「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠)のアイス弁当

「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/講談社)3巻より
※【コマ引用】「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/牛次郎/講談社)3巻より

夏が、夏が終わってしまう…。
海にも山にも祭りにも行かず、スイカも一度しか食べず、そもそもまだ休暇自体とってない。このままでは玄関で連日死んでいたアブラゼミの光景だけが2019年度夏の記憶として残ってしまう。

中年だって高校球児のように「やり切った夏」感を得たい。そうだ、自由研究的な何かで。
というわけで、ずっと作ってみたかった「スーパーくいしん坊」メニューに挑戦してみました。3巻の「涼味弁当」のエピソードに登場するアイス弁当です。

空き地を立ち入り禁止にされてしまい、野球ができなくなった子供たちのためにひと肌脱いだ香介。相手の地主は相当な美食家で、
・この場で料理をつくらぬこと
・手軽に食べられること
・高価な材料はつかわぬこと

という3つの条件で「うまい」と言わせる料理を作れば空き地を開放する約束を取り付けます。

そこで香介が考案したのが、このアイス弁当。
氷で作った容器に、ソーメン、ツユ、マスカット、白玉、サラダ、コンソメスープが詰まった涼感あふれる弁当。

「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/講談社)3巻より
※【コマ引用】「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/牛次郎/講談社)3巻より

この再現、言うまでもなく要となるのは氷の弁当容器です。

作中でも容器を作る工程が簡単に描かれていますが、大きなバットに水を張り、そこに各種容器を配置して凍らせて型取りする、というもの。工作感あふれる!
「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/講談社)3巻より
※【コマ引用】「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/牛次郎/講談社)3巻より

簡単そうに思えましたが、考えてみれば私の工作スキルはわりと残念な方だった。週末をつぶし、ようやく成功したのは3度目。

まずしょっぱなやらかした失敗Ver.がこちら。
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穴、貫通してるやん…。
当たり前体操すぎて書くのも恥ずかしいですが、水を張って容器入れてそのまま凍らせたらこうなるのである。

作中のコマをよく見ると、型取り用の容器に水を入れて浮かせることで調整しているようですが、位置は安定させられないし、陶器などの重い容器だと沈んでしまうし、香介の手法をそのまま実践するのは難しそう。

そこで二段階に分けて凍らせることにしてみた。
まずは容器に数センチ分の水を張って冷凍庫へ。

しかし今度は冷凍庫の冷却強度を上げすぎたせいか、冷風が一か所に集中して発砲スチロールの容器が破裂する事態に。

週末の時間を無駄にし続けもうおれはだめかもしれないと絶望しつつ、冷凍庫の設定を見直して再チャレンジ。
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ようやくうまく凍りました。

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この氷の上に、型取り用の容器を並べてさらに数センチ水をはります。軽い容器だとぷかぷか浮いてしまうので、重しを入れて調整。

これを再度冷凍庫で凍らせてる間に、弁当の中身を準備。
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まずは具入りの白玉から。

白玉粉に水を足してこねて生地を作っておき、下記の4種類の具を包んでいきます。
・ひき肉…鶏ひき肉にしょうが、しょうゆ、酒をくわえてよく練る
・ギョーザの中身…豚ひき肉にみじん切りしたニラ、キャベツ、しょうが、しょうゆを加えてよく練る
・ウナギ…ご時勢的に(そして予算的に)今回は煮あなごで代用
・納豆

それぞれ少量でOKです。

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白玉を丸くまとめたら、沸騰したお湯でゆで、浮いてきたらさらに3分ほどゆで、冷水にさらしてザルにあげる。

あとのメニューはわりと簡単です。
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サラダは想像ですがポテトサラダに野菜各種。
そうめんのつゆは、めんつゆにすりつぶした梅だれを加えたもの。

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そうめんは直前にゆでて冷水でしめておく。
(今回初めてやってみたけど、そうめん束の片側をタコ糸で縛ってゆでると、盛り付けがキレイに仕上がります)

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第二陣の冷却が完了しました。

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氷ガッチガチに固まってるけど、どうやって容器外せばええんや……と途方に暮れましたが、室温にしばらく置いておくとするっと外れます。氷が解けすぎちゃった場合は、冷凍庫にもう一度突っ込めばOK。

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容器から外した状態がこちら。おおー、涼し気。というか氷柱みたいなもんなので、周辺にいると実際ちょっと涼しい。

各種盛りつけて完成です。
「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠)のアイス弁当
アイス弁当、と楽し気な名前だけど、献立は案外渋いんだぜ。

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ただのそうめんも氷の器に入ってるだけで、なんかむだに高級感あふれてる。

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キンキンに冷えた梅だれめんつゆで食べると、いつもの3割増しくらい美味しい。
地主も「冷水に入れたそうめんと比べて水っぽくない」という感想でしたが、確かにそうめんの冷たさがそのままキープされて、見た目だけじゃないメリットもあるのかも。

次は気になる3種類の白玉。
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ひき肉入りの白玉。

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こっちはギョーザの具入り。納豆、ウナギ(アナゴ)は写真撮り忘れてしまった。

高齢の地主でも、肉や魚を食べやすいように工夫されたこの具入り白玉。
もちもちの白玉は確かに食欲のないときでも箸がのびそう。
しかし私の味付けのせいで、どれもちょっとぼんやりした味になってしまった。冷たいものはどうしても薄味に感じるので、味つけをしっかり濃くすればよかった。

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めんつゆの下にはコンソメスープ。隣に備え付けられた氷のスプーンでいただきます。

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氷のスプーンは、ちょうどセリアにスプーンのクッキー型があったので型取りして作ってみたもの。

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が、氷同士のため容器にくっついて取れない……。

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こんなこともあろうかと予備に作っていたスプーンを使ってみる…が、すくえない! あとずっと持ってると手が凍傷になりそうでつらい! 
結局あきらめて普通のスプーンでいただきましが、雰囲気だけでも味わえたからよしとする。

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サラダです(あまり特筆すべきことなし)。

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凍らせたマスカット。ぶどうは凍らせておいしい果物のベスト3に入るな。

そして〆にはこの一杯。
「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/講談社)3巻より
※【コマ引用】「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/牛次郎/講談社)3巻より

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麦茶を凍らせ、溶けたところをいただくアイス麦茶。

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濃いめにいれたので、溶けてもしっかり麦茶。
これのコーヒー版(氷のコーヒーを牛乳で溶かしながら飲むやつ)、一時期喫茶店でちょいちょい見かけたけど、それの麦茶版という感じ。これも牛乳割りしても美味しいかもしれない。

水なしカレー三丼フライかぼちゃうどんといろいろ作ってきたけど、ビッグ錠先生の再現はやはり夢があって楽しいなあ、と再確認できた夏でありました。

※Amazonは中古コミックしかなかった…ebookjapanには電子書籍版があるようです。

スーパーくいしん坊 3巻 | 原作:牛次郎 絵:ビッグ錠(ebookjapan)