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どこにも出かけず、家でゆっくりすると心に決めていた今年のゴールデンウイーク。
どうせならいつもより時間がかかる料理に挑戦したいなー、というときに思い出したのが「クッキングパパ」に登場する煮込みハンバーグ。

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※【コマ引用】「クッキングパパ」(うえやまとち/講談社)109巻より

金丸産業の江口君の隣席の同僚・ルリちゃんが結婚し、寿退社することに。
仕事仲間であり、プライベートをともにした友だちであり、そして片思いしてフラれた相手でもあるルリちゃん。

さまざまな思いがよぎるなか、江口は彼女に「心のこもったプレゼントをしたい」と周囲に打ち明けます。そこで荒岩課長が提供したのが、このハンバーグのレシピ。江口はルリちゃんの幸せを願い、披露宴でこの一皿を食べてもらうためにアパートのキッチンで奮闘します。

「クッキングパパ」はたびたび読者投稿のレシピが紹介されますが、実はこれもそのひとつ(和歌山県の読者さんによるもの)。
単なる読者参加回というだけでなく、「このレシピは、このストーリーだからこそ登場する意味がある」という説得力を感じたエピソードです。

なにせ料理名は「3日がかりのスペシャル煮込みハンバーグ」。準備も入れると、4~5日がかりになる超大作。大切な相手への精一杯のはなむけとして、これ以上の料理はないでしょう。

通常1ページにおさまるレシピページも、今回は見開き2ページにわたりびっしりと工程が書かれていて、「平時の週末では作れないな……」と、ずっとあこがれつつ手が出なかった料理。

しかし今年はじっくり在宅過ごせるゴールデンウイーク。
思い切って、この機会に挑んでみることにしたのでした。

準備: エノキを干す


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エノキを干します。これはソースに入れるためのもの。
今回は刻んでから干したけど、逆(干してから刻む)のほうが作業しやすかったかもしれない。
2晩干すと、右の写真のように茶色く色づき、水分が抜けてカサカサした状態になります。

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保存容器に入れておきましょう。

準備が終わったこでここから本番スタート。

1日目:玉葱地獄編


初日がある意味一番修行。
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今回は17個使ってみます。

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とにかく刻む。家にあるボウルが足りない。

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これをバターを溶かした鍋に入れてひたすら炒めます。
鍋ひとつでは間に合わないので、2コンロ体制で。

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この日、妹が遊びに来ていたので無理矢理手伝ってもらいました。

「え? こんなに大量の玉ねぎ炒めるの?」
「うん」
「何時間炒めるの?」
「6時間」
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「玉ねぎだけで6時間?」
「そう」
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「6時間もかける必要ある?」
「レシピに書いてるから」
「……市販のタマネギペーストとかチャツネでよくない?」
「確かにそれでいいかもしれない。でも……やるんだよ!」(by.根本敬先生)

やったのがこちら。
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今回は愚直に6時間かけましたが、かなり水分が抜けたので、もうちょっと前の状態で止めてもアリかも(4~5時間くらいで、かなりいい感じのペースト状になります)。

2日目:ソース&パテ作り


ひたすら玉ねぎと格闘する初日と比べて、やることが色々あって忙しくも楽しい日です。
(マンガでは、荒岩主任だけでなく金丸産業の仲間たちも総出でお手伝いに来ていましたね)
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10人分くらいになるので、材料も大量です。
トマト缶、デミグラス缶、ひき肉、牛肉切り落とし、長ねぎ、細ねぎ、ししとう、干し椎茸等々。

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まずはホールトマト缶をボウルにあけ、果肉をよくつぶしておきます。

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鍋にニンニクとオリーブオイルを熱し、つぶしたトマト缶を一気に入れます。
ちなみにこれはたぶんわが家で一番大きな両手鍋(40cmだったかな)。

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中華鍋でみじん切りしたししとう、長ネギをサラダ油でしんなりするまで炒め、これをトマト缶の鍋に投入。

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先日干したエノキ、ドミグラス缶を入れてよく混ぜ、バジル、オレガノ、塩を入れ、弱火で30分煮込む。

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この時点でやたらと美味しそう。

ソースを煮込んでいる間にハンバーグのパテを作ります。
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牛肉の切り落としを包丁でみじん切りし、豚ひき肉、牛ひき肉とあわせ、塩でよく練ります。

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細ネギのみじん切り、戻した干ししいたけのみじん切りを加えて……

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5~6cmくらいの小さ目のハンバーグにまとめます。コミックに書かれた分量だと、10個前後できました。
これをフライパンで焼き目がつくまで焼き、取り出します。

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ハンバーグを焼いた鍋に残った肉汁にトマトケチャップ、ウスターソースを加えて煮詰め、これをソースの鍋へ。

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きのう苦労して作ったオニオンペーストもここで投入。

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干ししいたけの戻し汁も忘れずに。

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焼いたハンバーグを入れて20分ほど煮込みます。
鍋底が焦げ付きやすいので、注意してかき混ぜましょう。ハンバーグがイモ洗い状態ですね……。

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毛布を2枚使ってくるみます(新聞紙6~8枚やバスタオル2~3枚でもOKとのこと)。
このダブル毛布保温、かなり効果があって一晩たってもまだぬくぬくでした。

3日目:仕上げ


3日目はほとんど手間かかりません。仕上げの煮込みだけです。
午前中、毛布にくるんだ鍋を取り出し、再度火にかけます。このときも鍋底が焦げないように注意。
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ソース全体がしっかり温まったら、再度フタをして鍋ごと毛布2枚でくるみ、夕方まで放置します。

完成


夕飯時になりました。食べる前に鍋ごと温め直したら出来上がり。
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大皿に盛ってみた。
3日おあずけをくらっただけに、めちゃくちゃ美味しそうに見える……。
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披露宴っぽくセッティングしてみました(楽しい)。
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やっと食べられるど~~~。
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食べた感想:
パン粉などのツナギなし、香味野菜とお肉だけのハンバーグはみっしりしていて、小さ目サイズでも食べごたえ十分。ふんわりやわらか食感、というよりも「ザ・肉」を主張してくるご馳走ハンバーグ。

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そして6時間かけたタマネギペースト、干したエノキなど、各種旨味がじっくり煮込まれたトマトソースは、期待にたがわぬおいしさ。「3日かけた」という苦労バイアスは多少あるにしろ、なんかすごい旨みだ……としか言えない。

ちなみにソースは大量に余りますが、ラップで小分けにして冷凍すれば、再びハンバーグのソースやオムライス、カレー、グラタンなどいろいろ使えて便利。苦労したソースだから、あますことなくお腹におさめたい。

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※【コマ引用】「クッキングパパ」(うえやまとち/講談社)109巻より

披露宴でこれを食べたルリちゃんが江口くんに向けた、この感謝と嬉しさと申し訳なさと、言葉にならないさまざまな思いがこめられた笑顔、この歳になって読むとグッとくるものがあります。

クッキングパパは、こういったキャラクターたちの「人生の節目」が描かれたエピソードにちょっとスパイシーなものが多く、読み返したくなります。グルメ漫画であり、ファミリー・サーガでもあるんですよね。


荒岩家の思い出エピソードをまとめた、こちらのセレクションもおすすめ(みゆきの「とうちゃん あたし女の子になったよ」はリアルタイムで読んで衝撃だったなー)。
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