マンモスイチゴのショートケーキ
大人になって読み返す『ドラゴンボール』もいいけれど、『Dr.スランプ』もまた、面白い。
ポップで個性的なキャラクターたちは、鳥山明先生のイラストレーターとしての天才ぶりを再確認できるのはもちろん、80年代カルチャーを振り返る漫画としても楽しめます。

ペンギン村の住民、皿田きのこちゃんもその一人。刈り上げたおかっぱ頭が印象的な、年の割りにおませな女の子で、そのヘアスタイルは80年代に一世を風靡したハウスマヌカンを彷彿とさせます。

「Dr.スランプ」(鳥山明/集英社)5巻より
※【コマ引用】「Dr.スランプ」(鳥山明/集英社)5巻より
彼女の大好物が、巨大なイチゴ(マンモスイチゴ)ののったショートケーキ。
スポンジの上でとろけるクリーム、さらにその上に鎮座するのは、ありえないほど大きなイチゴ。子どものころ強烈に印象に残ったスイーツでした。

「Dr.スランプ」(鳥山明/集英社)5巻より
※【コマ引用】「Dr.スランプ」(鳥山明/集英社)5巻より

さてこのケーキを、おやつの時間に仲良く食べていた皿田家。しかしお父さん(某社のマスコットに激似)が、ここで信じられないKY行動をかまします。

大好きなマンモスイチゴを、最後のお楽しみに取っておいたきのこ。それをこのKY父が、嫌いだから残していると勘違いし、横から「ぱくっ」と食べてしまうんです!(憤怒)

「好きなものは最後にとっておく派」にとって、これ以上の悲劇があるでしょうか。きのこはここで「グレてやる!」と家出するんですが、その気持ちよくわかるから応援するよ。
青少年の非行は、思わぬきっかけからスタートするのです。たとえそれが「ケーキの上のイチゴ」だったとしても、誰も彼女を責められない。

さてこのマンモスイチゴのケーキ、あこがれの非実在スイーツとして記憶の奥底に封印されていたのですが、ある日フルーツショップをのぞいて気づきました。
最近は、あまおうやアイベリーなど、子どものこぶしくらいある大きい品種のイチゴが出回っていることに。永遠に夢だったこのケーキ、実は再現できるのかも……と。たゆまぬ努力で品種改良を続ける、日本のイチゴ農家の皆様に感謝……!

いちご比較
マンモスイチゴにふさわしい品種を検討した結果、「あまおう」に決定。「あ」まくて「ま」るく「お」おきくて「う」まい。名前からイメージにぴったりです。

というわけで、普通のパック売りの「とちおとめ」と、高級フルーツ店で買った巨大「あまおう」を比較してみたのがこちら。
同じイチゴのくせに、この扱いの差って! 格差問題はフルーツ界にまで波及してるのでしょうか。

やけた シロップ塗りこむ

切り分ける
土台となるスポンジケーキは市販のカステラとかで十分だと思うけど、お菓子修行のため焼いてみた。
スクウェア型で焼いて、シロップをたっぷり染みこませてラップにくるんで寝かせてから、切り分けます。

五分立て 生クリームのっけ
生クリームはゆるめの五分立てくらいで。固くなるとクリームのとろり感が出なくなるので、泡立てすぎに気を付けます。

マンモスイチゴをのっけて完成。
マンモスイチゴのショートケーキ
イチゴの赤に、生クリームの白、そしてスポンジの黄色。ショートケーキって、この世で一番ときめく配色をしてますよね。そして、このアンバランスな見た目! 巨大イチゴは明らかにスポンジに対して大きすぎるし、ゆるめの生クリームはいまにも下に垂れてしまいそう。

マンモスイチゴのショートケーキ

日本人が大好きなショートケーキを、徹底的にデフォルメしたような形は、三次元化してみても破壊力抜群。食べるのも忘れて、しばらくハアハアと見入ってしまった。

口いっぱいにほおばって、スポンジと生クリームのコンビを堪能したら、最後は誰にもジャマされず、マンモスイチゴを単体でゆっくり味わう至福のひととき。きのこよ、カタキは取ったどー。


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