メールやコメントで、たまにおすすめのマンガを教えていただくことがあります。元々マンガの趣味が偏りがちな自分にとっては、貴重な情報源としてありがたい限り。
きくち正太先生の「おせん」も、おすすめいただいた作品のひとつです。
老舗の料亭「一升庵」の名物女将、半田仙こと“おせん”を主人公にした粋と和食の人情ドラマ。ちょっと前に蒼井優ちゃん主演でドラマにもなってましたよね。
おせんさんは、女性版海原雄山……といったらすごい語弊がありますがw、陶芸も料理も美意識も超一級。
そのため出てくる料理は、素人では真似しにくいものも多いですが、なかには比較的挑戦しやすそうなものもあります。 8巻に出てくる、このハンバーグもそのひとつ。
※【コマ引用】「おせん」(きくち正太/講談社)8巻より
米国人教授との不倫を勘違いされ、その娘・スージーを預かることになってしまったおせんさん。
洋食しか認めないスージーに振り回されつつ、最後に納得させたのがこの和風ハンバーグです。
普通のハンバーグとどこが違うかというと、市販のミンチ肉を使わず、牛肉の色んな部位を集めて包丁で細かくたたいて作る点。うーん、聞くだけでおいしそう。
というわけで、今回はもも肉、すね肉、ミノ、タンをそれぞれ3:3:2:2くらいの割合で購入。
合計グラム数が人数分×150gくらいになると丁度いいかも。当然ですが、普通にミンチ買うよりもかなり高くつくので覚悟が必要ですorz
肉に取りかかる前に、まずは付け合わせの準備を。 玉ねぎは薄くスライスして水にさらします。菜の花は塩を入れた熱湯でさっと茹でて水気を絞り、醤油&みりんで味付けした出汁に浸しておきます。
生わさびはすりおろして、香りが逃げないようにフタをしておきます(2巻のお茶漬けにも出てきたテク)。
付け合わせの準備ができたら、いよいよ肉のスプラッタタイム。 肉は繊維に対して直角に千切りし、そのあとタテに切って粗いみじん切りにします。
その後、肉を包丁でとにかく親の敵のように叩きまくります。ミノがしぶとくてなかなか切れませんが、気合いと根性で乗り切ります。
※【コマ引用】「おせん」(きくち正太/講談社)8巻より
おせんさんは包丁を出刃に持ち替えて、しかも二刀流。 このスージーちゃんとの息のあった調理シーンは、ミュージカルみたいですごくかわいい!
肉の粒が残るくらいにして、小麦粉少々、みじん切りしたネギ、すりおろしたショウガとニンニク、塩コショウと一緒にボウルに入れ、粘りが出るまでよく混ぜます。
強火に熱したフライパンに牛脂で油を引き、手のひらで打ち付けて空気をぬき、形を整えたハンバーグを投入(中央にくぼみをつけると火が通りやすいです)。
片面が焼けたら裏返し、弱火にしてフタをし、蒸し焼きに。 串を刺して肉汁が透明になっているか確認し、仕上げに強火で日本酒を入れてアルコールを飛ばします。出来上がったハンバーグはお皿へ。
残ったフライパンの肉汁に、みりんと醤油を入れてひと煮立ちさせ、レモンをたっぷり搾ったらソースも完成。
皿に菜の花の煮浸しを盛り、ハンバーグの上には玉ねぎスライス。さらに生わさびを添えて出来上がりです。
食べた感想:
「ハンバーグ」じゃなく、「ハンバーグステーキ」と呼びたくなるような食べ応えです。
普段のうちのハンバーグは合い挽きでつなぎも入れるのでふんわりした感じなのですが、これは弾力があって肉の味がしっかりしてます。
ところどころ、たたき残したミノやタンの粒が残って、ほんとに粗挽きソーセージみたいな食感。 これにレモン風味の醤油ソースと生わさびがまた合う! いや、ほんとに美味しかった。
手間はかかるけど、それだけの価値がある味でした。おせんレシピ、ハマってしまいそうです。
コメント
コメント一覧 (4)
この再現をするまで、「ひき肉って自分で作れるんだ…!」と知らなかったので衝撃でした@@
これもきくち先生のエッセイで読んだのですが、マーボー豆腐も叩いた肉で作るとすごく美味しかったです。
おせんのドラマ、きくち先生にとっては残念な結果だったみたいですね……(私は見たことないからどうとも言えないけど、おせんがメガネかけてないのはいただけないw)。
新章もスタートしたみたいだし、いずれそっちも追っかけたいと思います[絵文字:e-420]
ミンチを自分で作るって、今回初めてだったんですけど、ほんとに市販のとは全然違う味になるのでびっくりしました。肉汁の出も違いますね!
でも台所で包丁を激しく叩きつつ振り回す様は、傍目から見たら怖かったかもw
タルタルステーキもおいしそうですねー!(牛刺しとか馬刺しとか、生の肉大好き)
自宅でも作れるのか~。新鮮な肉が手に入ったらやってみたいなあ。
おせんレシピ、素人には難しそうなものが多いですが、少しずつ挑戦していきたいです[絵文字:e-68]
おせんは昔から好きでTVドラマも期待したんですが・・・。
いや、やはり難しいんでしょうね。いろいろと。
そんなこんなで連載終了して・・・。
でも終わったと思っていたマンガの続きがどうやら再開したようで
先日レンタルにあって借りて読んだばかりでうれしいところです。
合挽きってお手軽なのですがやはり食感を求めると
今回の方法が自分の求める状態にできていいんじゃないかと。
ぎょうざの時には書かなかったんですがあの時もどちらかというと
今回の粗引きっぽいお肉のほうが個人的にはいいと思うんですよね。
合挽きはどうしても肉団子みたいな食感になってしまうので・・・。
自分に言い聞かせるようにやはり手間を惜しんではいけないと(笑)
赤身肉だけ同じようにしたのがタルタルステーキ?だったと思うんですが
これがまた牛肉の甘みが堪能で来て絶品なんですよね。
馬肉でも同様に作るともう表現ができないほどおいしかったですよ。
機会があれば試してみていただきたいです。
おせんレシピこれから期待していますよ!!