焼き飯 乙嫁語り

森薫先生の、中央アジアへの愛が詰まった「乙嫁語り」。アミルとカルルクを主人公にした物語は前巻で一段落(?)し、3巻では英国人学者スミスと寡婦タラスのしっとりした恋が描かれます。

この第二の「乙嫁」となるタラスが、アミルとまた違った魅力の美女で、ページを捲るごとに見惚れてしまう。森先生の漫画は美しい絵巻物のようで、描きこまれた一コマ一コマを眺めるのは至福のひととき。

「乙嫁語り」(森薫/エンターブレイン)3巻より
※【コマ引用】「乙嫁語り」(森 薫/エンターブレイン)3巻より
大人のラブストーリーが中心の3巻のなかで、ひときわ楽しそうなのが、にぎやかな市場でアミルたちが食事するエピソード。店の奥座敷に席を設け(女性が外で飲食するのは、あまりよくないことのよう)、屋台で売られるさまざまな料理をテイクアウト。アミルは生きたキジを買って自らさばいたり、相変わらずのマイペースっぷりです。

「乙嫁語り」の舞台となる地域は諸説ありますが、今回の巻を読むと、ウズベキスタンあたりが近いのかも。宴会シーンで描かれる料理も、ウズベキスタンウイグルによく似たものが見られます(2巻に登場する、かまどの日の飾りパンもそうかも ←この再現はまだ試行錯誤ちゅう…)。

特に美味しそうだったのが、大鍋で作られる焼き飯。これは、中央アジア一帯で食べられている「プロフ(ポロ)」というピラフ料理が近いよう。

「乙嫁語り」(森薫/エンターブレイン)3巻より
※【コマ引用】「乙嫁語り」(森 薫/エンターブレイン)3巻より
プロフの作り方は地域によって異なるようで、作中でもガイド役のアリと市場の人々が、「ニンジンより玉ネギを先に炒めるべきだ」「ハミ瓜は入れないのか」など、喧々囂々。

ちなみに、アリがこだわる「ハミ瓜」とは、調べるとメロンの品種のようでして。メロンとスイカの中間の味がするそうですが、それは果たして焼き飯に合うのだろうか……。生じゃなくて、ドライフルーツにして入れるのかな。うーん、謎。

材料
材料:
作中のやりとりを参考にしつつ、好みの材料を足して作ってみます(3~4人前)。
・インディカ米(なければ普通の米でも) 2合
・水 2カップ
・骨つきラム肉 4~5本
・ニンジン 1本
・玉ネギ 1/2個
・クミンシード 小さじ1
・干しぶどう お好み
・ひよこ豆の水煮 お好み
・にんにく 1かけ

下ごしらえ
作り方:
人参と玉ネギは粗いみじん切りに。ラムは骨から肉を切り外し、一口大に(骨はスープのだし用にとっておく)。

にんじん炒める 玉ネギ炒める
中華鍋を熱してお玉一杯分の油を入れ、ニンニクをさっと炒める。アリは「玉ネギから派」ですが、ここは市場のおっちゃんにならって、ニンジンから炒めます。つぎに玉ネギを加え、しんなりするまで炒める。

肉炒める スープ
ラム肉と骨を入れて、火が通るまで炒める。水と塩を加え、しばらく煮る。

こめ 煮込む
米を入れて少し混ぜ、クミンシード、干しぶどうを加えて中火で煮る。

皿でフタ

「乙嫁語り」(森薫/エンターブレイン)3巻より
※【コマ引用】「乙嫁語り」(森 薫/エンターブレイン)3巻より
あとは、中火で蓋をして炊き上げるだけ。ここでやってみたかったのが、この「小皿でフタ」!!
大鍋で調理するため、適当な大きさの蓋がないからこうなったのでしょうか。でもこの、小皿が積み重なったビジュアル、なんとも味があっていいなあ、とあこがれます。

とりあえず、家にある小皿をかき集めて再現してみたけど……炊き加減が読みにくいので、普通の蓋のほうがいいという結論にw
しあげ 焼き飯
15分くらいで炊き上がります。底のほうが少し焦げてしまったけど、まあいいか。ラムの骨を取り出し、ひよこ豆の水煮を加えて混ぜ、蓋をして蒸らします。最後に塩コショウで味つけして完成。

市場の焼き飯
大皿にこんもりと盛って、取り分けていただきます。

市場の焼き飯
食べた感想:
クミンと羊肉の香りが、いかにもエスニックでそそります。
油を多目に使うので、普通の炒飯に比べて脂っこいですが、味つけは塩と香辛料だけなのでわりとあっさり。干しぶどうの甘みや、ひよこ豆の食感がアクセントになるので、苦手でなければ入れるのがおすすめ。作中のように、ほかの料理と一緒に食べるなら、具はもっとシンプルでいいかもしれません。
トルコ料理のようにプレーンヨーグルをかけて食べる地域もあるようですが、この味なら意外といけるかも。

今度はハミ瓜を探して、アリおすすめの作り方でも試してみようかしら……。

追記:
コメント欄でも情報いただきましたが(ありがとうございますm_ _m)、コミックナタリーさんの特集ページで、森先生ご自身が3巻の料理を再現されています!
焼き飯だけでなく、うどんやキジ肉も。めちゃくちゃ美味しそうなので、ぜひご覧ください!
http://natalie.mu/comic/pp/otoyomegatari02

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