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講談社モーニングの電子版「週刊Dモーニング」をずっと購読していたのですが、ちょっと前に講談社のマンガ雑誌6誌が読める「コミックDAYSプレミアム」に乗り換えました。

古雑誌が溜まっていく問題で一時期よりかなり雑誌の購読数を絞ったのですが、電書だとそのへん気にしなくていいから快適。一方で単行本チェックだけだと出会えないマンガも多いし、やっぱり雑誌というレーベル的な存在はありがたい。

「ながたんと青と」も、そのなかで出会った作品です(掲載誌は「Kiss」)。

舞台は終戦後の日本。
京都の料亭「桑乃木」の長女、いち日(か)は戦争未亡人の34歳。
戦後は独身のままホテルの料理人として働いていましたが、傾きつつあった料亭を再建するもくろみで再婚させられることに。

婿養子として迎えたお相手は大阪の資産家の三男坊で、なんと19歳の学生・周。
歳の差15歳、政略結婚、性格も正反対。
ふたりの新婚生活は、波乱万丈の予感とともに幕を開けます。

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※【コマ引用】「ながたんと青と-いちかの料理帖-」(磯谷友紀/講談社)1巻より

案の定、年下らしからぬ不遜な態度と先進的な考えの周に、いち日のイライラは募るばかり。
しかし周は、妻の料理を食べてその才能を見抜き、料亭の再建にはいち日の腕が必要と考えるようになります。

ある日、GHQの接待の店に選ばれた桑乃木。しかし要人であるGHQのモーガン女史は「日本人が作った料理は食べない」とされ、料理人は用意するから厨房だけ借りたいといいます。

周は「一品だけ桑乃木側が作った料理を出す」ことを条件にこの話を受け、その料理をいち日に任せます。

突然の無茶ぶりに困惑しつつ、店の命運をかけていち日が考案したのが、この「トウモロコシアイスクリーム」。
モーガン女史が持っていた、故郷のトウモロコシ畑を背景にした家族写真。それをヒントに作ったデザートでした。

トウモロコシの香りがするアイスと、みたらし団子のソース。
和洋折衷のやさしい味のデザートに、頑なだったモーガン女史の表情もふっと柔らかくなります。

「ながたんと青と」は作中に独立したレシピ頁があって、このアイスクリームもちゃんと掲載されています(ありがたい)。
トウモロコシのアイスといえば、「ガリガリ君」に伝説のコーンポタージュ味なんてのもあったなあ……とどうでもいいことを思い出しつつ、盛り付けもおしゃれなこの一品を再現してみることしました。

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作り方:(※分量は作中のレシピページを参考にしてください)
アイスクリームの材料はトウモロコシ、卵黄、砂糖、牛乳、生クリーム。卵黄をかなりたくさん使うので、ちと勇気が必要です。余った卵白はひとつずつラップ&輪ゴムで包んで冷凍しておけば、なんとかなる、なんとかなる(自己暗示)。

生トウモロコシは粒を取り外しておきます。
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粒トウモロコシは一度塩ゆでします。その後ザルにあけ、牛乳と一緒に弱火で煮込みます。

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ボウルに卵黄と砂糖を入れてすり混ぜておきます。

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ここに煮込んだ牛乳&トウモロコシを少しずつ加えて混ぜます。
混ぜ終わったら再び鍋に戻し、火にかけます。

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煮立たせないように、常に鍋の中身を混ぜていきます。
サラサラのスープ状→トロッとしたポタージュ状→最後にモタッとしたシチュー状(写真)になったらOK。
粗熱をとったらミキサーにかけます(うちはハンドブレンダーでやりました)。

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ミキサーにかけたトウモロコシは目の細かいザルで漉します(漉したあと、トウモロコシの残骸が網に残りますが、これはパンに混ぜて焼いたら美味しかった)。

漉したトウモロコシに生クリーム、バーボンを加えて混ぜます。
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冷凍庫に入れ、フォークなどで数時間おきに混ぜて空気を含ませます。
(ホーローの容器に移し替えちゃったけど、ステンレスorアルミ容器のほうが早く固まってよいみたい)

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アイスを冷やしている間に、みたらし団子風ソースを作ります。
フライパンに砂糖を入れて溶かし、溶けたら(薄いキャラメル状に色づかせてもよさそう)みりんを加えます。ここに水(お湯のほうが砂糖が固まらなくていいかも)を入れ、混ぜながら醤油を加えて煮詰めます。

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仕上げに水溶き片栗粉を加え、とろみがついたら完成。

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冷めたらアイシング用のコルネに入れるとトッピング作業に便利。
アイスの器には粉砂糖を振っておきます。このひと手間がお店っぽくて素敵どすなあ。

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食べた感想:
ミルクと卵の味わいが濃厚ななかに、トウモロコシの風味がふわり。そんなに主張せず、優しく香る程度なのがなんとも上品。
醤油が香る、みたらし味のソースも意外な取り合わせ。「洋」でもなく「和」でもない味わいがクセになりそうです。

明治~昭和初期ってプロの厨房や家庭の台所で、西洋の食文化を試行錯誤しながらじわじわと取り入れていった時代で、料理シーンとしてはとても面白かったんだろうなあ。
このほかにも美味しそうなレシピもたくさんで、夫婦善哉×料理なところは「ごちそうさん」好きにもおすすめです。

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