「Heaven?」(佐々木倫子)オマール海老のバプール エミール・ガレ風
「Heaven?」(佐々木倫子/小学館)4巻より
※【コマ引用】「Heaven?」(佐々木倫子/小学館)4巻より
ひょんなことから、オマール海老をいただきました。しかも生きてる状態で。活きオマール。

自分ではなかなか買えない食材だけに、「アレが再現できる日が来た…」とテンションが上がりました。
レストランを舞台にした佐々木倫子先生の名作「Heaven?」に登場する、「オマール海老のバプール エミール・ガレ風」。

黒須オーナー(「動物のお医者さん」でいう漆原教授的キャラ)に、秋の新作メニューを試食してもらう小澤シェフ。しかし黒須から返ってきたのは「おいしいけれど、意外性がない」という、ぼんやりしたダメ出し。

何度も料理を作り直すも反応は良くなく、最終的にふたりは険悪に。オーナーは「シェフが自由に決めてちょうだい」と行方知れずになります。
急に突き放された小澤シェフはスランプに陥り、憔悴し切った中で生み出したのが、この“迷作”。

オマール海老を大胆に秋の風物詩・赤とんぼに見立てて盛り付けた一品。
料理名にもなっているエミール・ガレは昆虫をモチーフにしたガラス工芸品が有名ですが、そこから着想したのでしょうか。凝ってる、確かに凝っているんだけど、誰も求めていない方向への飛ばし方です。

オマール海老
作り方:
そろそろオマール君と対峙します。1時間ほど電車で揺られたせいか若干お疲れ気味ですが、たまにシャーッと威嚇してきます。再現料理のなかでいろんな食材と向き合ってきましたが、生きてる状態からの殺生するのは初めてで、腰が引ける。

蒸す
料理名にもなっている「バプール」とは、フランス語で「蒸す」という意味のよう。
沸かした蒸し器の中に、「南無…」と唱えながら投入。

フタをして15~20分ほど蒸すと、鮮やかな色に。
爪をとる 胴体を離す
あとはさばくだけですが、思ったよりも簡単。まず2本の爪と脚の部分を手でむしりとります。その後、頭と胴体をこれも手で外します。頭のなかには美味しい味噌がたっぷり詰まっているので、台所でこっそりいただいてしまう。
身をスライスする
身の部分は殻を外し、5~6等分にスライスします。

きゅうり、トマトの細工
縦に薄くスライスしたキュウリ、バラの形に細工したトマトの皮、セルフィーユを盛り付け。

オマール海老を配し、身の部分にピンクペッパーを乗せて完成。
「Heaven?」(佐々木倫子)オマール海老のバプール エミール・ガレ風
ぶーん感。

「Heaven?」(佐々木倫子)オマール海老のバプール エミール・ガレ風
食べた感想:
オマール海老って美味しいんだなあ。という以上の感想が浮かばない。好みのソースを用意してもいいけど、そのままでもうまみがあって充分なごちそう。

ここからは番外編ですが……。

ビスク カレー
オマール海老のビスクカレー
オマール海老は殻もご馳走。食べ終わった殻はじっくり煮詰めてビスクを作ります。これをベースに野菜やらスパイスやらを足して煮たら、ものすごく高級な味のカレーになりました。

しかし「Heaven?」はレストランが舞台なのに、いざ再現しようとすると以前作ったこれといい、まともに美味しそうな料理があまりないという。逆に言えば、料理に頼らなくてもグルメ漫画はここまで面白くなる、ということを証明しているのかも。


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