おせん 塩麹

またまた「おせん」ネタから。3巻に出てくる塩麹の朝食を作ってみました(ほんとはだまこもち鍋より前に再現してたんだけど、アップするの忘れてた……)。

小料理屋のハルちゃんに失恋してしまった留吉を励ますため、おせんさんはじめ一升庵の女衆でこしらえた、とっておきの朝ご飯。

「おせん」3巻より
※【コマ引用】「おせん」(きくち正太/講談社)3巻より

主役は塩麹で漬けたキュウリと茄子の浅漬けに、同じく塩麹をまぶして干物にしたアジの開き(そのほかは絵から判断すると、しじみの味噌汁に海苔、ご飯)。

「おせん」3巻より
※【コマ引用】:「おせん」(きくち正太/講談社)3巻より

塩麹は米麹と塩を混ぜて水に浸し、発酵させて作る調味料で、ハルちゃん得意の一品。

コクがあって甘いその味は、野菜はもちろん肉にも魚にも使える“魔法の塩”で、あらゆる和食に通じるおせんさんさえ唸らせたほど。 出来上がるまで10日間~2週間ほどかかるようですが、作り方は意外と簡単なようなので、試してみることに。


おせん 塩麹 
塩麹の作り方: 
材料は米麹と塩、水、それに発酵用の容器(金属製は避け、ホーローやぬか漬け用タッパーなど)。

おせん 塩麹 おせん 塩麹 
容器に米麹をほぐして入れ、麹に対して1/3程度の塩を入れてよく混ぜ、水をひたひたに張ってフタをします。

おせん 塩麹 
半日~一日すると、麹が水分を吸い発酵してふくらんでくるので、さらに水をひたひたに足し、10日~2週間ほど寝かせます(常温でいいようです。放置でも問題なさそうですが、私は途中で1~2回かき混ぜました)。

2週間経ったのがこちら。甘酒を作るときのような独特の発酵臭がして、麹は指で押すと潰れるくらい軟らかくなってます。

おせん 塩麹 
少しなめて味見してみましたが、確かに塩は塩でも、角の取れた丸みのある塩気です。

市販の高級塩も後味に甘みがあったりしますが、それに近い感じ。匂いにクセもなくて、確かにこれは色んな料理に使えそう。早速浅漬けと干物を作ってみます。

おせん 塩麹 おせん 塩麹 
茄子とキュウリの浅漬け: 
茄子は小茄子を使います。ヘタを残してガクの部分を取り、塩麹をまぶすようにして2日漬けます。キュウリも同じく塩麹を全体にまぶし、こっちは1日漬けます。

「おせん」3巻より 
鯵の開き: 
漬物だけでなく、肉や魚にも使える塩麹。干物はおせんさんのオリジナルですが、作中に詳しいレシピがないので、ネットで干物の作り方を調べて参考にさせていただきました。

おせん 塩麹 
新鮮な鯵を干物用の開きにします(私は魚さばくとボロ雑巾みたいにしちゃうので、購入した鮮魚店に頼んで開いてもらいました)。血はよく洗い流したほうがいいようです。

おせん 塩麹 おせん 塩麹 
開いた鯵全体に塩麹をまぶし、ジップロックなどに入れて密封。冷蔵庫で数時間寝かせます(通常は2~3時間程度でいいみたいですが、途中で外出したりした都合で今回は半日ほど寝かせました)。

ジップロックから鯵を取り出し、塩麹を水で洗い流して、ペーパータオルなどで水分をよく拭き取ります。

おせん 塩麹 おせん 塩麹 
鯵を風当たりのいい日陰で干します。干物用ネットがあればベストなんですが、今回は物干しハンガーに洗濯ネットをつり下げたもので代用w 

洗濯ネットのなかにザルと干物を入れ、途中で身を裏返しつつ、夜中から朝にかけて5~6時間ほど干しました。

おせん 塩麹 
干し終わったのがこちら。皮も身もいい感じに乾いてテカテカ光ってます。そういえば人間も徹夜すると顔がテカテカになるもんね……と余計なことで納得してしまった。

鯵の開きをコンロで焼き、浅漬けを切って盛りつけ、しじみの味噌汁、あぶった海苔、炊きたてのご飯で、おせんな朝メシの完成。

おせん 塩麹

おせん 塩麹 
食べた感想: 
まずは浅漬けから。キュウリは丁度いい漬かり具合で、後味に甘みのある塩加減が美味しい! そのまま食べてもよし、ご飯も進みます。

茄子は残念ながら、写真のように一部が茶色く変色しちゃってまだらな仕上がりにorz(ミョウバンとか使ったほうがいいのかしら……)。味も漬かりすぎたのか、ちょっと塩っ辛かったです。難しいなあ。

おせん 塩麹

おせん 塩麹 
鯵の開きは自分で干した欲目もあるかもしれませんが、今まで食べた市販の干物がかすんで見えるほど美味しかった! 

塩麹のほんのり発酵した香りとコクのある塩気が鯵の身に出てて、これもご飯が進みます。

干物って大変そうだけど漬けて干すだけなら意外と簡単だし、これからもやってみようかな。

「おせん」らしい、手間がかかりつつもその甲斐のある満足な朝ご飯でした。