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「週刊モーニング」2019年38号、島耕作氏が相談役になったのもニュースだけど、「きのう何食べた?」でケンジと佳代子さんが12年越しに対面を果たしたのもニュースである。

というわけで単行本前のフライングですが、夏野菜が終わってしまう焦りもあって再現しました。

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※【コマ引用】週刊モーニング 2019年38号「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)より

(以下はネタバレなので避けたい方はスルーしてくださいませ)

スーパーの前で小玉すいかを買おうか迷っていた佳代子さん。隣に立った金髪ヒゲ男子が、彼女がシロさんにあげたエコバックを持っていることに気づきます。

彼こそつねづね話に聞いていたシロさんの恋人・ケンジだと確信。しかし突然のことに気が動転して、その場を立ち去ってしまいます。

一方でケンジも、もしかして彼女こそシロさんの主婦友「佳代子さん」だったのでは……と気になっていたようです。

ちょうどかかってきた電話で確認したところお互いにビンゴで、ついに食事会をすることに。シロさんと佳代子さんが知り合ってから、なんと12年越しの初対面!

「そっか、意外に今まで会ってなかったのか」と長年の読者も驚くと同時に感慨深い瞬間です。

エックスデー当日、佳代子さんが用意したメニューがこちら。

・夏の終わり天ぷら(グリーンアスパラ、みょうが、なす、ズッキーニ、とうもろこし、アジ)
・たこめし
・わかめときゅうりの酢のもの
・しじみのみそ汁


だって筧さんが話してくれてから12年経ってやっと筧さんがずっと話してたケンジさんに会えたんだもん
ちょっとしたお祝い気分だったのよねえ お父さん!

というセリフのとおり、富永家のワクワクっぷりが伝わってくるような、特別すぎないご馳走感のある献立です。

作り方:※分量は作品を参考にしてください
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まずはたこめしから(写真は土鍋ですが、作中では炊飯器です)。といだ米の上に薄切りにした茹でたこを乗せて、出汁・醤油・酒で炊き上げる。

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炊きあがったら千切りショウガを混ぜ込んで完成。

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わかめときゅうりの酢の物。
特にレシピはありませんでしたが、シンプルに塩もみしたきゅうりと戻したわかめを三杯酢であえただけです。

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ここから天ぷらの準備。
なすとミョウガは縦半分、ズッキーニは半分に切って縦4等分、アスパラは半分。生トウモロコシは包丁でこそいで粒をとり、天ぷら粉をまぶしておく。

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アジはフライ用の開きを用意する。
フライ用に処理されたものが売ってなくて、店頭で開いてもらったんですが、作中のものと比べたらずいぶん大きなサイズになってしまった。もしフライ用が見つからなければ、小さめの三枚おろしの半身を2枚使う形でもいいかもしれない。

開いた中に、大葉を5枚ほどたっぷりはさんでおく。

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天ぷら粉は市販のものを使います。袋の表示どおりに溶いておけばOK。
順次揚げていきます。まずは野菜からで、アスパラ→ズッキーニ→みょうが→なす→とうもろこし、と続いて、アジは最後に。

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とうもろこしはちょっとコツがいります。
粉をまぶした粒に天ぷら液をつけ、スプーンですくってひと口大のかき揚げにします。

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このとき、油の温度を一度しっかり下げておくと、タネを入れたときにバラバラになりづらいです。その後温度を上げて、中までしっかり火を通します。
(温度を上げたり下げたりが大変なので、トウモロコシは一度で揚げてしまうほうがいいかも)

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最後にアジ。今回はサイズが大きいので、爪楊枝で止めて揚げました。

いろいろ並べていただきます。
天ぷら用に、天つゆ&大根おろし、塩&レモンの2種類を用意。
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シロさん家の晩酌献立はアサヒビールが描かれてた気がするけど、佳代子さんちはキリンビール派っぽいですね。

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高価な食材なんて何もないのに、何だろうこのあふれるご馳走感は。

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アスパラとミョウガ。

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ケンジの好物と聞いて、佳代子さんがたくさん揚げておいたなす。

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ズッキーニの天ぷら。佳代子さんのいうとおり、ほろ苦さが天ぷらにぴったり。

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白眉はとうもろこしのかき揚げ! 甘くて香ばしくて、いくらでも食べられる禁断のスナック。

冬野菜ももちろん好きだけど、買うときも作るときも食べるときもテンションが上がってしまうのは、やっぱり夏野菜だなあ、とあらためて思う。今年も美味しかった、さようなら、また来年……。

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そして想定以上にビッグサイズに仕上がってしまったアジの天ぷら。
でもその分ジューシーに仕上がったのでよしとする。たっぷり入れた大葉がさわやかで、レモンをキュッと絞って食べると、たくさん揚げ物を食べたあとでも美味しい。

4尾分も揚げてしまったところさすがに食べきれず、翌日はおろし煮にしてみたけど、これも美味しかった。

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たこめし。まるで赤飯みたいなきれいなピンク色! お祝いの献立にいいかも。

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タコはイカと違ってあまり主張はしないけど、その分しょうがをたっぷり入れているのでふんわり香る炊きこみご飯に。

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「天ぷらにはやっぱりしじみ汁」とは佳代子さんの言葉ですが、たしかに天ぷら屋さんでしじみが出ると安心する。寿司には赤だし、トンカツにはなめこ汁がマイベストなのですがみなさまはいかがでしょうか。

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きゅうりとわかめの酢の物。揚げ物メニューに酢の物があると「もう大丈夫」という安心感がある。

ちなみにシロさんがこの日持参したお土産は、シャインマスカット。
天ぷらのときは手の込んだお菓子より、フルーツが一番のデザートですもんね。特に我々中年は胃もたれもあって、年々フルーツ大好きっこになっていくのだ…。

待望の対面、そしてあらたなつながりができた日。
一方でシロさんが無意識に垂れ流した「12年分の個人情報」のおかげで、ケンジが「初対面の富永家が自分の情報をほとんど把握している」ことにドン引きする場面が、人間関係あるあるで面白かったです。

しかしお付き合いの長さもあるとはいえ、シロさんにいつの間にかここまで心を開かせた富永家もすごいよな…と思うのでした。