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毎回新刊を楽しみにしている「家政婦さんシリーズ」の最新作「波飛沫(しぶか)せし家政婦さん」を読みました。収録された2つのエピソードから、今回は前半の「薫風ブランニューライフ」に登場する里の料理を再現。

かっこいいインテリア、仲間が自然に集まる部屋。そんな東京での一人暮らしにあこがれていた、大学生の温(ゆたか)。しかし片づけられない性格で、いつのまにか女の子も逃げ出すほどの汚部屋住まいに。

見かねた母親が派遣したのが、S級家政婦の里。里のスパルタ教育のおかげで、温は本当に快適な部屋とはどういうものかを知ります。
風を通すのは心地よく清潔な部屋の絶対条件だ
気持ち良い空気に人は寄ってくる 動物だからな
私も完全に汚部屋体質なので、里のこのセリフは身に沁みました。読み終わったあとは、思わず料理よりまず先にゴミ袋と掃除機を持って家を掃除しました……。

ぴかぴかに生まれ変わった部屋に用意されていたのが、炊きたてごはんの卵かけ明太バター
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※【コマ引用】「波飛沫せし家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より

受験時代に温が毎回楽しみにしていた母親の夜食を、里が再現したもの。
卵、明太子、バター。
いずれも「ご飯のおとも」として単品でも強力なやつらなのに、これを全部合わせてしまうなんて思いつかなかった!作る前から「絶対おいしいやつ」とわかります。
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食卓に並ぶはご飯、生卵、白菜漬け、バター、明太子、じゃがいものみそ汁。
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ご飯に卵を落として(今回は贅沢に黄身だけにしてみた)、バターをご飯の熱で溶かしつつ、明太子をほぐしつつ。濃厚で、言葉にならない……生きる気力がわいてくるうまさ。

続いて2品目です。
見違えた部屋を自慢するため、友人を宅飲みに誘った温。そこで里のS級料理の数々がふるまわれます。さまざまな依頼をこなしてきた里にとって、大学生男子の舌を満足させるのは赤子の手をひねるようなもの。
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※【コマ引用】「波飛沫せし家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より

まずは男子陥落の肉汁たっぷりやわらかハンバーグ。これは巻末に小池田先生の解説があり、合いびき肉で作るタネに、牛乳にひたした食パンをたっぷり(全体の1/3ほど)入れるのがポイントだそう。
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食パンは細かく手でちぎって、牛乳をたっぷりぐずぐずになるまでしみこませます。
炒めた玉ねぎと合いびき肉、塩コショウ、ナツメグと一緒にこねて、
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表面をフライパンで焼き付けたら、じゃがいもと一緒にオーブンへ入れて焼き上げます。
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さらに付け合わせは、定番のナポリタン。ここにも里のひと工夫がされています。
それはなんと、チョコレートを隠し味に使うというもの。ケチャップに溶かし混ぜてから、ゆでたパスタと炒めます。コクが出て、酸味がまろやかになるそう。
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オーブン焼きハンバーグと、付け合わせのナポリタン。
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お皿に盛ると、おとなのお子様ランチ感。
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ほんとに柔らかくてジューシー。
外食だと「牛肉100%」をうたうお店も多いけど、家で食べるハンバーグはやっぱり合いびき&つなぎたっぷりが好き。このまま食べてもおつまみにいいけれど、ケチャップ+ソース+肉汁を煮詰めたソースをかけると、一気にご飯がほしくなってしまう。

3品目は、小池田先生いわく「この巻一番のおすすめ」のメニューです。
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※【コマ引用】「波飛沫せし家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より

食材を氷水に入れて供するだけの超シンプルな料理。
氷水に浸せばなんでも旨い」という言葉のとおり、野菜スティックや豆腐、ゆでワンタンを氷水に入れて出すだけで、ひと味変わる美味しさになるようです。
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まずは野菜スティック(きゅうり、ピーマン、トマト ※作中ではパプリカもありました)を味噌マヨネーズで。
きゅうり…スナック菓子みてえ」と学生がつぶやくシーンがありますが、歯ざわりがパリッとよくなって、野菜の甘みも感じられます。見た目も涼し気だし、これいいなー。
(ちなみに上の2品は、ハンバーグのつけあわせの千切りキャベツと塩だれキャベツです)
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こちらは「氷水冷奴」。キンキンに冷やすことで、豆腐がきゅっと凝縮され、大豆の甘みも出ます。
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最後に冷やしゆでワンタン。コショウ酢と白ゴマ油で食べます。ワンタンの生地がぷるっとした食感に。ワンタンの中身は想像で豚ひき肉で作ったのだけど、エビのほうが冷やしには合っていたかもしれない。

里の料理、一気にご紹介しましたが、この回はオーソドックスなメニューにひとひねり加えているものが多くて、楽しめました。
もう1本のエピソード(これがまた、ドロドロと切なさが共存する小池田節全開の物語です)は夏らしいパーティー料理がいろいろ登場するので、またチャレンジしてみたいです。

家政婦さんシリーズの再現一覧はこちら


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