島本和彦「アオイホノオ」 パンの耳

ここ数年は漫画界にエポックイヤーが続いたせいか(マガジンとサンデーの50周年とか手塚治虫生誕80周年とか色々)、いわゆる“まんが道”なバックステージものの作品がすごく多いですね。

代表格としては「バクマン。」「青春少年マガジン」、そして今回ご紹介する島本和彦先生の「アオイホノオ」。




時は80年代、大阪芸大で漫画家を目指す(※3巻までは実質何もやってない)大学生、焔燃(ほのお・もゆる)の青春ストーリー。

島本先生の学生時代がベースになってるだけあって、同大学出身の庵野監督とか有名人が実名で続々登場するのも見どころです。

2巻で、何故かホノオになつく同じ大学のボーイッシュ系美少女、津田さんが遊びに来た際振る舞ったのが、この“一週間経ったパンのはじっこ(withジャム)”。

一袋10円で売り出されるパンの耳を一週間かけて食いつなぐ、というホノオの食生活に
体にいいの? そんなのばっかり食べてたら!
と突っ込む津田さん。それに対して、
島本和彦「アオイホノオ」2巻より
※【コマ引用】「アオイホノオ」(島本和彦/小学館)2巻より

「パンのはじっこというだけで―― パンと同じだろ!?」
この無駄に力強く断言する島本先生節が大好きだ!!
さらにさらに、
「一週間経つと、このパンの耳が……パサパサになってさ… まるでパイ生地のような食感になるんだ…」

これも集中線を浴びて言うセリフじゃないと思いますが、やっぱり大好きです。 島本和彦「アオイホノオ」2巻より
※【コマ引用】「アオイホノオ」(島本和彦/小学館)2巻より

勧められるがままに食べた津田さんも「おいしい!」「ストロベリーパイみたい……!!」と絶賛。

俺しか知らないよ、これ!!」と得意げになるホノオ。

……若さって、バカさだな、としみじみ思うシーンです(大好きです)。


これ、読んだ当時からずっと試したかったんですが、夏場にパンの一週間放置プレイはさすがに危険すぎるので、乾燥する冬まで待ってました(わしもアホや……)。 
島本和彦「アオイホノオ」 パンの耳 
↑こちらが購入してから一週間経って、カッチカチになったパンの耳でございます。釘は打てそうにないですが、空手で割るのに丁度いいくらいの固さになってます。

これにいちごジャムをのっけて、いただきます。果たしてストロベリーパイになってるんでしょうか。

島本和彦「アオイホノオ」 パンの耳 
食べた感想:
 パイというより、ラスクとかビスケットの食感に近いですが、確かにサクサク! 特に耳のはじっこが美味しい。おやつとして、意外といけます。

しかし賞味期限無視しまくりのメニューなので、当たり前ですがお腹の弱い方にはおすすめできませんw

新しいパンでも、低温のオーブンでじっくり焼けば、もしかして似た感じになるかもしれないですね。




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