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小林銅蟲先生の料理ブログを楽しみにしているひとりです。
一見カオスなのに超絶うまそうな調理風景と、唯一無二のしびれるような言語感覚。インスタジェニックな食卓とか栄養とか一日30品目とかどうでもよくなり、ただ本能的にうまいものを食べたくなる。

そんな暴力的美食の世界が料理漫画として結実したのが、イブニング連載の「めしにしましょう」。
漫画家・广大脳子と、料理を「やりすぎる」アシスタント・青梅川おめがの修羅場飯が描かれます(ちなみに小林先生は「累」の松浦だるま先生のチーフアシスタントだそうです。松浦先生からはこんなコメントも…)。

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※【コマ引用】「めしにしましょう」(小林銅蟲/講談社)1巻より 

発売された単行本は巨大肉塊や珍食材、謎の調理法など、期待を裏切らない規格外献立が満載。
読み終えてたまらない気持ちになったところで(ノーマルなご飯を作る気力がなくなります)、「そういえば冷蔵庫に豚コマがあった」と思い出しました。あとは卵と米、調味料があれば第5話の「肉あんかけチャーハン」ができるやんけ…本作のなかで最も挑みやすいかもしれないメニューに、思い立ったが吉日的に再現。

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「この料理は特に段取りが大事」ということで、使う材料や調理器具をおのおのぬかりなく並べる。
たしかに私はこれまで何杯のチャーハンを、もたもたすることで台無しにしてきただろう。お菓子は計量、煮込みは根気だとしたら、チャーハンで大事なのはタイミング。

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鍋に湯を沸かして醤油、オイスターソース、好みで酢を入れる(私は甘酢好きなので入れます)。このあと味付け肉を入れるので、調味料はやや物足りないくらいの塩梅でいいかもしれない。

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豚コマに醤油、オイスターソース、おろししょうが、ごま油、こしょう、片栗粉をもみこむ。
上の鍋に水溶き片栗粉を入れてとろみをつけ、豚コマ肉をほぐしながら入れる。一煮立ちしたら火をとめ、余熱で火を通す。

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卵は塩をいれてほぐすと「白身が溶解して均質な溶き卵」ができるそう。小林先生の料理はこういう理系ならではの説明や手法がちらほらあってあこがれます。 

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ここからがなかなかショッキング。
硬めに炊いためし(ほんとに土鍋で炊きたて、しかも新米)を、ざるにいれて容赦なく水洗いし…

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ざるでちゃっちゃと水を切ったら、ボウルにいれてサラダ油をドバーッと(臆せず)入れてさっくり混ぜ、さっき溶いた卵をドバーッと。これをさらに混ぜます。

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そして熱したテフロンのフライパンへ。

中華料理店級のハイパーな火力がのぞめない、家庭のコンロで飯粒をパラパラに仕上げる…というのはチャーハン界の永久命題。
卵液を事前にご飯にからめる、というテクニックはわりと知られていますが、
「米を水洗いする」+「サラダ油をからめる」
というメソッドは初めての試み。

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もこもこデロデロの黄色い「よくわからないマテリアル」が炒めているうちに、ぱらりとした卵色のチャーハンに化けていきます。興奮。
仕上げにナンプラーで風味づけしたら、皿に盛り付けて…

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さっきの肉あんをたっぷりかける。

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肉とめしの世界。

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食べた感想:
飯粒はみごとにパラパラで、それがとろみのある肉あんとよく合います。豚コマ肉は下味をつけ余熱で火を通しているおかげで、やわらかで単体でもおいしい。
私もいい歳なので、野菜っけのない献立はちょっと…(翌日の胃腸が…)と、「米と肉」のビジュアルを前にしてひるんだのも正直なところですが、ひとくち食べればそんなことどうでもよくなる。脳にうまさが直撃する。

※あとから気づいたけど、小林先生のブログにも作り方が掲載されています(先に見ればよかった!)。

次は風呂に肉ぶちこんで作るローストビーフに、バターをブロックで投入するマッシュポテトを添えて、恍惚と食べたいです。
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