正月気分も抜けきれない時期にやるネタじゃありませんが、花輪和一先生の「刑務所の中」の春雨スープを作ってみました(↑関係ないけどこのランチョンマットの柄、花輪先生の描く背景ぽくていいなと思ったw)。
※【コマ引用】「刑務所の中」(花輪和一/青林工芸舎)より
刑が確定し、拘置所から刑務所での共同生活に入った主人公。「極道めし」でも描かれてましたが、どの受刑者も食事の時間が一番の楽しみになるようで、大の男たちが献立の内容に一喜一憂する様は悲しくもおかしい。
春雨スープは、とある日の夕食のメニュー。この作品の名ゼリフ(?)のひとつ「ビューだよ ビューだよ」はここで出てきます。
ちなみにこの「ビュー」って、ずっと刑務所内の内輪的な言葉だと思ってたんですが、実は北海道の一部で使われてる方言らしいです(リンク先によると「最高」「素敵」という意味らしい)。
【用例】左:ビューな春雨スープ/右:ビューじゃない春雨スープ
※【コマ引用】「刑務所の中」(花輪和一/青林工芸舎)より
作り方:
作中にレシピはない(当たり前か)ので、以下は自己流&適当な再現です。
白菜・人参は千切り、椎茸は薄くスライス。あと、なるとはビジュアル的に是非用意したいところ。
鍋に油をひいて豚コマを炒め、色が変わったら野菜と椎茸を投入してしんなりするまで炒めます。
鶏ガラスープと酒を加え、アクを取りつつしばらく煮込みます。ウェイパー、醤油などで味付けし、ぬるま湯で戻した春雨となるとを入れ、さらに煮込んだら完成。好みで仕上げにごま油をたらしても。
食べた感想:
ビューだよ、ビュー!(←言ってみたかった) 八宝菜的な食べやすさで、あっさりして美味しい。
しかし初めて知ったけど、春雨って放置しておくと、どんどんスープを吸っちゃうんですね。数十分置いただけで、汁気がほとんどなくなってびっくりしました。
ということは、作中の「ビュー」だと喜ばれた春雨も、元の分量が多いというより、実は時間が経って麺が膨張しちゃっただけなのかもしんない……。と、夢のない想像でオチます。
コメント
コメント一覧 (4)
はじめまして、コメントありがとうございます(返信が遅くなってすみません!)
もしかして、関連の施設にお勤めなのでしょうか?
春雨について消費期限の都合説、なるほどですw
日本の刑務所や留置所のご飯の美味しさはたびたび耳にしますが、厳しい予算のなかでやりくりされているスタッフの方々のおかげなんですね。
貴重なお話いただけて興味深かったです^^
…失礼しました。
初めまして。楽しく拝見させていただいています。
「刑務所の中」は,個人的に大変興味深い作品です。
確かにレシピは各施設ごとに独自のものがあるので,外からは推測するしか
ないのですが,実際にはシイタケは乾物,スープの素は業務用の粉末中華
スープが使われていると思います。
そして,春雨の量がなんだかとっても嬉しい方向に変化したのは,ご賢察の
とおり汁気を吸ってのびてしまったか,もしくは春雨の在庫の消費期限が目前
に迫っていたので,残りを全部使い切りたかったか,どちらかだと…(^^;
予算が1円単位まで決まっているので,材料も調味料もいかに効率よく使い
切りつつ,そこそこ美味しいメニューを作るか。
毎月毎月の悩みどころです。(ワタクシの職場は花輪氏の入ってた施設より,
断然小さい施設ですけれども)
妹尾河童さんのピェンロー!
私も2、3年前にハマって、何度か作ったことありますw あれ、シンプルなのにほんと美味しいですよね。また食べたくなってきた……。
春雨スープの味ですが、確かに太平燕に近いかも! 九州で何度か食べましたが、太平燕も美味しいですよね~。何で全国的にメジャーにならないんだろ、あの料理。
ナルト、そういえば最近ラーメンのなかに見かけないかも。甘さが邪魔、というのは何となくわかるかも……。でもシンプルな醤油ラーメンには、やっぱり乗っていてほしいなあ。というか、麺類以外で活躍してるシーンを見かけないですよねw
妹尾河童氏ご推薦の旨さ爆発の鍋物「ピェンロー」でした。
でもこの春雨スープはどちらかというと味は
長崎の太平燕に近いんでしょうかね。
兎にも角にも、汁物のナルトって、何でこんなに素敵なんだろう。
そう思って見入ってしまいました。
しかし最近、ラーメンにナルトが入っているのを
見かけなくなりましたね。
頑固なラーメン屋の店主に
練り物の甘さが邪魔なんだよっ!とか思われていそうです・・・。
店屋物のラーメンには必ず入っていてくれるのが嬉しいですね。