「ゴールデンカムイ」(野田サトル)カジカで出汁をとったキナオハウ

うわー、面白い! とワオワオしながらいっきに読んでしまった「ゴールデンカムイ」。
日露戦争で「不死身の杉元」と恐れられた男は、謎の囚人が仕掛けた「アイヌの埋蔵金」の存在を知り、殺された父の復讐を目的にするアイヌの少女・アシリパとともに、同じく埋蔵金を狙う勢力との抗争に身を投じていく……というあらすじ。

何より登場人物が全員特濃で、やたらとエレクチオンする伝説の熊撃ち、脳から謎汁を出す変態中尉、実は生きてたアンチエイジングな土方歳三などなど、書いてるだけでお腹いっぱい。もはや敵味方関係なく、出てくるキャラみんな大好き。

「ゴールデンカムイ」(野田サトル/集英社)2巻より
※【コマ引用】「ゴールデンカムイ」(野田サトル/集英社)2巻より
あと、なぜかグルメ描写のシーンがやたらと多いです。アシリパが狩猟の獲物で作るアイヌ料理の数々は聞いたことのないものばかりで、「どんな味なんだろう」と興味津々。

といっても、リスとかカワウソとか、上級者ってレベルじゃないアイヌ・ジビエ(でいいのか?)の再現はムリなので、今回は2巻に登場した「カジカで出汁をとったキナオハウ」を作ってみることに。

「ゴールデンカムイ」(野田サトル/集英社)2巻より
※【コマ引用】「ゴールデンカムイ」(野田サトル/集英社)2巻より
「キナオハウ」とはアイヌの言葉で「野菜がたくさんはいった汁物」のこと。
アシリパの村の近くの清流で獲ったカジカを素焼きにし、じゃがいもやにんじん、大根といった野菜と一緒に煮る描写があります。

カジカは北海道で「鍋こわし」(あまりに美味しいので鍋を壊すレベル……というような意味らしい)の別名があり、北陸では高級魚の「ゴチ」としても知られ、とにかくいい出汁が出る魚のよう。
杉元も作中でその味を絶賛しているし、どんな味なのか激しく気になります。

調べると、「カジカ」と呼ばれる魚は全国に幅広く分布し、海から遡上するもの、一生を淡水で過ごすものなど、その種類はさまざま。
今回ははっきり淡水のカジカとして描かれているので、川魚のカジカを探します。

かじかパック
食用の川カジカを取り寄せられるところがなかなかなく難航しましたが、ようやく見つかりました。
冷凍パックで12cm程度の生カジカが15匹くらい入ってます。
作中で使われているのは、北海道にしか生息しない「エゾハナカジカ」ですが、これは新潟の養殖所からやってきたので、厳密には別の種類っぽい。

かじか一匹
いろいろ調べてみてもややこしいので、キミがカジカならなんでもいいや。開き直って、お世話になります、と御尊顔を拝む。

かじかに塩 かじかのぬめりをとる
カジカの特徴のようですが、とにかくぬめりがすごい(解凍したせいもあるのかなー)。
このぬめりは煮る時アクになるようなので、塩をしてしばらく置いてから、流水で一匹一匹よーーく洗いました。ぬめりがとれたら、お腹に包丁をいれて内臓を抜き、流水で血をよく洗い流します。

かじかを焼く かじかの素焼き
カジカは素焼きにしてから鍋に入れます。グリルで焦げないように両面を焼きます。

 あくをとる
鍋にこんぶと素焼きカジカを入れて火にかけ、沸騰寸前でこんぶを取り出す。カジカからアクが出るので、取り除いたら大根、にんじんを入れてしばらく煮る。

野菜と煮る
大根とにんじんが8割がた煮えたら、じゃがいもを入れて、柔らかくなるまで煮る。

塩で味付けし、ほうれん草を入れてひと煮立ちさせたら完成。
「ゴールデンカムイ」(野田サトル)カジカで出汁をとったキナオハウ

カジカ、ごろごろ。
「ゴールデンカムイ」(野田サトル)カジカで出汁をとったキナオハウ

「ゴールデンカムイ」(野田サトル)カジカで出汁をとったキナオハウ
食べた感想:
意外に強いクセはなく、淡泊だけどしっかりうまみは感じる出汁です。
ただかすかに川魚ならではの独特の匂いもあるので、苦手と感じる人はいるかも(このへんは鮮度の問題かもしれない)。
カジカの身はやわらかくてホロホロ。ただ小骨が多く食べづらいので、あくまでも出汁と思ったほうがよさそう。
アシリパさんは拒否したけど、ウ●……いや、味噌味もきっと合うはず。

動画版のレシピです(※音が出ます)。


かじかの塩焼き
串打ちして塩焼きにしてみたバージョン。ヤマメやイワナと似た風味。ただしやはり小骨が多い。
写真で見る限り、エゾハナカジカはこれより身がふっくら厚いようなので、実際はもうちょっと食べやすいのかもしれません。

かじか(海) かじか(海)ぶつ切りと肝
実は川カジカを手に入れる前に、間違って海カジカを取り寄せてしまったので、こっちも鍋にして食べ比べてみることに(「鍋こわし」とよばれるのは、一般的にこちらのようです)。
海カジカは体長20~30センチくらい。こちらもぬめりが強いですが、トゲトゲしていてまったく別の魚という感じ。
頭を切り落としてから内臓を取り出します。肝の部分がおいしいらしいので、これは取り分けておく。
身の部分は適当に3枚におろして、あとはぶつ切りに。

こっちはアシリパさんが「う●こ」と勘違いした味噌を入れてみた。取り分けておいた肝をすりつぶして入れて完成。
かじか鍋(海)
見た目は完全に荒汁。肝がきいてるのか、川カジカよりも濃厚な出汁。
個人的にはこっちのほうが好みかも。あと塩味より、味噌味のほうがやっぱりおいしいな。アシリパさんがもっと早く味噌味に目覚めていたら……。

このエントリーをはてなブックマークに追加