和食店なんかに行くと、しゃぶしゃぶとすき焼き、両方そろえている店も多いですよね。こってりしたものが食べたいならすき焼き、あっさりいきたいならしゃぶしゃぶって感じでしょうか。
ここで「すき焼きもしゃぶしゃぶも、肉本来のうまみを台無しにする料理だ」と言い切るのが、「美味しんぼ」5巻のエピソード。
そして最高の牛なべ料理のアンサーとして出てくるのが、この「シャブスキー」です。
※【コマ引用】:「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ/小学館)5巻より
「魯山人風スキヤキ」をアレンジしてしゃぶしゃぶとすき焼きのイイとこ取りをしたこの料理、ポイントは肉の煮方とつけダレにあるようで。下準備さえすれば、意外と再現しやすいかも……?と思い、作ってみました。
つけダレの準備:
鍋に日本酒一升と梅干10個を入れ、弱火で7分目くらいまで煮詰めます(今回はその半量くらいで再現。梅は小粒だったので15個くらい入れました)。その後、梅を入れたまま1日寝かせます。
1日経ったタレがこちら。ちょっとなめてみましたが、梅の香りと酸味がさわやかで、これは期待できそう。
上記の梅タレと、出汁、醤油を混ぜてつけダレを作ります。配分は特に書かれてませんが、今回は梅タレと出汁を半量ずつ、そこに醤油を少々、という感じにしました。
鍋の準備:
カツオ出汁はたっぷり用意し、酒を振って軽く煮立たせます。豆腐とネギは鍋に張る出汁の深さにあわせ、高さをそろえて切っておきます。
しゃぶしゃぶ用の肉は、食べ比べ用に脂身が多いものと、赤身中心のものを用意しました。
鍋にカツオ出汁を入れ、沸騰しないように注意しながら火にかけます。肉を一枚ずつ広げて入れ、全体が桃色になったタイミングで引き上げていただきます。
食べた感想:
正直、肉の煮方に普通のしゃぶしゃぶとの劇的な違いは感じませんでしたが、この梅タレはすごくいい! ポン酢よりも柔らかな酸味で、梅の香りがふんわりして、肉が進みます。
以下、雄山先生のご高説を拝聴しましょう。
※【コマ引用】:「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ/小学館)5巻より
初期の先生にしては珍しくベタぼめ! 美味しいもの食べたとき、こんな論理的な口調になる人もあんまりいないと思う。
肉ばかり食べてて忘れかけてましたが、豆腐とネギも美味しかったです。
※【コマ引用】:「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ/小学館)5巻より
しかしこの話の最後で、晩酌をキメながら「士郎の奴……」とひそかにほくそえむ様子は、「美味しんぼ」における雄山先生の初デレシーンじゃないでしょうか。
アニメ版では「ムハハハハハ」と悪代官的高笑いで終わってた気がしますが……。
コメント
コメント一覧 (16)
はーさん
(遅い返信で申し訳ありません)
やはり煎り酒と同じだったのですね。
いま食べても美味しいしいろいろ使えそうなのに、なんですたれてしまったのでしょうね…醤油が普及しちゃったからなのか、気になります。
つけだれの作り方を見ていてもしやと思ったら煎り酒そのものでした。どうも江戸時代に醤油の代わりに使われていた調味料のようですね。代用するにはコストが掛かるのが難点ですが(笑)
こういう背景のある調味料とわかった上で漫画に登場しているのか、興味深いところです。
さらなるアドバイスありがとうございますmm
しゃぶしゃぶは奥が深い・・・。
随分と亀なレスですが、私は少々、厚い肉と煮えきらない程度の高めの温度は正しい
と思いますよ、雄山自身が言うステーキのレアと原理は同じなんでしょうし。
むしろ低い温度で薄い肉を煮れば、火の通り過ぎか生煮えのどちらかでしょうし。
なるほど、素人料理での完全な再現はやはり難しいのですね…。
アドバイスありがとうございました!
温度はふつうのしゃぶしゃぶよりも10度ほど低めでやらないと意味ない
基本的に肉の火の通しかたが難しいので
だれでもできる料理ではない
この検証は失敗だお
はじめまして、コメントありがとうございます!
学生の時から美味しんぼ再現されていたなんてすごいですね!(私は恥ずかしながら、料理デビュー自体遅かったもので・・・)
美味しんぼは敷居が高い料理だけでなく、たまに作りやすそうなものも出てくるのがいいですよね。
こちらこそ、昔の記事にお言葉いただけてうれしかったです^^
友人のFBに引用されていてたどり着きました。
中学か高校時代に家でローピンとシャブスキーを作った記憶があり、もしやと思って探したら2つとも出てきて大変懐かしく感動しました。最近はマンガに刺激されて料理することはなくなりましたが、ブログ拝見して参考にさせて頂きます。
ずいぶん前の記事ですが、あまりに嬉しかったためコメントさせて頂きました。
はじめまして、コメントありがとうございます!
15年ものの塩辛を育成中とは……!
冷蔵庫を買い替えるくらいの期間ですよねw でも美味しいんだろうなあ…。
来年まで我慢といわず、ぜひぜひ15年達成してください!
ハンドルネームの「荒川さん」って、東西新聞社文化部のあの荒川さんでしょうか…?
なにげに、栗田さんに負けないくらい美人ですよね。お目が高い……!
勝負めしだと極道めしぽい気もしますが w
15年経った塩辛が最高だと描かれていたので、本当に熱海で買った(漫画は伊豆松崎)イカの塩辛を現在、冷蔵庫で寝かせてます w
いま2年目ですが来年まで我慢して食べません w
いつも楽しく拝見させていただいてます
がんばってください
はじめまして、コメントありがとうございます!
作るまでは敷居が高いものと思ってましたが、いざやってみると意外と日常生活のなかで出来る&楽しい、ので続けられる趣味になったのかもしれません。
今後も細く長く続ける予定ですので、よろしくお願いしますm_ _m
そんなに多くはないでしょうね。参考になります。
はじめまして、コメントありがとうございます!
先日のトラックバックで、実際にチューダーパーティを開催された記事を拝見して、感動しました[絵文字:e-267](ブログのほうにコメントさせていただきたかったのですが、日々の些事に追われてタイミング逃してしまい…[絵文字:e-263])
トキワ荘のように大勢で開催されたというのが、またうらやましかったです(うちは2人で寂しく開催したのでw)!
美味しんぼのアニメ、やっぱりあのツンデレシーンは実在したんですね!
子供心に「ややこしい人だな…」と思った記憶がありますw
ちょうど今週、アニメ再放送がありました。劇末の海原雄山の台詞は「(つまみ無し日本酒あおり状態で)士郎のやつめ・・・フフハハハハ、ハハハハハ」でした。ご指摘の通り、初デレに輪をかけた演出かと思います。
おおー、これも再放送されてたんですね!
もしかしたら見落としてるエピソードがあるかもしれませんが、私の記憶ではこれが初デレかも?
雄山先生……これまで単なる癇癪じじいだったのに……!と萌えましたw
ニンニクスープの回、私も覚えてます! あれもシンプルで美味しそうでしたよね~。
美味しんぼ、ドラマ化もいいけどもう一回アニメ化もしてほしいなあ。
時々気になる題名の時に観てるんです(^^)
うちではあまり牛を食べないのですが(苦手で・・)
これはかなり気になりました!
ニンニクと牛脂のスープ(スランプの野球選手の回)は
実は私のお気に入りです!
初デレ!そんな貴重なシーンだったとは♡