「ゴールデンゴールド」のでべら飯

デビュー作と思えない完成度で、漫画界の度肝を抜いた「刻刻」の堀尾省太先生。
その2作目となる「ゴールデンゴールド」。1巻の発売当初から話題となっていましたが(「このマンガがすごい!」月間投票では人気作の続刊を抜いて1位に)、遅ればせながら読んでその面白さに興奮。




舞台は瀬戸内海の架空の離島・寧島。
この島に住む女子中学生・琉花は、他人の心の動きに敏感なせいで人間関係をうまく築けないでいるが、同級生のオタク男子・及川には特別な感情を抱いている。

ある日、琉花が海辺で拾った奇妙な形の置物が動き出し、まるで「福の神(フクノカミ)」のように周囲に不思議な効果をもたらしていく……というストーリー。

今回再現するのは、作中に登場する郷土料理。
琉花の祖母が営む民宿に滞在する、作家の黒蓮とその担当編集者。正体不明の「フクノカミ」を目にして驚く彼らの前で、発せられる謎の言葉「デベラメシ」。
「ゴールデンゴールド」(堀尾省太/講談社)1巻より
【引用】「ゴールデンゴールド」(堀尾省太/講談社)1巻より
その言葉の響きに「呪文!?」と後ずさりする2人ですが、琉花の祖母は
ああ「でべら飯」ご所望ですか
と平然と対応。

「ゴールデンゴールド」(堀尾省太/講談社)1巻より
【引用】「ゴールデンゴールド」(堀尾省太/講談社)1巻より
この辺りの炊き込みごはんです
「でべら」ゆう魚の干物と一緒に炊くんですよ
というセリフのとおり、「でべら(でびら)」は実際に瀬戸内海周辺で食べられている魚のようです。
確かに郷土料理のなかには、外国語のような不思議な響きのものってありますもんね……。ふたりが怯えたのもわかる。

このシーンひとつとっても、リアルな日常と、それがじわじわとゆがんでいく過程の描写は「刻刻」に共通するものがあり、ゾクゾクするほど面白い。

「でべら飯」は作中で詳しい作り方も紹介されているので、早速再現してみます。

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こちらが「でべら」の干物。タマガンゾウビラメというカレイ目ヒラメ科の魚で、大きいものは20cmを超えるようです(今回通販できたのは、小さめサイズ)。

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つまみ食いしてみると、こぶりのカレイのようなクセのない淡泊な味わい。

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でべらの頭と両端のヒレの部分をキッチンはさみで切り落とす。

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背骨とアバラを切り分け、背と腹を手で開いて中骨など固い部分を取り除く(お好みですが、血合いの部分もとっちゃっていいかも)。
(今回の料理には使わないけど、小さなでべらなら、切り落とした部分もそのままバリバリ食べられます)

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取り分けた干物は軽くフライパンであぶってから、塩少々と一緒に炊飯します。

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炊けたー。

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香ばしい干物の香りが漂います。

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おみおつけ(でべらの切り落としで出汁をとってみた)、漬物と一緒に。

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食べた感想:
干物自体が淡泊なので、炊き込みご飯も魚の風味そのままのシンプルな味わいです。干物は加熱したおかげで蒸されてしっとりしつつ、噛みごたえはしっかりあります。
今回は塩のみの味つけだけど、だしつゆで炊いてもいいみたい。

でべら自体は、そのまま炙ってマヨネーズ+醤油で食べても、おつまみとして◎でした。
しかしフクノカミ様がこれをどうやって食べたのか、気になる……。

※一話はこちらで試し読みできるようです



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