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「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/牛次郎)より
※【コマ引用】:「スーパーくいしん坊 特製カレーライス!!の巻」(ビッグ錠/牛次郎/講談社)より
ビッグ錠先生&牛次郎先生コンビによるもう一つの料理マンガ、「スーパーくいしん坊」。火の玉チャーハンとか洗濯機でラーメン回したりとか、超現実なファンタジー料理マンガとして有名ですが、1話完結の話が多くて気軽に読めるし、ノリもとことん明るいし結構お気に入りです。

なんとかリアルに落とし込める料理はないかしら……と思ってたら、「特製カレーライス」のエピソードが比較的再現しやすそう。

人気カレー店「デリー」(同名のカレーの名店がありますが、たぶん関係ないはず)の営業マンから、合計10万円分のスパイスセットを購入した香介の父。しかしこれでカレーを作ると、客の評判がすこぶる悪い。香介はデリーの支配人に返品を直談判しにいくが断られ、なりゆきで「デリーよりうまいカレーを作ったる!」と豪語してしまう。今ここに、10万円のカレーセットの返品をかけて、デリー vs.香介のカレー勝負が始まった!(あらためて書くと、すごいしょっぱい理由の勝負だな)

スパイスの配合から研究し始めた香介ですが、途中で味の決め手は香辛料ではなく、むしろスープの方にあると気付きます。
そこで思いついたのが「水を一滴もつかわないカレー」。

「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/牛次郎)より
※【コマ引用】:「スーパーくいしん坊 特製カレーライス!!の巻」(ビッグ錠/牛次郎/講談社)より
みじん切りした玉ねぎを水分を逃がさないよう工夫してじっくり煮込み、玉ねぎ自身から出る水分だけで「必殺水なしスープ」を作る、というもの。

荒唐無稽に見えて、意外と使えそうなアイデアじゃないですか。先日再現した味平カレーと味平チャーハンがなかなか美味しく、すっかり「ビッグ錠先生、嘘付かない」と信頼を寄せるようになった私。
作中の工程に従って、早速チャレンジしてみます。

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作り方(カレー編):
1.玉ねぎを大量(4~5人分のカレーに対して、6玉くらい)にみじん切りします。さすがに包丁だとらちがあかないので、スピードカッターを使いました(それでも目がしみる~)。

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2.鍋にバターをこれまた大量に(150gくらい)入れ、火にかけて溶かしたら、玉ねぎを少しずつ入れて、中火で全体に火がとおるまで炒めます。

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3.一度火を止めて鍋にぴったりラップを張り、爪楊枝で数カ所に穴をあけます。この穴から最小限の蒸気を出しつつ、玉ねぎから出た水分をラップにためる、という工夫らしい。

4.とろ火にし、ラップの上からフタをして煮込みます。
香介は「大相撲中継が終わる頃には完成するよ」みたいなことを言うので、1?2時間は煮込んだほうがいいかも。

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5.1時間半くらい経ったスープが、こんな感じ。さらっとしたスープ、というよりドロドロした玉ねぎのポタージュみたいな感じになってます。

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6.次に鍋に入れるのが、一口サイズにカットしたパイナップル。カレーの甘みを出すのはもちろん、この後入れる肉を軟らかくする効果もあるそうです。パイナップルを鍋に入れたら、再びラップをしてフタをし、しばらく(30分くらい?)煮込みます。

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7.その間にカレー粉を作ります。通常は数十種類の香辛料を配合しますが、今回香介が使ったのは、ターメリック、クミン、唐辛子、塩、の4種類のみ。
GABANのカレー用スパイスセット(20種類の香辛料が小分けされてる)があったので、そこから該当の香辛料のみ取り出して混ぜました。

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8.作中では香辛料をミックスした後、そのまま鍋に投入してたけど、GABANの説明書によると、フライパンで5分ほど弱火で炒めたほうがいいようだったので、それに従いました。

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本来は、炒めたスパイスは1週間ほど寝かせたほうがいいらしい。ただ、香介もそのまま調合後にすぐ使ってたので、今回は一晩寝かせるにとどめました。

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9.ビニール袋に肉(今回は豚)とスパイスを入れて口をしばり、肉全体にスパイスが絡むようによく振ります。

「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/牛次郎)より
作中では、こんな感じで肉を入れた袋をブイーンブイーンと振り回してますが、ここまでする必要は多分ないと思いますw(ちょっとやってみたけど、ダイエットにはなりそう)
※【コマ引用】:「スーパーくいしん坊 特製カレーライス!!の巻」(ビッグ錠/牛次郎/講談社)より

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10.スパイスで下味をつけた肉を、そのままスープ鍋の中に投入して火が通るまで煮込みます(普通は肉は軽く焼いてから入れるけど、ここはビッグ錠先生を信じる)。

RIMG5307.jpg 水なしカレー
11.スパイスを投入し(大さじ4~5杯くらい? 少しずつ入れて味を見た方がいいかも)、30分ほど煮込んだら完成。

「スーパーくいしん坊」(ビッグ錠/牛次郎)より
香介の特製カレーのもうひとつの特徴は、ご飯にあります。ピカピカの新米ではなく、あえて水分の少ない古米をバターと一緒に炊くことで、味が染みつつベチャっとしないライスに仕上げる、というもの。
※【コマ引用】:「スーパーくいしん坊 特製カレーライス!!の巻」(ビッグ錠/牛次郎/講談社)より

しかしこの古米が、なかなか手に入らず。
私の実家は米作ってるので「古米ある?」と聞いてみたんですが、残念ながらないとのこと。市販の古米や古々米は、数十キロ単位での販売で、さすがにその量は必要ないし……。

というわけで、今回は古米の入手は諦めて「ベチャっとしないバターライスを作る」ことに目的を変更(いずれちゃんと古米でも再現してみたいな?。今から米を寝かせておくか……)。

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作り方(ライス編):
1.フライパンを弱火に熱してバターを入れ、生米(洗わなくてOK)を透き通るまで炒めます。

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2.米と同量の水を入れ、追加のバターを乗せて強火にかけてフタをし、沸騰したら弱火でしばらく炊きます。水分がなくなり、米の芯が残らない程度になったら出来上がり。バターピラフっぽい、パラっとしたご飯になんとか炊けました。

水なしカレー

やっとこさ完成(ぜーはー)。カレーはどうしても工程が長くなっちゃいますね……。皿に盛っていただきます。

水なしカレー
食べた感想:
玉ねぎのペーストのなかに肉とパイナップルが浮いてる……という感じの見た目。一口食べると、玉ねぎが、野菜というよりすりおろしたリンゴみたいな甘さになっていてびっくり! 香介のねらいどおり、最初は甘いのに、後からひりひり辛い味になります。スパイスを4種類しか使ってないことを考えると、この味の完成度はすごい。豚肉もパイナップルの酵素効果で、そんなに長く煮込んでないのに、ほろっと軟らかい食感になってます。

カレーはわりとあっさりした印象なんですが、バターの染みこんだライスと一緒に食べると、これが相性よくてまたうまい。正直、普通のカレーを期待すると「なんか違う」感はあるんですが、それとはちょっと別の美味しさなんです。

味に物足りなさを感じたら、スパイスを足したり味平カレーよろしく醤油を入れて煮込み直しても美味しいです。あと、米はジャスミンライスあたりを使っても、パラっと仕上がっていけました。

タワーリングカレー
イロモノ料理だと思っていたら、ちゃんと計算された味に感動。やっぱりビッグ錠先生は嘘付かない! でもタワーリングカレー(左図)はやっぱり無茶です先生!
※【コマ引用】:「スーパーくいしん坊 特製カレーライス!!の巻」(ビッグ錠/牛次郎/講談社)より