「MASTERキートン」の豚肉の唐揚げ

世界各国が舞台になるだけあって、やたらとおいしそうな食べ物が登場する「MASTERキートン」ですが、意外にも料理がメインとなる話はあまりありません。「特別なメニュー」のエピソードはその貴重なひとつ。
(ちなみに以前作った「サマープディング」はこちら

「MASTERキートン」(勝鹿北星/浦沢直樹/小学館)ワイド版6巻より
※【コマ引用】「MASTERキートン」(勝鹿北星/浦沢直樹/小学館)ワイド版6巻より
キートンが「ロンドンの中華街で一番」と認める中華料理店「金蓮」の特別メニュー「豚の唐揚げ」。その絶品の味の秘訣は店主いわく、企業秘密。

イギリス人の見習い・ラディの実力を店主に認めさせ、さらに店の娘・宋麗との仲を取り持つため、キートンはこの料理に隠された秘密を探ろうとする。調査するなかで、かの中国の偉人・孫文との意外な縁が明らかになり……。

中華料理という身近なテーマを取り上げても、政治や歴史、文化を絡めた奥深いエピソードになっているのはさすが「キートン」。

というわけでずっと作りたかったメニューなのですが、これ、(ネタバレになっちゃいますが)隠し味にウイスキーを使うのが特徴、ということがわかるのみで、ほかのポイントは不明。
(作中には横浜中華街の「大嘗閣」というお店も出てきますが、どうも存在しないようだし…)

中国には「唐揚げ」という名称の料理は存在せず(当然か…)、一番近いのは「乾炸」(粉をまぶして揚げる)という調理法だそう。

ただ、そもそも日本における「唐揚げ」という調理法自体、かなり定義はファジーなようで。衣ひとつとっても、片栗粉か小麦粉か、卵は使うのか、全卵か卵白のみか……と流儀はさまざま。

作中のコマの絵を見ると、衣が白っぽくて厚みのある印象なので、これはどっちかというとフリッター風(中華の技法では「軟炸」)なんじゃないかしら……という疑惑も。
そういえば日本の中華料理屋でも、「これ天ぷら?」と思うような、衣に厚みがある唐揚げが出てくること多いしなー。
考えれば考えるほど、こんなにメジャーなくせに曖昧な存在であり続ける唐揚げって……おまえはいったいなんなんだい。

と、頭が余計なことでグルグルしてなかなか取り掛かれなかったのですが、中華の「軟炸里脊」(豚のフリッター)が自分のイメージに一番近いかも…ってことで、チャレンジすることに。

ヒレ肉を薄切りに ウイスキー
作り方:
1.豚ヒレ肉ブロックを薄切りする。
2.肉の下味に使うウイスキーは、ジョニーウォーカーにしてみた。イギリスだからという理由だけです。

二種の漬けダレ
ウイスキーとすりおろしたニンニク、ショウガ、塩コショウ、しょうゆで肉をよく揉みこんで下味をつける。味がよくわかるようにウイスキーはやや多めで。味の比較ができるように、紹興酒バージョンも用意してみた(左)。

卵白と片栗粉 小麦粉
3.卵白2個をよく泡立てて、片栗粉とよく混ぜる。
4.小麦粉を加え、さっくり混ぜる(混ぜすぎない)。

ころも 揚げる
5.下味をつけた豚ヒレ肉に衣をたっぷりまぶし、二度揚げする。

パセリをのせて完成。塩コショウで食べます。
「MASTERキートン」の豚肉の唐揚げ
食べた感想
「肉がこうばしくなる」というウイスキーの下味効果ですが、紹興酒ver.と食べ比べても、一見あまり違いはわからず。ただ衣を厚くしたものには、ふんわりとウイスキーの風味が香って、なかなか美味でした。

卵白を使ったフリッター風なので、フワフワサクサクと軽い食感が楽しめますが、全卵で作るともっとしっかりした衣になりそう。こうなったら、あらゆる唐揚げ調理法で試してみるのもいいかもしれない…。

このエピソードでは、干し柿入りの月餅も気になるメニューのひとつ。
孫文って実際にそんなにグルメな人だったのかなあ……。首都圏にも縁のあるお店が何店か残っているようですが、ちょっと調べてみたくなりました。

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