「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ)のさつまいもと鶏のクスクス

「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より
※【コマ引用】「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より
大好きな「家政婦・里」シリーズに新作が!(いつの間にか掲載誌が「フィールヤング」から双葉社の「JOUR」にうつってたんですね)
新刊「颯爽の家政婦さん」には、2つのエピソードが収録されています。今回は後編の「サンドローズ」のなかに登場する、さつまいもと鶏のクスクスを再現してみました。

里が派遣されたのは、認知症が進む姑(大奥様)と、その介護で鬱になった妻、家庭を放置する夫、という崩壊気味の一家。さしものSランク家政婦も、ここでは苦戦を強いられます。

「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より
※【コマ引用】「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より
鮮烈なのは、里がリクエストに応えて作ったクスクス料理を、妻・真砂が「本物の味はこうじゃない」と床にぶちまけるシーン。さらに嫌がらせのように、里はその後も続けてクスクスを作らされます。

「世界最小のパスタ」クスクスは世界中で広く食べられていますが、本場はチュニジアやモロッコといった、サハラ砂漠が広がるマグレブ地域。

非日常的なエスニック料理の背後には、この家の嫁姑間の確執が潜んでいました。クスクスを通じて描き出される、まるで砂漠のように終わりのない女たちの地獄、そして美しい現実逃避。

「里シリーズ」が単なるグルメ漫画でないのは、家事を通じて日常に潜む光や暗部を描いているところにあると思います。
クスクス
作り方:(※レシピは単行本の小池田先生のあと書きを参考にしています。詳しい分量などはそちらをご確認ください)

お店で買った乾燥クスクスが、偶然にも作中と同じ製品でちょっとうれしかった(チュニジアのローズブランシュというブランドのようです)。
お湯で戻すだけのインスタント版と、数回に分けて蒸す本格版の2種類の方法が紹介されていますが、今回はせっかくなので後者の方法で。
水を入れる 混ぜる
ボウルにクスクスと水を入れ、よく混ぜて2~3分吸水させます。水気を含んだクスクスは、手で混ぜると粟のようにくっつきます。チュニジアにはきっと「濡れ手にクスクス」みたいな慣用句があるに違いない。

蒸す オリーブオイル
蒸し器の上にガーゼをしいたボウルをのせ、クスクスを入れて15分蒸します(フタはしない)。蒸したクスクスはボウルに戻し、塩、オリーブオイル、水を加えてよく混ぜます。

蒸す(3回目)
上記と同様の方法でまた15分蒸して、ボウルで塩&オリーブ&水。
これを「気が済むまで」繰り返したら完成。私は3回蒸しましたが、これくらいでふっくらした食感に仕上がります(塩味がきつくなりすぎないように注意)。
途中で味見をしたところ、「クスクスってこんなに美味しかったっけ…」と驚きました。何度かお店で食べたことはあるけど、蒸したてがこれほど美味と知らなかった。時間がある方は、ぜひ蒸す方法で試していただきたい。
鶏ももの下ごしらえ
クスクスを蒸している間に、鶏モモ肉を下ごしらえ。
ひと口大に切ったモモ肉に、塩・コショウ、コリアンダー、ターメリック、みじん切りしたショウガとニンニクをよく揉みこみます。
さつまいも 野菜
メインのさつまいもは、2センチ角に切って水にさらしておく。野菜は今回はトマト、ズッキーニ、にんじん、ごぼう、玉ねぎと盛りだくさんに。

鶏ももとさつまいも 野菜を炒める
フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、下ごしらえした鶏モモ肉に強火で焼き目をつけ、脂が出たらさつまいもを入れて軽く一緒に炒める。いったん取り出し、残った脂で野菜を炒める。

スープストック クスクス投入
野菜がしんなりしてきたら、お湯で溶かしたスープストック(分量は書かれていませんが、今回はクスクス2合分に対して300ccほど)、ローレル、パセリを入れてひと煮立ちさせる。取り分けておいた鶏とサツマイモ、クスクスを投入してよく混ぜる。

オーブンへ
オーブンプレートにオリーブオイルをぬったクッキングシートを乗せ、クスクスを平らに敷き詰めます(2合分のクスクスを炊いたものの、うちのオーブンには入りきらなかったので、写真は1/2量です)。
オーブンで表面がカリッとする程度に焼き(今回は180度で30分ほど)、仕上げにバターを溶かしかけて完成。

焼きあがったクスクスは表面が黄金色。確かに美しい砂漠のよう。
焼き上がり

取り分けていただきます。
「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ)のさつまいもと鶏のクスクス

「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ)のさつまいもと鶏のクスクス
食べた感想:
表面はこんがり、スープを吸ってふっくら炊きあがったクスクスと、サツマイモの甘み、スパイシーな鶏肉、食感さまざまな野菜の取り合わせがなんとも美味しい。これ一皿ですごい満足感。
残りはお弁当にしたのですが、冷めてもしっかり美味しくて、こんなに優秀な食材だと思わなかったよ、クスクス。今度は羊肉やシーフードでも試してみたいなー。

ちなみに作中にも登場しますが、本場では「クスクス専用鍋」というものまであるらしい。

下の段でスープを作り、その蒸気で上の段のクスクスを蒸す…という仕組み。里が完敗した大奥様の本格クスクス、これもいつかチャレンジしてみたい。

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