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池辺葵先生の「繕い裁つ人」を最終巻まで一気読みしたらじーんときてしまい、もうちょっとこの世界観に浸っていたくなって、次に手に取ったのが「サウダーデ」。
それぞれの舞台は同じ町、主人公の市江と佳乃は元同級生という設定なので、作品を見比べながら読むのも楽しい。

「繕い裁つ人」では町の仕立て屋で職人気質の市江が、「変わること」と「変わらないこと」、ふたつの価値観の間で揺れ続ける姿が描かれました。
対して喫茶店のオーナーである「サウダーデ」の芳乃は「待ち続ける人」。いつ帰ってくるかわからない大切な人のために、「故郷」となる場所を守る主人公です。

といっても芳乃は頑固一徹の市江と違い、一見ちゃらんぽらんで自由気まま。
客がいなければテレビに夢中だし、必要以上の愛想もサービスもふりまかない。その態度に「感じ悪い」と怒る客も後を絶ちませんが、読み進めていくと、彼女の印象が変わっていきます。

「サウダーデ」(池辺葵/講談社)1巻より
※【コマ引用】「サウダーデ」(池辺葵/講談社)1巻より
その一端が、ブルーベリーラテのエピソード。
ある日やってきた情報誌の広告営業の女性。張りついたような営業スマイルが特徴の彼女は、「カフェラテにブルーベリーソースをつけてほしい」と注文しますが、芳乃はあっさり「できない」と断ります。
店にブルーベリーのシロップがあるんだから、それくらい対応してくれもいいじゃない……。
店員のタツエも女性も納得がいかない顔になりますが、ちゃんと理由がありました。

コーヒーの苦みとブルーベリーの酸味は、けっして相性がいいものではない。
芳乃はそれがわかっているから、たとえ客の要望であっても受け入れません。市江と同じく彼女もまた、頑固な美学をもった「プロ」なのです。

「サウダーデ」(池辺葵/講談社)1巻より
※【コマ引用】「サウダーデ」(池辺葵/講談社)1巻より
「万能」と言われるだけあって、ブルーベリーシロップはほかのエピソードにも登場します。
店の常連で、いつもラッシーを頼むメガネ男子(あとで「沢田」という名前と判明)。彼が芳乃にお礼として渡したブルーベリーシロップ、それにバニラアイスを加えて作る、スペシャルなブルーベリーラッシー。
シェイク風になるのか、ストローで飲み切るときの「コオッ コオッ」という擬音まで、やけに美味しそうに見える魅惑のメニューです。

ブルーベリー
作り方:
ちょうど生のブルーベリーが旬で安かったので、シロップを作って両方再現してみます。冷凍じゃない、生のベリーってなかなかお目にかかる機会がないからテンション上がる(´ρ`≡´ρ`)

氷砂糖
熱消毒した容器に、生ブルーベリーと氷砂糖を交互に重ねていく。腐敗防止にお酢もちょっとだけ入れる。
漬ける 煮詰めた
ときどき容器をゆすりながら、1週間待てば氷砂糖が溶けてルビー色の美しいシロップに。
……と言いたいところですが、底の方に氷砂糖が残ってしまったので、火にかけて軽く煮詰めてみる(梅シロップと同じで、冷凍のブルーベリーのほうがうまく漬かるのかなー)。

煮詰めると透明感は失われるけど、より濃厚なシロップになりました。
香りがものすごくいいです。ロッテにブルーベリーガムって商品がありますが、あの香料そのまま(なんて貧弱な表現…)。天然でもこんなに鮮烈な香りがするのですね。
シロップ完成
材料 ラッシー作り方
ラッシーを作ります。
材料はブルーベリーシロップ(果実もそのまま投入)、無糖ヨーグルト、バニラアイスクリーム、牛乳。ミキサーでガーッと撹拌して完成。

ラテ作り方
ラテの泡は電動ミルクフォーマーがなくても、耐熱容器に牛乳を入れてレンジにかければそれっぽいのが出来た。

まずはブルーベリーのスペシャルラッシー。
ブルーベリーシロップのラッシーとカフェラテ
インド料理店のさっぱりしたラッシーと違って、バニラアイスが入るとリッチなデザートみたいな感じになるんですね。アイスを多めにするとヨーグルト風のシェイクに。ブルーベリーの果肉も存在感あって、これは美味。

ブルーベリーシロップのカフェラテ
次にカフェラテ。白いふわふわの泡にベリーが浮いているビジュアルは、オトメ心くすぐる。
作中に出てきた女性は雑誌で見てあこがれていたこのメニューを、念願かなって別のカフェで注文しますが、「見かけだおし」と気づきます。
ただ実際飲んでみると、思ったよりも悪いもんじゃないな、という印象。ミルクの泡が緩衝剤になって、ベリーの甘酸っぱさとコーヒーの苦さを中和してくれてるから?(でもまあ、キャラメルラテとどっちか選べ、と言われたら、キャラメルを選ぶかな…)

残ったブルーベリーソースは、ヨーグルトに入れたりクリームチーズと一緒に食べたりしてるうちに、そろそろなくなる勢い。
来年のブルーベリーの季節が、また楽しみになりそうだ。

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