コツがあるらしいので、いつか再チャレンジしてみたいです。
五十嵐先生の件、わざわざ調べていただいてすみません! wiki読むと岩手以外にも各地を旅行していた時期があったようなので、福島にも滞在されてたかもしれないですね~。しかし今も携帯持たない生活をしてるって、カッコイイなあ。
ホントはもっとがっつりしたものが好きだったりします(笑)
「プクーン」はやっぱり憧れますよね!
美味しんぼのポテトボンボンを再現しようとして膨らまなかった時以来の
ガッカリ感でした(笑)
岩手と間違っていたらすみません・・・!
umebonさんのレスをみて、記憶違いだったら申し訳ない!と思い、調べてみるももう何年も前の記事なので見つかりませんでした;;
たしか福島の地域広報誌のインタビューに答えていた記事だったかと・・・。
ちぃころさんの毎日のご飯の写真付きつぶやきが、たまらんと思う今日この頃です[絵文字:e-420]
ひっつみとチャパティは、全粒粉入れるとほんとに香ばしくなっておすすめです!
チャパティ、やっぱり失敗されましたか;
風船みたいに膨らまなくても十分美味しいんだけど、やっぱりどうにかして「プクーン」をこの目で見てみたいw
「リトル・フォレスト」は、五十嵐先生の生活体験がベースになってるらしいですね(作中では岩手みたいなこと書いてたけど、福島でも生活されてたのかな?)。ただのエッセイ漫画じゃなく、詩的な雰囲気もあって、ほんとに奇跡みたいな作品だなあ、と読み返す度に思います。
春の美味しそうなメニューもいくつかあったので、旬の材料が出回ってるうちに作ってみますね[絵文字:e-267]
わぁ、ひっつみも作られたんですね!
全粒粉なのがまた美味しそう~。
そうそう、チャパティは昔わたしもチャレンジしてみました!
・・・が、マンガのようにプクーッとはならず。残念でした;;
横レスで申し訳ないですが、確か作者の五十嵐先生は福島で自給自足生活を送られていたはずなので、「ざくざく」そのものなのかもしれませんね。
春らしいメニューも楽しみにしております♪
はじめまして、コメントありがとうございます!
深夜食堂のタイアップ商品は、ファンとしては夢みたいな企画でした。またやってくれないかなあ(あとドラマも第二弾やってくれないかな・・・)。
美味しんぼやクッキングパパは、ほんとに老若男女誰でも楽しめる料理漫画ですよね。
料理は工程を詳しく書いてると、失敗したとき誤魔化しできないよな……と毎回緊張しながら作ってますw
はじめまして、コメントありがとうございます!
料理もそうですが、紹介してる漫画も個人的におすすめのものばかりなので、「読んでみたい」と思っていただけると、すごく嬉しいです。
意外とチャレンジしやすい手軽な漫画飯も多いので、ぜひ作ってみてください!
twitterフォローありがとうございました[絵文字:e-420]
(あ、でもSさんがどのアカウントかわからなかったので、お時間あるときでも教えてくださいー!)
スイトンって、たまに食べるとしみじみしますよね。
個人的に小麦粉より、全粒粉のほうが風味があって美味しかったです。ぜひお試しください!
ファミマで売ってた漫画とタイアップ商品の漫画が気になって検索して
ここにたどりつきました (深夜食堂でしたね)
美味しんぼやクッキングパパも好きなんで
いつも漫画でみてた料理の作り方や写真が分かりやすく載っててとても面白いです
参考になります!
とてもおもしろいです。
つぎつぎ作りたくなってしまう。
まんがも、読みたくなってしまう。
トラックバック、させていただきました。
すいとんが好きなので一度味わってみたいなぁ。
あ、早速ツイッターでフォローさせていただきました。
よろしくです^ー^
はじめまして、コメントありがとうございます!
漫画と食べることが好き、というすごい安直な理由ではじめたブログですが、実際に作ってみるといろんな発見があって面白いなー、と思う日々です。
ぼちぼち続けていきますので、またぜひお越し下さい!
はじめまして、コメントありがとうございます!
会津の「ざくざく」調べてみましたが、確かに見た目が似てますね~。
ざくざくも具たくさんみたいですが、やっぱりスイトン的なものも入るのかな?
郷土料理、奥が深いなあ。
なにより実際作ってみるってのがすごいです。
またよらせていただきます
何だか会津のざくざくに似てますね